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インドのラダックでバイクに乗ってカルドゥン・ラに行きました

インドのラダック地方はインド国内のライダーの聖地で、インド中からライダーが集まります。
このラダックでバイクに乗って(自称)世界最高の峠、カルドゥン・ラに行きました。
ここの峠は高度5602mと自称していてそれが世界最高といっているようなのですが、この高度は眉唾で実際は全然世界一でないみたいです。インドらしいですね。
まあ、それでも5300mぐらいはあって十分高いし景色も素晴らしいです。

※他のサイトの情報では単独旅行者はこの地域への入域が許可されないという情報がありましたが、2023年7月の時点では1人でも問題なく検問通過できました。

事前準備

バイクのレンタル

まずはバイクを借りなければいけません。
ラダックの中心都市レーにはバイクのレンタル屋がそこら中にあります。店頭にバイクが並べてあるので、状態の良さそうなバイクを見つけたら値段を聞いてみましょう。相場はだいたい1日1000〜1500ルピーぐらいだと思います。ヘルメットやグローブなどをつけるともう少し高くなります。

この街で借りれるバイクのほとんどはロイヤルエンフィールドというインドのメーカーのバイクです。インドのメーカーって大丈夫なの?って思うかもしれませんがロイヤルエンフィールドは由緒ある老舗のバイクメーカーです。他のメーカーのバイクも探せばあると思いますが、せっかくインドに来たのだからロイヤルエンフィールドに乗りたいですね。

後述するように未舗装の場所や水没している場所があるので、オフロードまたはそれに準ずるような車種が良いです。
ロイヤルエンフィールドクラシックのようなネイキッドタイプに乗ってる人もたくさんいるので別にそれでも大丈夫なんでしょうけど、オフロードの方が絶対走りやすいです。

で、ロイヤルエンフィールドのオフロードタイプのバイクで探すとヒマラヤンという車種があります。
これはその名の通りヒマラヤの山々を走るためにデザインされたバイクです。411ccの単気筒バイクで、あまりスピードは出ませんが未舗装の砂利道でも空気が薄い高高度でも問題なく走れます。今回のツーリングにうってつけということで、これを選択しました。
どこのバイク屋でもヒマラヤンは置いてると思います。

これを借りました

店の人に言ったら試乗させてくれたので、ちょっと店の周りを走って確認したり灯火類が問題ないかを確認してから借りました。
借りた時に控えの紙をもらい、「カルドゥン・ラに行く途中でこれを見せるよう要求する人がいるので携帯しておくように」と言われました。よく分かりませんがとりあえず持っておくことにしておきました。

ILP(国境地帯の入域許可証)取得

もう一つの準備がこのILP取得です。
カルドゥン・ラや近くのパンゴン湖など主要な目的地は国境紛争地帯の近くにあるため、入域にはInner Line Permitという許可証を取得する必要があります。みんな略してILPと呼んでます。

ILPは基本的に旅行代理店経由で申請するのがメジャーみたいです。
今回はゲストハウスの人に紹介していただいた中心街近くのAncient Trackerというお店で発行してもらいました。店に入ってILPが欲しいというとすぐに何か申請書を渡してくれ、パスポートを預けて一瞬で受付終了でした。
正午までに依頼すればその日の17時以降には許可証を渡せるということでして、けっこうスムーズに発行できました。

ILPを発行してもらった代理店

夕方もう一回行くと許可証のコピーを5枚もらえました。
なぜか見知らぬ日本人の名前が一緒にかかれていて、2人のグループのような形にされていました。
事前に調べた情報だと単独の旅行者はILPが許可されないという情報もあったのでそれが関係しているのかもしれません。

インドの交通マナーについて

インドの道路はカオス

お察しの通りインドの道路はカオスで、マナーなどあってないようなものです。とはいえデリーのような大都市と比べてレーはとても小さな町なので、中心部さえ抜けてしまえば車は少なくてとても走りやすいです。

インドの運転事情に関してはこちらに書きました。

いざ、カルドゥン・ラへ!

