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アニサキス・アレルギーが治る可能性と希望について

2018年3月23日夜に魚を食べて、突然アニサキス・アレルギーになり、死にかけました。それ以来、大好物だった魚介類全般食べられません。ダシやエキスも食べられません。食べたら命に関わります。
このアレルギー、あまりに知られてません。不勉強の医者だとその存在も知りません。情報が少なすぎます。でも、あなたも明日なってもおかしくないアレルギーです。少しでも情報が多いほうがいいので、個人的経験談を書いて残しておこうと思います。アニサキス・アレルギー関係のログはこちら


ご覧になった方もおられると思う。
日曜朝7時TBS系「健康カプセル『ゲンキの時間』」。

今回(2/23)は「大人のアレルギー特集」だった。

この(↑)番組アーカイブでは無視されているがw、この中で5分ほど「アニサキス・アレルギー」を取り上げてくれた。

いや、アニサキス・アレルギーが取り上げられるなんてマジ珍しいこと。

たぶん、ボクの現在の主治医である鈴木慎太郎先生(昭和大学病院)が成人アレルギーの専門医師として出演したので、彼が「こんな例もありますよ」と番組スタッフに伝え、取り上げられることになったのだと思われる。

で、「こんな例」というのは、アニサキス・アレルギーになった人が、いま治りつつある、という例なのだ。

ボクのSNSやnoteなどを読んでいただいている方は、ボクがこの厄介な「アニサキス・アレルギー」を治すために闘っていることはご存じだと思う。

そのために鈴木先生の指導のもとに魚介類を完全除去しているし(ダシやエキスに至るまで)、それを完遂するために「1000日チャレンジ」をやっていたりする。

で、ボクの場合、免疫細胞がガンコなようで、2年近く経つのにまだ数値が下がっていないのだが、この番組では「数値がどんどん下がっている例」が紹介されたのである。

治療方針は、シンプルだ。

(1)アレルゲンを完全除去して、IgE検査の数値を下げる(血液中の抗体の量を減らす)。
(2)数値が0レベルまで下がったら、少しずつ体内にアレルゲンを取り込んで、免疫細胞に「こいつ敵じゃないねんで」と言い聞かしていく(一般に減感作療法と言われるもの)。

減感作は、小児食物アレルギーとかだとわりとよく治る。
少しずつずっと摂取すると、身体が反応しなくなる。
ただ、大人になってからなった成人食物アレルギーだと意外と難しく、治った症例もそんなにない。

ただ、「治るかもしれないのであれば闘おう」と決めたので、ボクはいまこれをやっている、ということだ。


で。
この番組自体はもちろんここでは流せないが、そこの「治りつつある例」として出演した方の手記がFBグループ「アニサキス・アレルギー友の会」で投稿されていたので、シェアしたい(ご本人に了解とってます)。

この方が治りつつある、ということが、ボクにとってはとても大きな希望だ。

ボクの場合、数値が下がらないので少し悲観気味ではあるけど、でもいつか急に下がり始めるかもしれない。

それを目指して頑張ろうと思う。


ということで、以下、迫真のルポをお読みください。
(原本の専門用語をちょっとだけ直したり、改行を加えたり、太字を入れたりしています)。

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2月23日日曜日朝7時のTBS系28局ネットの「健康カプセル」ゲンキの時間は、「命を脅かす大人のアレルギー」です。

昭和大学呼吸器内科の鈴木先生、そしてなんと大人のアレルギー症例の改善例として私も出演します。
恥ずかしいので仮名でのインタビューです。私の症例を役者さんが演じてくれます。

私、約4年前の2016年9月に「アニサキスアレルギー」のアナフィラキシーショックで入院していたんです。

大人になってからなってしまうアレルギー症例の紹介とアレルギーを克服した代表として取り上げられます。

ーーー以下、長文ーー

それは、2016年の初秋の日曜の夜でした。

寿司屋で新サンマの刺身、サンマ握り、サンマ塩焼き、そして大好きな焼きサンマの内臓と日本酒。その他、様々な寿司を食べ帰宅。

夜中1時頃にとてつもない頭痛と頭が張り裂けそうな、頭が膨張したような感覚に襲われる。
起きて鏡を見ると全身蕁麻疹で腫れまくり。その上、心臓がバクバクと高血圧で耳から血が噴き出すのではないかという感覚に。

何が起きたのかとWEBで検索、救急病院に電話、すぐに救急車で来てくださいと言われるものの自力でタクシーで昭和大学病院救急へ。

即診断いただきアナフィラキシー・ショックと診断され点滴とエピペン(アナフィラキシー専用の注射)をして頂き、命拾いしました。

一日入院し次の日には退院できました。


血液検査の結果は、アニサキス・アレルギーという聞いたことのない宣告

アニサキスと言えば、魚介類の寄生虫。アニサキス症というのは芸能人がかかり良く話題になります。その寄生虫が胃を食い破るから相当な痛みの症例です。

私の場合は、そのアニサキスの体液(死んだアニサキスの体液にも反応する)に対するアレルギー症状。

(※佐藤注:体液だけでなくタンパク質にも反応します)

きっと焼きサンマの内臓に死んだアニーが数十匹いたんだろうな。
医者から魚介類一生食べられません。と宣告される。

えっ。一生 寿司食べられないの? 魚???????
えーーーー。魚介類大好きなのに。


いやいや生じゃなきゃいいんでしょ。煮魚、焼き魚、出汁は大丈夫でしょうと思いましたが、それも何も全てダメと言われ人生の殆どの楽しみが無くなったようで、数週間落ち込みました。

