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エッセイ

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さとくらのエッセイをまとめています。
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記事一覧

近づけば見える空は一緒。

 職場を出ると朝に降っていた雨が上がっていた。歩道は濡れていて風は冷たかった。最寄り駅ま…

さとくら
7日前
8

愛を正しく学ぶための方法を考える。

 人生をゲームとして考える。そうすると、まず自分のステータスを見て体力が低いなとか、コミ…

さとくら
3週間前
8

つい「聞いただけでアッと驚くような「キャッチコピー」」を探したくなる休日。

 最近、エッセイを書けていない。  書きたいことが浮かんでこない、というよりはエッセイ用…

さとくら
1か月前
9

33歳になった男が壊れないように「正しく考えるための方法」を考える。

 僕って壊れたらこうなるんだと思った。  人生で一番くらいの泥酔をした。結果、姫路に来て…

さとくら
2か月前
16

32歳の男が2023年に摂取したコンテンツを100のランキングにして紹介していく。

 まえがき 「さやわか式☆ベストハンドレッド」というイベントがあります。  こちらは「尋…

さとくら
4か月前
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神様に手を合わせるように音楽を聴く日、僕たちは歳を取る。

 ●  先日、職場で早めの忘年会があった。  とあるホテルの宴会場を貸し切っての立食パー…

さとくら
5か月前
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大人になって実感する最良のこと、そして、敵わない人。

  年を重ねる度に、母親には敵わないなと思うことが増えていく。一緒に住んでいた頃にも思ったし、大阪で一人暮らしをしていた時も思った。  けれど、恋人と住み始めて、より実感する。  僕は母親には敵わない。  ●  恋人の前で、母親のことを「母様」と呼んでいる。  弟や本人の前では「母さん」と呼ぶ。  どちらもしっくり来ている。  けれど、今後は「母様」と呼ぶことが増えるんだろうなと思うので、このエッセイでは母様で統一したい。  母様は僕を二十二歳の時に産んだ。  今、五

32歳の男が今まで読んだ本から100冊を選別してみる。

 なにかを選ぶ作業をしたかった。   「1万時間の法則」というものがある。「1つの分野でプ…

さとくら
5か月前
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友人が笑ってくれなくなる時、足を止めて。

 騒がしい居酒屋のカウンターで先輩が言った。 「男ばっかりの職場はつまらないよ。話題が酒…

さとくら
7か月前
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靴下を履いて、いくつもの週末を待つ日々。

「今日は部屋で靴下を履いてるんだね」  と彼女に言われて、そういえばそうだなと思う。  ど…

さとくら
7か月前
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大金をめぐる奔走の中で交わされる言葉ほど楽しいものはない。映画『札束と温泉』につ…

 前回から引き続き、佐藤究『サージウスの死神』の一文から始めたい。ちなみに、このセリフは…

さとくら
8か月前
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なぜ「災い」は起きるのか?を問う佐藤究『サージウスの死神』について。

 呪いってかかったことあります?  後輩に言われて、少し考えた。 「その呪いは川端康成が掌…

さとくら
8か月前
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ここは味気ないほど辛い現実だけれど、楽園を垣間見ることはできる。三浦しをん『墨の…

 友達の誕生日会を我々がよく行く居酒屋でおこなうことになった。  約束の時間は21時だった…

さとくら
8か月前
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真っ当な人間に見えるように、僕は僕を理解したい。

 ツイッター(X?)で三島由紀夫の言葉が「メンヘラを容赦なく鈍器で殴るような」言葉だと紹介されていた。  確かに三島由紀夫から見れば、それは「無礼者」になるんだろうな、と思う。  これが当時の日本のメンタリティなのか、三島由紀夫自身の問題なのか、については少し考えるべきところがあるだろうけれど、現代の日本は「人に弱みをさらけ出す人間」が多い社会になっている。  それは単純に「人に弱みをさらけ出す」方が得になるからで、逆に言えば三島由紀夫が生きていた時代は「人に弱みをさらけ