「波の音が怖かった」

初めて海に触れたのが小学生、本家の人たちとキャンプに行ったときだったと思います。

反対に確か沼？みたいな場所があって、その反対側に海があるようなそんなキャンプ場でした。少し距離があったのでテントを張った辺りまでは海の音は聞こえませんでした。つまり私はまだ海を知らない状態。

その頃、テレビは祖母と一緒に見ていた相撲野球、弟と一緒に見ていたアニメくらい。現実の海が出てくるような番組は見ていなかったのです。

そうして海と対面。

何もしていないのに波が押し寄せて、引いて、変な音(波の音)はするし、たまに足元まで水がきて。手前までは色が水色っぽいのに奥にいくに連れて濃くなっていく。「遠くまで行ったらどうなるの？」「足がつかなくなって溺れて死んじゃうかも」怖い…怖い！！

その時点で私の中で 波の音＝怖いもの という方程式が完成しました。

海の写真を見ているだけでは怖くない、けれどそこに波の音があればもう恐怖。簡単に説明するならばパブロフの犬でしょうか？

それから十数年が経ちます。

私はまだ波の音が怖いままです。あれから海へ行く機会がなく、たまにテレビで海開きの話題などで見ることはありますが、そんなときは無意識にチャンネルを変えます。

しかし最近、考えていることがありまして。

今年に入ってから現在まで続いているコロナウイルスのせいで、外出自粛や制限がかかっています。そんなストレスの溜まる状況下、私は心癒されるような画像や動画を探すことがありました。できるだけ人間の映ってないものが良くて、なぜかと言えば、喋る存在がいると意見の違いなどでたまにモヤモヤすることがあるためです。

癒し。動物。自然。

…ここまでたどり着いて、波の音が聞けるようになれば海の動画をずっと見られるのでは？と、ようやく向き合おうという気持ちが生まれました。

海の写真は好きです。生物も好きです。

現在仕事で疲れることが多いのでまだチャレンジできていませんが、いずれ克服できたら自分の癒しが増えて、少しだけ世界が広がるのではないかと思っています。

そう考えると、まだ行動もしていないのに私はわくわくが止まらないのです。