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車イス2台、犬1匹。混んでるところは苦手だけれど、行けてよかったーひたち海浜公園

今(2024年4月20日現在)、茨城にあるひたち海浜公園のネモフィラが見頃だそうです。
ちょうど1年前、頑張ってネモフィラが満開の「みはらしの丘」を見てきたので、どんな感じだったかnoteしてみたいと思います。

車イス2台、犬1匹。朝4時に叩き起こしていざ出発

おそらく駐車場に入るところから混んでいるだろう、、ということで朝6時前に家を出ました。障害者はトイレなど朝の身支度に時間がかかるため、早起きしてがんばったんですが、これでも多分遅い方です。
開園時間よりだいぶ前に到着しましたが、すでに高速を降りる頃から渋滞が発生、駐車場に入るのに長い行列ができてました。
ただ、シーズン中は駐車場ゲートが結構早い時間に開くようで、ひどい渋滞には巻き込まれずに駐車場に入ることができました。

駐車場は何ヶ所かあって、我々は西駐車場になんとなくきてしまいました。もっのすごい広い障害者用駐車スペース!
渋滞していても、障がい者であることがわかればそちらに誘導されますが、でももうここも満車寸前。この後に来る車イスのドライバーさん大丈夫かな。

いつものことだけど、ドライバー自身が車イスユーザーである、という車は障害者用駐車スペースでも意外と少ない気がします。
真にこのスペースを必要とするのが、運転席側に広いスペースがないと車イスへの移乗ができない人だと思うのですが、満車でそういう車が一般駐車スペースに停めざるを得なくなるのは、どこか本末転倒な気がしてます(その話はまたいつか)。
ちなみに障害者手帳で駐車料金は無料です。

開園時間迫る中、ダッシュする人多数

人々がすごい勢いで入口に向かってます。
多分、人のいないネモフィラの写真を撮りたいんだと思います。気持ちはよくわかります!
(ネモフィラまで結構距離あるから頑張って!)

我々は走る人に巻き込まれないよう慎重に、車イスの背中に水だのおやつだのテツのグッズを背負わせ、予備バッテリーを積み、テツには制御しやすいハーネスを装着。入口へ向かいます。

ちなみに、YAMAHAじゃない方の軽量(14kg)電動車イスは、華奢ですがバッテリーの持ちが抜群によく、たぶんひとつのバッテリーで20kmくらいは走ってしまうと思います。こちらは車イスにバッテリー2つを装着できる仕様。バッテリー切れの心配はまずありません。
(↓ 度々で失礼します、この車イスでっす ↓)


入り口にて。貸出車イスがオニいっぱい。
中広いしアップダウンもあるし、手動では大変な気がしますが・・

あ。ここで犬同伴の飼い主さんは誓約書を書きます

YAMAHAの方は20年以上昔のシロモノ。バッテリーなんて何個ダメにしたことか。今使っているものは全部ネットで買った再生品なので、ひとつで7〜8km走れるかなってところ。外出時は必ず予備バッテリーを積んでいきます。

障がい者用の駐車場はどんな施設でも入り口やトイレに最も近い場所にあるものですが、それでもこの公園では、入り口まで多少距離があります。
私たちが出先で最も恐れること、それは車イスのバッテリー切れです。
忘れ物厳禁、ぬかりなく準備します。

入園ゲートにて。犬を連れている人は結構多い。
早速にわんこご挨拶。
人間は入園料が必要ですが障害者は障害手帳で入園料免除です

入り口で「ペット同伴誓約書」に署名し、車イス2台と犬1匹は迷わずネモフィラの丘を目指しました。

も〜入り口から緑豊かでチューリップが咲きこぼれ、キッチンカーがたくさん出ていて、どこで何を食べようかとワクワク。どこを見ても美しくて目移りしてしまいます。

チューリップがきれい! テツは行く気満々

ブルーの素晴らしい景色

ネモフィラ畑の中には、車イス的に十分な幅員の、きれいに舗装された歩道があって車イスで入れます。が、「丘」ですから延々坂道です。
(手動車イスで行く、まさしく真のチャレンジドは見かけなかった)
おまけに人混みもすごくて、この中を掻き分けて車イスと犬が進んでいくのは勇気いります。

行儀良くしてろよ〜

こんな3人組迷惑だろうなぁと恐縮しつつも、グイグイ行く。
ぐいぐいグイグイ。

道はフラットですが、連れ合いの車イスはパワーがなく、ちょっと勾配がきつい場所は登れない!
後ろからYAMAHAの電動でガードしつつ、華奢車イスをサポート。
ちと降りて押してみたり、パワーのあるYAMAHAの車イスで押したり引っ張ったり。
でも、てっぺんまでは人が多過ぎて途中でリタイヤ。
一応、ネモフィラを一面見渡せるところまでは行けました。

近くを歩いている方が「こっちに来て、よく見えますよ!」と誘導してくださったり、「ワンちゃん、えらいね」と声をかけてくださったり。
怒られないかな〜と思いつつぐいぐい行きましたが、大丈夫でした。
3人の写真も通りがかりの人に撮ってもらったりして、すっごく楽しかった!

