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知恵泉「琉球王国サバイバル術」の感想

今回の知恵泉、紹介されたエピソード2つとも全く知らなかった。

ひとつは、薩摩藩支配下のなか、昔日の勢いがなくなった琉球を復活させるべく尽力した、摂政の羽地朝秀という人物の行動。
薩摩の支配に慣れてしまい、為政者がヤル気を失ったことから相対的に影響力を増した神官の政治関与影響を排除すべく、王宮隣の御獄(神官のいる場所)を離れた場所に移設することを計画、その際のやり方が素晴らしい。
宗教的権威に守られ、誰もが手をつけられないイシューに対し、移設後は同場所に王と妃用の厨房を作ると宣言、それまで厨房は離れたところにあったため、冷めた食事だったものを温かいまま提供するのが目的と宣言した。
この理由は、誰も拒めない純然たるファクトであることが素晴らしい。
ファクトそのものは議論にならない。強い反対勢力があるなかで何か推し進める際、どれだけ自分の感情を表明しようが、大声で叫ぼうが、感覚を共有できない相手には無意味だ。それに対し、争いのないファクトをもってくる。そのうえであくまでその次に、感情をもってことにあたる。この順序を見習いたい。

二つ目は、ペリー来航時、高圧的な相手をちょっと気持ちよくさせることで、最も重要なことは守りきったこと。番組では”したたかさ”と言っていたが、私には「手のひらでの転がし方」と見えた。
首里城への入場をたびたび要求し、琉球側の拒否にも関わらず入城を強行したペリー一行に対し、あえて粗末な菓子を提供し、慌てふためく”ふり”をしつつ一行を適当な場所に案内し、首里城の本丸そのものには白い布をかけて見せず、かつ王族にも合わせないことに成功していたとのこと。
ペリーは「こいつら慌てふためいていやがる」と嘲笑っていたというが、実際は琉球側がペリーの感情を手玉にとり、あえて小さな愉悦を与えることで、それ以上の実績は積ませなかったと言える。

2つのエピソードについて、番組では沖縄のもつ特性、大国に囲まれているので軍事力では絶対勝てない、だからこそ、常日ごろから生存することを考えているからこその知恵、というようなまとめ方をしていたと思う。
そうだよ、この「常日頃から考える」があって実のあるものが生まれるのだし、「常日頃から考える」ためには、どれだけ自分で問いを作ることができるか、意味のある課題を認識できるか、だよなとあらためて実感したのでした。

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