レーの中心部からカルドゥン・ラまではスムーズに行けば1時間ちょっとで着きます。

一度目のチェックポイント

出発直後からしばらくの道路は基本的には舗装されている区間が多く、他の車がいなければ走りやすいです。
ただし、道幅が狭いので大型車が来た場合などは道路外にはみ出してすれ違う必要があります。

対向車さえいなければとても走りやすい

レーの街から離れてしばらく走ったガソリンスタンドの横に人が立っており、バイクを止められました。(チェックポイントだと気づかなくて素通りしそうになりました)
ILPを差し出すと違う違うと言われ、バイク屋でもらった控えのことを思い出してそれを出すと何か確認してすぐに通してくれました。何の確認だったのかは今もよく分かりません。

二度目のチェックポイント

山道を登って30分ぐらい走ったところにもう一度チェックポイントがありました。こちらは先ほどと違ってちゃんと検問所らしい見た目をしていて「POLICE CHECK POST」と書かれていたのですぐにわかりました。

適当なところにバイクを止めて、道の脇にある小屋みたいなところに入ると係員がおり、その人にILPの紙を渡すとVehicle numberとContact numberは何かと聞かれたので、バイクのナンバーと自分の携帯番号を伝えました。
係員は紙の裏に手書きで何か書き、行っていいよとジェスチャーされました。通行券のようなものがもらえるのかと思ったのですが特に何もなく、謎です。
ちなみにILPの紙は返却されないのでいくつかコピーが必要そうです。

小屋からしばらく走ったところに道路を塞ぐバー(開きっぱなし)があり、脇に人が座っていたのですが、ここに座っている人は特に何を確認するわけでもなく通してくれました。これたぶんILP持ってなくても普通に通れちゃうと思います。
1人だと通行却下されるかもしれないと思ってビクビクしてたのに適当すぎて拍子抜けしちゃいました。

峠に到着

ここからしばらくは同じような舗装路が続きます。場所によってはセンターラインがありますが基本的には1車線の区間が多いです。
さらに高度が上がっていくとちらほら未舗装区間が出てきます。また、最上部付近は雪が積もっていて水が流れているので、道路に水が流れていたりしました。ブーツとズボンは少し濡れると思います。

一応舗装はされているけど土をかぶってしまってる箇所
完全な未舗装区間ももちろんあります

自分が峠を通ったのは昼前でしたが、レーを朝出発してヌブラ渓谷に行くツアーの客が一斉にこの時間に峠に到着するようで、峠の周辺の道は若干渋滞しており、峠はものすごい人でした。

車と人が多すぎて通り抜けるのも難しかったです

三度目のチェックポイント

峠を越えると下りになりますが、上りよりも未舗装の区間が多くて走りにくいです。工事中で砂利道になっている箇所もありますのでオフロードを走るような感覚になります。

峠を越えて30分ぐらい下ったところでまた同じようなチェックポイントがありました。先ほどと同じように適当な手続きをするとすぐに通れました。

その後も舗装されてたり未舗装だったりするところを走りつつ、ヌブラ渓谷への到着は出発から4時間後ぐらいでした。
Google Mapだと3時間と出ていたので、写真を撮ったりしてバイクを止めてた時間を考慮しても予定より時間がかかりました。

わりと壮大な眺め

帰り道

ヌブラ渓谷では宿泊せず日帰りの予定だったのでしばらくゴンパなどをブラブラしてご飯を食べたらすぐに帰りになりました。
帰りのチェックポイントは特にILPを提出する必要もなく素通りでき、車も朝よりだいぶ少なかったのでスムーズに行けました。
昼は人が多すぎてろくに休憩できなかったカルドゥン・ラも18時ごろの時点ではわずかに2, 3人のライダーがいるだけでほぼ貸し切り状態でした。

誰もいないカルドゥン・ラ


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