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「集中」と「リラックス」 一瞬で”脳”を切り替える技術

【今日の読書】Day126

「集中」と「リラックス」
辻 秀一 著 大和出版 2019年

「1日もあなたの作品である」ージョン・ウッデン


芸術家の創作活動だけでなく、1日をよりよく生きることも作品。


その作品は、「何をするのか」「どんな心でやるのか」で決まる。


あなたの人生をご機嫌な傑作作品にしていくために必要な2つの脳とは?


❶[3セレクト]

①現代人の脳の問題点


認知脳が発達した動物ほど、生き延びる確率が高くなる。人間も同様。認知脳を発達させることで厳しい生存競争を生き抜き、進化してきた。


ところが、文明が発達し、生命の危険にさらされる機会が少なくなると、生命維持以外の結果を求めて認知脳を使うようになる。常に外側に意識を向け、


「もっと効率化するには?」
「もっと差をつけるには?」


と認知脳をフル稼働させて、「もっと、もっと」を求めているのが現代人。


厄介なのは、認知脳は物事にネガティブな意味づけをする傾向があること。


認知脳が暴走した状態にあると、ライフスキル(※)はほとんど作動されることはない。


心が不安定なのは、「認知脳まかせ」にしているから。よく生きる上で重要なのは、自分の脳を全体としてどう使っているか。


※ライフスキルとは:
WHOが1993年に打ち出した概念。10種類のライフスキルがある。
「意思決定」「問題解決」「創造的思考」「批判的思考」「効果的コミュニケーション」「対人関係」「自己認識」「共感性」「情緒対処」「ストレス対処」


②とらわれた集中と真の集中

バイフレイナー(※)の集中状態と、一般的にいわれる「集中力」は全く異なる。


いわゆる集中力は、「期限は明日。集中してやってくれ」と人に言われたり、「ここが大事だ。集中しなくては」と自分に言い聞かせたりして高めるもの。これは認知的な集中。


認知的な集中だと、1つの対象にとらわれすぎて近視眼的になり、まわりが見えなくなる恐れがある。


認知の領域で意識しようとすると、体が緊張し、思考も萎縮してしまう。ここ一番で結果を残せない人は「集中しなくては」と、認知脳の暴走で過緊張にに陥るタイプが多い。


重要なのは、認知脳でやるべきことを明確にしながら、ライフスキル脳を働かせ、目の前のことに自然体で向き合うメンタルを持つこと。

大谷選手がハイパフォーマンスを発揮できるのは、こんな状態だからではないかと思う。

宮本武蔵「五輪書」水之巻では、
認知脳の領域の集中力を「見の目」バイブレイナーの集中状態を「観の目」と表現している。

※バイブレイナーとは:
「認知脳」(外に向く)と「ライフスキル脳」(内に向く)がバランス良く働いている理想の状態が「バイブレイン」


バランス良く働かせている人を「バイブレイナー」という。
バイブレイナーになれば、自分を変えずとも生き方が変わる。


③「ポジティブ変換」はしてはいけない 


ネガティブな感情が起きた時、いちいち原因を探して、ポジティブに変換していたら、時間がいくらあっても足りないし、エネルギーの消耗も半端じゃない。

ポジティブシンキングや不快対策思考をいくら繰り返しても、自分をご機嫌にすることはできない。

ポジティブシンキングとは、「マイナスの意味づけ」を「プラスの意味づけ」に転換するもの。


例えば、朝から雨が降っていて、「嫌な雨だなぁ」と思ったら、「雨がふってこそ作物が育つ。農家の人には恵の雨だ」と思い直す。ポジティブシンキングも、結局は意味づけにすぎない。


認知の領域から自由になることはできない。


❷[マイエピソード]

 認知脳が働きすぎていて、自分の思考を邪魔に感じていた時があった。経験や知識が溜まるほど苦しくなる感覚。サイキックトレーニングを始めてから、認知脳が静かになり、バランスをとることができるようになった。実感していたことの説明がつくなんて素晴らしい。


❸[今日からのアクション]

目の前のことに集中し、結果はただ受け入れる。


ブログ記事執筆者について

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