青野くんに触りたいから死にたいに潜む日常ホラーよこんにちは

フォロワーさんにおススメされて無料だった1巻まで読んでいたのですが、2巻まで無料になっていたのでひとまず2巻まで……と思いつつ気が付いたら6巻まで買っていましたよね……

作品紹介
愛を捧げるたびに何かを失う。 幽霊と女子高生――断絶した世界のふたりが紡ぐ、濃密で一途なホラーラブストーリー。
君のためなら死んでもいいよ。 おかしい? でもこれがわたしの愛なんだ。 大好きだよ、青野くん。 天然少女・優里ちゃんと、その彼氏・青野くん。 絶対に結ばれないふたりの、でたらめラブ・ストーリー。

この紹介に騙された人は多いはずだ……というか、掲載誌がアフタヌーンって所ですでにお察しでしたね…アフタヌーンめ……!!!

メンヘラ女怖いと思って読み進めていくわけですが、主人公の刈谷さんは家庭環境もあり、お友達がいません。
誰とも触れ合うこともなく学園生活をしている刈谷さんはたまたま廊下でぶつかった青野くん。日常会話ではありますが初めて男の子と喋った刈谷さんは運命を感じます

わたし彼氏ができちゃうのかもしれない……!!!

青野くんに対し一方的に運命を感じた刈谷さんはおせおせで青野くんに告白をし、お付き合いを始めます。

非リア充から一気にリア充へと駆け上がります。

お付き合いをはじめて2週間。
青野くんがいなかったころの自分はどんな生活をしていたっけな……とお花畑モードの刈谷さんですが、青野くんは事故で帰らぬ人に……
第一話からぶっ飛ばしてきますね。

さぞかしショックだったことでしょう。メンヘラ彼女の刈谷さんは幸せの絶頂期だったため青野くんの喪失感に耐えられず後追いしようとします。あやうくリスカのところで幽霊になった青野くんが刈谷さんの自殺をとめます。

っていう感じで物語ははじまりますが、1巻を読んでいたときはメンヘラ少女と幽霊彼氏のちょっとエッチなほのぼのラブコメ漫画だと思っていたんですが2巻の佳境になるとどんどんホラーに進化していきます。

……とまぁ、内容にふれるのはこの辺までにしていきますがとにかくふとした瞬間の描写が怖い
絵柄はシンプルなのにシンプルだからこそページめくった瞬間に死んだ人の目(青野くん死んでますけどね)
ページをめくるのにハラハラしたの久しぶりです。エルフェンリートぶりです。

しかしすごい既視感を覚えるのはなんでしょうね……そうだ、ひぐらしのなく頃に、だ。

あのゲームのせいで未だに魚の目が怖くて直視できない。
チェンソーマンのサメの魔人が生理的に受けいれられないのもこのせいだ

通常のときのビームちゃん好きなんですけどね……

ストーリーは全く違うのであくまでの私の感性の問題なんだと思うのですが、ひぐらしのなく頃にもあんぱんみたいな手をしてて立ち絵もアレで……って絵を描かない私が言うのも申し訳ないんですが、最初見たときはこんなヒットするとは思わず『ザ・同人ゲーム』だったけれど、プレイしてみるとあの立ち絵が怖いのです……
(どうでもいいけど『ザ・をつけるとなんでもダイソーになる説』は提唱していきたい)

……話を戻しまして「ひぐらしのなく頃に」で私が評価しているところは『想像できる範囲の日常的な怖さ』につきます。

女装だのスク水だの痛々しいメイドなども羞恥的な痛さはあるけれどひとまず置いといて、針の入ったおはぎバットで殴打だの爪を剥がすだの……自分が想像できる範囲の痛さが伝わるところですよ。

簡単に例えると銃で撃たれた痛みは想像しにくいですが、ドアに小指を挟む痛さは想像できますよね。

いまいちゾンビ宇宙人恐竜とのバトルにドキドキスリルは感じてもそれは痛みというカテゴリーではない

つまり『非日常的な怖さ』なのですね。

ひぐらしの優れている点は身近な怖さ。ジャパニーズホラーというのもそれに近いですね。二次元であって日常と非日常の境目をうまく表現できていると思うのです。5~6巻あたりでメインになってくる四つ首様の話は民俗伝承のような閉鎖的な感じがホント怖いです。

むかしヒューマンという会社から発売された「トワイライトシンドローム」というホラーゲームもメイン舞台が学校で民俗伝承とか含んでくるので青野くん読んだときこのゲームを連想しました。すごくオススメです。泣けるホラーゲー。「零」もストーリーは好きなんですけど写真機で霊を封印するっていうホラーよりもアクションゲーなのでなんとも言えません。

……さて冒頭の「青野くんに触りたいから死にたい」に戻って、この作品もこれと同じで日常的な怖さで読者を攻めてきます

お風呂で髪を流しているときの無防備な背後に気配がしたら?
誰もいないはずの家で物音がしたら?
おしいれを開けたらあおい猫型ロボットがいたら…?
……って言うのは違いますけど。

メンヘラ刈谷さんはやっぱりメンヘラなのかもしれないのですが読み進めるごとにひしひしと伝わってくる純粋さ
彼女の好意はあくまでもピュアなんです。
純粋さゆえに捨てきれない。いとおしいものを感じるのです。

作品紹介にもありましたが絶対に結ばれないつまりハッピーエンドはないことは確定しています。なぜかそこだけは保証済みなわけですよ。なにをもってハッピーエンドなんだって話ですけど……。

そんなこんなでまとめられないぐらい取っ散らかってる文章ですけど、さといちは「懺~悔懺悔ェ六根清ゥ」がめちゃくちゃトラウマです。

「青野くんに触りたいから死にたい」を応援しています。