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声の表情

先日、休日の午後にとある方とじっくりお話しさせて頂く機会を頂いたので、その場として、ゆったりとした空間(ホテルの個室など)を探すためにいろいろなホテルに電話をかけてみました。

少人数で、かつ時間もランチとディナーの間の時間。

ホテルのレストランでのアフタヌーンティーとは違う形での語りの場としてのホテルの空間もありかなと思った次第。

直前でもあったため、あれこれ当たってみたものの結果的に見つかリませんでした。

ただ、電話をかけてみて、電話だからこそ、眼にみえない「音」に集中したことから、声にも表情があるんだなあと改めて感じ入りました。

とある有名老舗ホテルの営業部受付の方が電話口に出てきた時。

私の話す内容に、相手の「はい」というたった二文字の音声ですが、内容が分かってくるにつれ、そのトーンが段々と固くこわばってくる。

ランチとディナーの間というのは、なかなか運営上難しいようで、その時間帯のサービスの提供はほとんどないようです。

老舗の有名ホテルなのですが、、忙しかったのでしょうか、、

「お客様。そんな急に言われましても、私共としましてはなかなかご対応致しかねますっ!。」とこわばった声の表情で即シャットダウン。

「取り付く島もない」という表現はこういう時に使うんだろうなあと思いつつ、一刀両断にされた感じでした。

こちらが何か変なこと言ったかな、申し訳ありませんでした的に思えてくる。

一方、同じ内容で別の都内のホテルに電話してみる。

「さようでございますか。お客様のご依頼、少々確認致しますので少々お待ちください」

ちょっと困った感じ(表情)は電話口から伝わってきましたが、それでも何とかしようという誠実な雰囲気は伝わってくる。

「お客様、誠に申し訳ありません。ご希望のお過ごし方ですが、ご要望に叶う部屋はないようです。ですが、〇〇のような形式の部屋をアレンジすることはできますが(その分お値段は高くなりますが)、生憎その日は予約済みでございます。」

「大変申し訳ありません。午後のお時間ということであれば、私共のレストランの個室が取れるかもしれませんので、レストランに当たってみます。少々お時間かかると思いますので折り返しお電話させて頂いてよろしいでしょうか。」

別途、折り返しの電話がかかってきましたが、どのレストランもいっぱいですみませんとのことこ。

申し訳ない音声が伝わってきました。

なんだか本当に電話口でお詫びの頭を下げている感じが伝わってきました。

結局、十数件の都内のホテル、レストランを当たってみましたが、そのような時間の使い方に対するサービスはあまりないようで見つからず。

別の手段でなんとか空間を確保しました。。

まあ、仕方がないなあ。でも、音声だけでもその人、そのホテル、そのレストランのスタンスが垣間見れて面白かったなあ。

あれ、そう言えば「メラビアンの法則」ってあったなあと思い改めて確認してみると、

「メラビアンの法則」(7‐38‐55ルール)
 米国心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した説で、人間と他人とのコミュニケーションをとる時、言語、聴覚、視覚の3つの情報から相手を判断しているとして、その影響度は以下の通り。
 〇言語   7%
 〇聴覚:38%
 〇視覚:55% 
言語情報はたった7%で、表情や声のトーンが大部分の影響を及ぼすことに。

本来は、スムーズなコミュニケーションは言語、聴覚、視覚の総合的な表現によるものなのでしょう。

しかし、何となく、言語領域は低く、視覚領域が大部分なので立ち振る舞いや表情を豊かに、、というイメージが自分の中であったような感じです。

実際、視覚領域が大半とは言え、「聴覚」領域は38%もある。。

しかし、今回ホテル、レストランに電話をして、ホテルの営業部との電話口のやり取りなので、視覚領域の55%は機能しない。

となると、言語7%、聴覚93%の世界が現れてくることに。。

もしかしたら、言語領域がもう少し上がるかもしれませんが、仮に言語20%としても、聴覚80%の世界。

視覚領域の情報が入ってこない分、これはかなりの集中力と感覚、感性が研ぎ澄まされるものなのかもしれません。

そうだからこそ、「声の表情」というような、電話口でイライラしている姿?、必死にお客様にニーズに応えるべく奔走する姿が、聴覚を通じでイメージが浮かびあがってきたのかもしれません。

結構、大事な話は、視覚を切り離して、「言語」(定義、論理)と「聴覚」だけで感じ取り、お互いやり取りするのもありなのかなと思いました。

例えば、Zoomであえてビデオをオフにしてお話、議論するとか。

見えない世界の「音」声をとらえることも視覚と同じくらい重要かなと思いました。

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