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日記 2024年1月 戸惑いの多い新年の中で考えた「決めつけるものではない」もの。

1月1日

 noteに載せた「32歳の男が2023年に摂取したコンテンツを100のランキングにして紹介していく。」が終わっていなかった。
 彼女は実家に帰っていたので、一人で一日を迎えた。

 今年は実家に帰らなかった。去年、父親と揉めたこともあって、年越しには顔を合わせないようにしようと思った結果だった。
 僕と父親の考え方は相容れない。
 分かっていたはずだけれど、改めてそれを突きつけられて去年はずっとどこか気持ちは沈んでいた。

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 パソコン粛々と向かっていると、揺れていることに気づいた。
 静かに横に揺れる程度のもので、最初は地震だと分からなかった。
 その後に「2024年1月1日16時10分頃、石川県能登地方(輪島の東北東30km付近)深さ16kmでマグニチュード7.6の地震が発生した」と知った。

 ネット、テレビ、すべてが「能登半島地震」の話題になり、津波が来ると警告の内容が繰り返し発信された。
 あけましておめでとうのメッセージを僕は今書いている原稿を終えてから送ろうと思っていた。もはや、「おめでとう」なんて言える空気感ではなくなった。

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 ツイッターにて毎年「おめでとう」のメッセージをDMで送ってきてくれる方がいた。その人が富山県だったと思い出し、大丈夫かな? とアカウントへ飛んだ。
 住所の欄にて「※無事です」との文字が並んでいて、ほっとした。

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 夕方に彼女が帰ってきた。
 彼女は地震の時、親戚の人たちと喋っていたらしく、揺れ自体には気づかなかったらしかった。
「お正月は包丁を使わない方が良いらしいんだけどね」
 と言いながら、夕飯を作ってくれた。

 包丁を使わない方が良いらしいことを僕は知らなかったので調べてみた。

三が日に刃物など使わなければ、この1年を無事に健康で過ごせる(もし切ったりして怪我をしては大変!)」、「包丁で切ることは、縁を切ることにつながってしまう」、「三が日の間は包丁も使わないで休ませてあげる

 なるほど。

1月2日

 朝から彼女が二泊三日の旅行へ行ったので、また一人になった。

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 初売りは安いらしい。
 という訳で、まずはブックオフへ。
 20%オフとのこと。
 本棚の残りを考え、2冊だけ購入。
 朝から何も食べていなかったので、「なか卯」で昼食をとった。

 続いて、姫路の駅前へ。
 靴が欲しかったのだけれど、人がいっぱいだったので諦めた。
 
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午後6時前、東京 大田区の羽田空港で、新千歳空港から向かっていた日本航空516便が、着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突した」というニュースが流れてきた。

 この事故で海上保安庁の機体に乗っていた6人のうち、5人の死亡が確認されたほか、日本航空516便の乗員・乗客のうち14人がけがをしていることが確認されたとのこと。
 沈んでいた気持ちが更に、暗い底へと落ちていった。

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 夜に「32歳の男が2023年に摂取したコンテンツを100のランキングにして紹介していく。」が完成した。
 最後の画像を載せたりする作業の最中ずっと「薬屋のひとりごと」を流していた。主人公、猫猫(マオマオ)のキャラクターと喋り方が癖になっていて、少しだけ元気になった。

世には百、千の花がありますが、牡丹と菖蒲のどちらが美しいかは、決めつけるものではないと思います

 猫猫は良いこと言うぜ。

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 12月の終わりからずっと抱えていた懸案事項が終わって、ほっとしてお酒を飲んだ。

1月3日

 すこぶる体調が悪かった。
 書いていたものが終わって気が抜けたのか、世間の暗いニュースにあてらたのか、分からないけれど一日の中でほとんど寝て過ごした。

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 正月休み最終日だし、小説を書きたいと思う。
 けれど、今書きかけているものに向かう気が起きなかった。

 良い状態じゃないことは薄々分かっていた。
 ただ、なんとなく目を反らしていたんだと実感した。 

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 正月の外出中に再生していた「五十嵐太郎×山梨知彦×東浩紀 「いまこそ語ろう、ザハ・ハディド」」を最後まで見た。

 こちらはゲンロンにて2021年5月14日に行われたイベントでアーカイブ公開は半年で、それ以降は見ることができないのだけれど、「大反響御礼!シラスざんまい拡大版 第2弾」というキャンペーンで再公開されていた。

 概要を説明していくと長くなるけれど、社会の空気が何もかもを決めて良いものなのかという問いについて考えた。
 社会の空気が常に正しい判断をする訳ではない。
 間違っていることもある。
 この事実をそもそも僕たちはちゃんと受け止めているのか、という疑問がまず浮かんだ。
 当時、あの空気はまずかった。
 そういう反省があった時、この反省は今に生かせるのだろうか。

 子供を英語で言うと「child」で、子供たちは英語で「Children」。子供は複数になったら、別の生き物になる。
 そんな話が伊坂幸太郎の「チルドレン」という小説にあった。

 おそらく、それは子供に限らない。

1月4日

 仕事始めだった。
 朝から電車は遅延していた。
 さすがだ。

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 部屋に帰ると、数分前に彼女も帰ってきたようだった。
 土産話を聞いて、夕飯の後、彼女が買ってきてくれたお菓子でコーヒーを飲んだ。

1月5日

 本日もお仕事。
 電車の中で、「名建築で昼食を」を見始める。

 あらすじは「カフェの開業を夢見る藤(池田エライザ)が、“乙女建築”好きの建築模型士・千明(田口トモロヲ)と名建築を巡り、成長していく姿を描く」というもの。

 彼らが知り合うきっかけは千明がSNSでアップしている写真だった。その写真のハッシュタグが「乙女建築」。
 千明は田口トモロヲが演じている通り、中年男性なのだけれど、彼がなぜ「乙女建築」というハッシュタグを使っているのか、を説明するシーンがある。

ロマンチックに物事を掬いとる乙女心って男女問わず、誰の心の中にある。その乙女心を刺激される建築だから“乙女建築”と読む

 良いじゃないか、と思う。


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