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静かな魂には、この世の全てが祝祭となる②

(一風変わったブックレビュー②)


静かな魂に、本当の祝祭は訪れる

朝闇の中、まばらな鳥の声や

午睡の日だまりの中のバッハだったり

夜のテレビを離れた闇で聞く、声の無い音楽

心無い世の中をしばし離れて、自分の内側に耳を澄ます

魂の祝祭はしずしずと、しずしずと行われる

地上の死者が出る祭りは紛い物

馬鹿騒ぎの祭りは偽物

大切な音を、大切な声を、耳澄ませ聴く

馬鹿騒ぎの世の中に戻っても、正気を保つため

大切に、大切に聴く

戦のような狂乱に、世の中が行進する

テレビジョンのがちゃがちゃ不快な笑い声や

ネットの劣情を執拗に煽る広告や

他人の迷惑など顧みないネオン

狂った世の中で狂うなら正常だと

闊歩する常識人、のさばるコメンテーター

お笑い芸人もヤクザも、舎弟同士群れ、政府の犬となる

このくそ気持ち悪い日本で息も絶え絶えに

いじめ、いじめられる学生ら

この狂った世の中で、静かに息をするには

静かな愛が必要なのだ

静かな祝祭が、日夜訪れる

そんな愛が必要なのだ

生きよ

苦を楽に昇華して生きよ

蓮華は泥から咲き

僕らはこの世に凛と立つ

それこそが祝祭

狂乱し吼え猛る世の中に

それでも直く生き抜く術を

己が心の底より聞き知る祝祭

清らかな、静かな魂に浸り

精神は正気を取り戻す術である祝祭

暗闇で鳴るバッハのように

僕は静けさの中で魂の声を聴く

静けさの中、愛を聴く


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