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さまよえるオランダ人

ときおり中古ボドゲSHOPで見かけては気になっていた作品だったのだが、運よく遊ぶことができた。面白かったのでその感想を述べたい。

箱絵を見て分かる通り、デザイナーはカタンで有名なクラウス・トイバー。1992年の作品とかなり古いゲームだ。それがなぜSHOPでよく見かけるかというと、ニューゲームズオーダーさんが2016年に日本語版で再販されたからのようだ。

しかもアートワークも絵画的で新しくなっての再販ということで、非常に素晴らしい。BGGを見ると1993年以降、オリジナルは再販された様子はなく絶版のようなので、現状日本語版が唯一市場に出回っているバージョンということになるだろう。



「さまよえるオランダ人」について

あまりボードゲームのタイトルらしくないなぁ、と思っていたら、神罰によってこの世と煉獄の間を彷徨い続けているオランダ人の幽霊船があり、南アフリカ大陸南端の喜望峰近海で目撃されるという伝説(フライング・ダッチマン)を題材にしているようだ。

WIkipediaより引用

ゲーム概要

プレイヤーは商人となり、一攫千金を夢見て海洋貿易に乗り出す。手にはいくばくかのコインと、交易船の株券 3 枚がある。船には価値ある物品が満載されており、これを無事に届けられれば大儲けできるだろう。

ただし、海には「さまよえるオランダ人」と呼ばれる幽霊船が彷徨っており、出会ってしまったが最後、商船には必ず不幸が訪れ、儲けは台無しになってしまう。

図霊船を遠ざけるためには、幸運のお守りとされる蹄鉄を、船のマストに取り付けることが必要だ。それも多ければ多いほど良い。銀治屋で蹄鉄を手に入れ、時には商館で株を乗り換え、より多くの富を成したプレイヤーがゲームの勝者となる。

ニューゲームズオーダーHPより引用

ゲーム開始時、幽霊船はメインボード中央のオランダに位置している。また6色の商船が運行しており、ボード周囲には商船の株価を表す駒が配置される。この株価は1ラウンド毎に1段階ずつ上がっていくのだが、幽霊船に襲われると株価が0まで下がってしまう。

プレイヤーには、鍛冶屋カード3枚と商館カード3枚、蹄鉄チップ9枚、35ドゥカート、それとランダムに株券3枚が配られる。

1ラウンドは4つのフェイズで構成される。
①ラッキーナンバーの決定
②アクション選択
③幽霊船の移動
④次ラウンドの準備

手番で出来るアクションは4つ。
A:株券カードの交換
B:蹄鉄チップの補充
C:蹄鉄の力にすがる
D:パス

ラウンドを繰り返していき、八角駒が18の港に到着したらゲーム終了。手持ちコインの合計が最も多いプレイヤーの勝利となる。


蹄鉄チップのやりくりと、幽霊船のコントロールが大事

ラウンドの初めに2つのダイスが振られて「ラッキーナンバー」が決定される。各プレイヤーは手元の蹄鉄チップを何とか調整して、このラッキーナンバーに近い数字を作り出す。ちなみに蹄鉄とは馬のひづめの底に打ち付けられた鉄の金具だが、幸運のお守りとして船のマストに取り付けられていたらしい。

全員が手番を終えたら、伏せて出された蹄鉄チップを公開し最もラッキーナンバーに近いプレイヤーが幽霊船の行き先を決定できる。幽霊船が商船マスに止まった場合、その色の商船の株は大暴落して価値0に戻ってしまう。逆に幽霊船が島に到着した場合は、誘導したプレイヤーは株券を1枚売ることができる。つまり上手く幽霊船を自分の都合の良い方向に導くことが大事なのだ。

ちなみに株券は商館カードを出すことで山札から2枚交換することができる。また蹄鉄チップは鍛冶屋カードを出すことで、前のラウンドまでに使用された蹄鉄チップを全て獲得することができる。複数人が鍛冶屋カードを出していた場合は同じ枚数で山分けだが、蹄鉄チップは伏せて置かれているためガチャとなる。これがまた一喜一憂して面白い。

株券カードの探り合いが面白い!

手札の株券は3枚配られている。つまり自分の「推し商船」がここで決まるわけだが、これらの船を何とか幽霊船に出会わないようにして島へいきたい。ここで各プレイヤーの思惑が交錯することになるのだが、この読み合いが非常に面白い。

幽霊船の動かし方を見ていると何となく、どのプレイヤーが何色の商船を推しているのか推測できるので、同じ色なら協力すればwin-winな行動ができるだろうし、全く違う色ならどんな邪魔をされてしまうか分からない。

ドキドキしながら幽霊船の行方を相談し合うのは何とも不思議で楽しい感覚だった。

感想

今回の満足度:7点(10点満点)

派手さはないが面白かった。
特に自分の推し商船の近くに幽霊船が来ると下手すると破産してしまう恐れがあるため、負けられない戦いが始まってしまいドキドキしたw

上手く他のプレイヤーの推し色を推測しながら相乗りするようにお金儲けすることがコツなのだろうか。その辺りの不思議なインタラクションが最近のゲームとは全く違う感覚で楽しい。また遊んでみたい。



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