ネットで調べれば調べるほど研究がまだまだ追いついていない分野と知り愕然としたのを覚えています。

初期のアレルギーのレベルは3。
一縷の望みをかけて大学病院、呼吸器内科担当医のアニサキス専門の先生を信じ、徹底的に魚介類を食べない生活を開始。

考えられる限りの食材をチェックし魚介類排除した食事をしていましたが、1か月後くらいに朝起きると顔の唇から半面が痒みとともに倍程度に晴れました。

とても仕事に行ける状況ではなく、様子を見ていましたら1日で片側の半面に腫れが移動。なんじゃこりゃとびっくりしましてネットで症状を調べると「クインケ浮腫」なる病名が。

大学病院で処方されていたアレグラを飲むと2日で治まりました。
かかりつけの大学病院のアレルギー科の予約は数カ月先まで取れないため、ネットでアレルギー専門の先生を探しました。

アレルギー学会の重鎮が新橋で開業されていましたので、さっそく訪問。
高齢の重鎮の先生は、「アニサキス・アレルギー? 聞いたことないね。」とのご回答。3年前なのですが、学会の重鎮でさえ聞きなれないアレルギー症状と知り愕然としました。

心配でしょうがないので、複数種の抗アレルギー薬とエピペンを処方してもらうのみでした。
知らないうちに魚介類の要素が入っているものを食べる可能性があるため、アナフィラキシーが起きたら数分以内に自分で太ももに注射し命を救えるエピペンが手放せなくなりました。

まだまだ研究初期段階でアレルゲンの特定が進んでいる程度。どの魚介類にアニーがいるのかも一部しか研究実績がなくまだまだ不明。
本当に希望がない状態でした。

3か月後のアレルギー検査結果の数値が上がり、考えられる限りの魚介類カットのストレス生活をしていましたので「あれほど頑張ったのに」と本当に参りました。

詳しく食事内容を調べると、原因は鰹節の出汁しか思い浮かばない
朝飲んでいる味噌汁が原因で数値が悪化している模様。
原因が、朝飲んでいる鰹節出汁のお味噌汁と特定でき、その後、徹底的に鰹節の出汁関係をカットしました。
鰹節の代わりに全て昆布だけに。

【食べてはダメな食材】
・海に生息する魚介類そのもの (似ても焼いても加工してもダメ)
・海生まれ湖、川にいる淡水魚(ウナギ、鮎など)
・魚介加工品(かまぼこ、練物、缶詰など)
・魚介類の出汁(かつお出汁、魚醤、アンチョビなどのドレッシング、たれ→うどん・ラーメン、そば、和食全般、お菓子類など、隠し味の場合分からない)
・魚介エキス
・オキアミのうまみを使ったもの(キムチ)
・タンパク加水分解物、アミノ酸類(魚介由来のアミノ酸うま味成分→コンビニ等で売っているほとんどの食品に含まれるが、何が原料か分からない)
・外食等で、魚介類を揚げた油で揚げた肉類、魚介類をさばいたまな板、包丁などを使った料理



外食は徹底して肉以外を避ける。サラダもドレッシングに入っているから気をつける。
外食の際は、魚介類を外すように料理してくれる店に絞り込む。

仕事柄、お客様と外食が多いのですが、その度にレストランのシェフに事前に事情を説明し、対応いただける店だけにする。(皆様に申し訳ないと気遣いが多い)

京都の料亭の接待でも、食べられるのはほとんどなく、枝豆だけ食べて素晴らしいコース全て残す。そんな悲しすぎる時間。

コンビニで食べられるものは、梅干しの握りくらい。
などなど考えられることは全て実行。

一生治らないと宣告されていましたが、いつか安心して魚介類を食べられる状態を目指して。


しかし、半年程度は、靴下のゴムが強い部分、パンツのゴム部分の腰回り、時計バンドの手首部分は、疲れると蕁麻疹ではなく赤く腫れるようになりました。肌に刺激があると腫れるようでした。

心が折れそうになりながら魚介類完全カット生活を持続し、半年を過ぎたあたりから身体も回復基調になり、赤く腫れることが少なくなり現在は全く症状がなくなりました。

その後、検査ごとに数値が下降線を描くようになり、目標が見えました。ゼロという途方もない目標が。

そうしたら三年目の検査でついに念願のアレルギーレベル0を達成しました。
担当医もびっくりの回復です。

画像1


現在は、魚介類の出汁を積極的に取る治療段階に入りました。
こんなに出汁がうまいなんて感動ものです。

お菓子に魚醬などの出汁が入っていますが、感動的においしい。(3年食べてないから味覚が鋭い)

そして魚介類の缶詰にチャレンジしています。
今のところ全く問題なし。

私も当時は絶望しましたが、炎症的に反応している身体をまずはいたわり、摂取を抑えて、体調を整え、徹底した食事管理、腸内細菌を改善することでレベル0までできたと自負しています。

長くなりましたがそんな話を取材で話しました。さて、どんな番組になるのやら。

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以上です。
よかったですね〜。ご苦労の賜物です。

ボクはアレルギー・レベルが5なのでこの方よりも高いのだけど、完全除去を地道に進めて、腸内環境も整備して、なんとかまずレベル0まで下げるのが目標です。

そして、そこから少しずつ魚介を体内に入れていく(まずはダシから減感作)。

まぁ(もし治るとしても10年はかかるので)治るころにはもう老人でしょうが、死ぬまでにあと何回かでいいから、美味しい鮨や刺身や焼き魚を食べてみたいな。。。(ささやかだけど切実な希望)


ということで、アニサキス・アレルギーが治る可能性と希望についてのお話でした。


アニサキス・アレルギーの話しについては、こちらから順を追って見ていってください。


古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。