ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ を見てきた

国立西洋博物館で開かれている特別展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」を見てきた。
備忘録的に感想を書く。


1番印象に残ったのは、竹村京さんの作品である。これは大きく欠損したモネの絵画の保管を刺繍によって行うと言う作品である。作品自体も非常に美しいし、何より刺繍と欠損した損した絵画との間に、スペースがありそこに入れるということがとても良いと思った。このスペースこそが、作品と作品の間の時間であり、実はどのような作品にもこのような時間が流れていると言うことを考えさせる良い展示だと思う。

次に印象に残ったのは弓指さんの展示である。この展示はどの展示よりも、今回のテーマに答えているように思えるしシンプルに絵の力が強いと思った。一緒に行った妻(ウクライナ人)はこの展示が1番印象に残ってと言っていた。日本語ネイティブでないと、厳しい展示なのではないかと思ったが、意外と絵のの力だけで伝わっているのだと思った。僕と妻が見知っている場所が、絵画で描かれていたのだが、妻は説明も読まず、あの場所あの場所が描かれていたねと絵だけで理解していた。

写真家の鷹野さんの作品もコンセプトが明確でストレートに伝えたいことが伝わってきたので良いと思った。

布施さんの作品は、コンセプトは個人的に1番好きなのではあるが(興味があること、考えていることが近いのかなあと思った。)、少しわかりづらいのが残念だった。

総じてとても楽しめる展示であった。まだやっているようなので、興味がある人はぜひ行ってみてください。

2024/5/17 追記
シラスのこの番組がとても面白かったので一緒に見ると良いと思います。展示される側の視点がわかって面白いです。竹村さんと布施さんへの評価と、後半の子供が美術館に行きたがらない話が特に面白かったです。https://shirasu.io/t/inkstone/c/ryoshi/p/20240501140303

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