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4P-ヒット商品開発の心理【sato流マーケ講座Ⅰ㉒】


 回収騒動後、次に手掛けた新製品が発売1か月で在庫がすべて無くなる勢いでヒットし、今ではロングセラー商品となりました。

 開発ステップは同じですが、何を変えたかと言いますと、『意識』です。

 徹底的に「お客様」に意識を置きました。

 「新製品・新規事業の成否を決めるのは『コンセプト』 【sato流マーケ講座⑧】」で、ヒットするかしないかはコンセプトで決まるというお話をしましたが、これは統計的なお話です。コンセプト評価が高くても、凡打で終わる製品もあります。

 それは大概、開発メンバー間で有意義なディスカッションというよりも、もめている時間のほうが長い場合です。(笑)

 開発はいろんな部署の方や外部の方と協働しますが、各スタッフの意識がどこにあるかが大切です。

 ヒットする場合は、スタッフ全員がお客様に意識が向いています。無駄なエネルギーがなく(=ストレスがない)、質の高いディスカッションや沢山のアイデアが飛び出し、良いものが出来上がるのです。

意識 お客様


 一方、コンセプト受容度が高くても凡打で終わるのは、意識がエゴに向いています。

 自己主張と自分や所属部署の立場を守るため必死になっていて、製品開発へ向けられるエネルギーはかなり減ってしまっています。皆、心理的に疲れてしまっている状態です。


意識がバラバラ


 

 開発チームのリーダー(マネージャー)の意志の強さも大事です。お客様に喜んで頂ける最高のものをつくるというブレない意志が必要になります。平時ではそういう意識も簡単ですが、無から有をつくりだす試行錯誤のストレスや、開発現場ではチーム以外の方々とも一緒に仕事をしますので、温度差がある場合には丁寧に意思の疎通を図ったり、スケジュール的なことなど、心理的に過酷な環境下でも妥協しない強い意志が必要です。


 会社としては、部署間コンフリクトのストレスが減るような組織体制を組まなければなりません。上を見て開発したら出世し、お客様を見て開発したらヒットするというズレを無くすような人事体制にしなければなりません。

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コンセプト、イメージ・世界観に従ってマーケティングの4P戦略を策定していきます。その時のポイントをまとめました。

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