路面は舗装されていて良好

ちょっと空いてるところでゆっくりできた

ネモフィラの丘を過ぎて、海を見渡せる場所まで来ると(多分砂丘エリア)、人もだいぶまばらになります。そこまで行ってゆっくりトイレを済ませ(人気エリアはトイレも大混雑)、海を見る・・・。
ネモフィラもきれいだけれど、今度、人が少なそうな時期にこの場所を目指してくるのもいいねって話してました。

お昼混みすぎ

できれば、海を見渡せるこの場所で食事をしたかったのですが、↓ ↓ ↓ 

海が見える砂丘エリアに程近いところに、
グラスハウス(中央奥の建物)という食事できる場所があるのだが・・・

めちゃくちゃ混んでるし犬も入れないので、キッチンカーでテイクアウトし、森の中のベンチで昼食をとりました。

どのキッチンカーも長蛇の列だし、連れ合いは左手が不自由、私は両手が変形、キッチンカーからの料理の受け渡しや支払いは位置が高すぎるしで、ハードルが高かった。
青空テーブルもなかなか空かなくて、やはり混んでるところは、障がい者はしんどいです。
レストランの方が確実なのですが、テツがいたので、青空テーブルが良かったのです。

木陰で休憩。森の奥に菜の花畑。さらに奥がネモフィラ畑。その向こうに海

閉園前に帰る

くたびれた。
3人ともくたびれた。
帰りは下道でゆっくりとろとろ帰りましたが、その間テツがずうっと眠ってました。
YAMAHAのバッテリー2個使い切った(2個とも要充電ランプ)ということは、一つの走行距離7キロ程度と考えて14キロは歩いたということになります。
木陰を選び、できるだけ人混みを避けて、ちょっと歩いたら休憩を取ってを繰り返しつつ歩きましたが、それにしてもテツ、よく歩いた。がんばった。

今、車イス2台はアイスクリーム休憩中。テツもくたくた

ちなみにYAMAHAの方はバッテリーを使い切りましたが、華奢な方は余裕、まだまだ走ります。バッテリーの持ちに関してはこの車イスはすごいです。

障害者が複数で移動する場合、公共交通は頼れない

園内には巡回バスがあるのですが、犬がいるので我々はひたすら歩き(車イスを走らせ)ました。お年寄りの方などは、このバスを上手に使うと足に負担がかからないと思います。
多分このバス、車イスに乗ったままで乗車可能と思いますが、乗れるのは1車両に1台だったと思った・・。

一般的にも公共交通では、車イス2台までならどうにか、3台以上だと「次の車両を待ってください、介助者いないですか?」とかなんとか、敬遠されがちです(そこに盲導犬とか加わってごらんなさい、私たちではなくて管理者側が、もう大変なんだから・・・)
期待通りにならなかったとき、車イスユーザーは「がっかり」くらいでは済まない事態になることままありますので、できるだけ自己解決自力移動できるようにしています。

遠いところから眺めてみた

我々に「いつかそのうち」はないのだ!

「ネモフィラ、4時起きして見に行ってきたよ!えへへ」と、実家に言ったら、「ばっかじゃないの〜!?しかもテツまで連れてったの? ばっかみたい」とかなんとか言われてしまった。
そうだよね、バカだよ、無謀だよ・・なんかあったらどうすんだ・・・。
なんか、とは例えばテツが逃げ出して他の人に迷惑をかけたとか、車イスが誰かにぶつかってしまったとか、そっちの心配です。障害者二人では対処できない場合もありますから・・。

でもね、あの時行けて良かったなと、心から思っています。
なぜなら、テツはもう長い距離を歩いたり長い時間車に揺られたりさせたくないくらい、年をとってしまったから。
だったらどこかに預けていけば? と思いますが、彼、一人残されることが嫌なのです。お留守番は長くても3時間くらいと決めてます。

若い時はまる一日とか、下手すると数日(ペットシッターさんに来てもらってですが)、一人ぼっちでお留守番させることがありました。
出て行く私たちを見送るテツの悲しそうな顔・・・。
もう17歳になるテツには、一人で待っていることをできるだけさせたくない。だから出かけるときはできるだけ連れて行くようにしています。
今はテツに負担がかからないあたりまでだから、近所の公園とか道の駅、その辺りかな。

ついでに私たちだって、いつ、もしかしたら明日にでも、障害や病気が悪化して起きられなくなったりするかもしれない。
だから、「いつかそのうち」と思わず、「行ける時に行く!」ようにしています。
「いつかそのうち」って思っている限り、それは永遠に来ないのです。

車イス2台と犬1匹。大変だったけど行けて良かった。
3人の大切な思い出がまたひとつ増え、「よく行ったよね〜」と、しみじみ思い返しています。

障害者さん、病者さんのお出かけ、ワンコ連れのお出かけ。
もし躊躇している方がいらしたなら、
「大丈夫! どうにかなるから行ってみて!
 世の中優しい人がたくさんいるよ、きっと楽しいよ」
そうお伝えしたかった。

少しでも伝わったかな・・・。

下を見下ろせるくらいの場所まで行ったよね〜



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