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マサラチャイとの出会い

今の僕にとってマサラチャイは、コーヒー、紅茶に並ぶ、必須飲料の一つ。
日常で当たり前に飲むものになっている。
そのきっかけは、磨かれた滑り台のようにスムーズで、なんの摩擦もなく滑り込んでいった。

僕がマサラチャイを初めて飲んだのは、小学校の時だったと思う。
母の友人が作ってくれたマサラチャイを何の気なしに飲んでいた。
記憶にはほぼ残っていない。

そこから期間は空き、溶かして飲む粉タイプのチャイを買ってみたところへと話は飛ぶ。
23歳くらい。最寄駅の近くのカルディーで見つけたその魔法のような美味しい粉にどハマりした。3袋くらいまとめて買って毎日飲んでいた。

気づけば、スタバをはじめとしたあちこちのカフェでチャイという文字が目に止まるようになった。チャイって世の中にこんなにあったんだ。こんなに美味しかったんだと世界が広がったように感じた。


チャイという単語探しが役に立ったのは、本屋さんでチャイの本を発見したとき。
「チャイの旅」という本が目に入った。家でチャイを作るなんて考えたこともなかった。
そうか。家で作れば良いのか。
中にレシピが書いてあるという理由だけでその本を買ってみた。

本は普段から全然読まない。雑誌を買っても見ているのは見出しと写真だけ。
チャイの本だからといって例外ではない。見出しと写真、レシピだけを見て作ってみた。


これは、新しい飲み物に出会った感覚に近い。想像していたものとは違う、スパイスがほぼ入っていないタイプのチャイが出来上がったにもかかわらず、飲むのをやめられなかった。

チャイの良いところは、毎日味がわかりやすく変わるところ。その日の気温、水の温度、火力、少しの分量の違いで味はわかりやすく変化していく。

昨日作ったチャイとまた味が違う。なんでだろう?
このスパイスを入れてみるとどうなるんだろう?
茶葉はどんなものがいいんだろう?
疑問は次々と出てきた。

楽しいところは、誰に聞くでもなくなんとなくだけで自分で研究できてしまうところ。そして失敗が無いところ。そう。失敗がない。
昨日との違いはあるのに、まずいとは一度も思わない。
沼にハマっているとは気づかず、毎日チャイを作っては飲み続けた。

読んで思う。滑り台のよう。
こちらから滑り込んでいったというよりかは、チャイがこっちに滑り込んできたのかもしれない。


僕はよく友人を家に招く。お茶菓子と共に友人をチャイでもてなし、その美味しさを伝えまくっている。全世界の人が、コーヒーや紅茶と同じくらいチャイを日常の選択肢に入れてくれることを願って、僕はまた友人にチャイを飲ませる。

更新日:毎週月曜
Instagram:@satochen.s

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