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マガジン・いちばなし

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いちばを行き交う人びとの、いろんなはなし。 ハラペコ里の市のイベントフライヤーに寄稿していただいた記事を掲載します。
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記事一覧

微生物の恩恵

2020年1月掲載 文:葛原 正之さん(伊賀市・土の香工房) ・・・  みなさん、「宇宙戦争」という映画を観たことありますか? 15年ぐらい前のSF映画です。(ネタバレあり) (三重県伊賀市の山あいにある葛原さんの工房)  簡単にあらすじを説明すると、高度な文明を持つ地球外生命体(侵略者)が地球侵略を企てて地球人と戦う話を描いています。  さらに結論から言ってしまいますと…、侵略者は人類を滅ぼす事はできず、地球は侵略されずに終わります。  なぜ侵略者に勝てたのか、

心のタスマニア

2019年9月掲載 文:Meli-Melo シャボール・育さん ・・・  この3月フランス人の夫と付き合って10年の節目の日、山の中に小さなガレット屋をオープンしました。10年前には想像していなかった今の暮らし。国際結婚、田舎暮らし、子育て、お店・・・。  土に淡い憧れを抱きつつも、パリと神戸、住み慣れた都会に暮らし、普通にお勤めしていた私達。今回はそんな私達を田舎暮らしへ導いた大きなきっかけについてお話ししたいと思います。  それは、10年前。オーストラリアのタスマニ

根っこのこと

2019年4月掲載 文:うづ芽(根っこ、CAFE-NeKKO) ・・・  私が生まれたのは、丁度、高度経済成長の真っ只中でした。日本が物質的豊かさを求め邁進する世の中に幼いながらも違和感を感じたのでしょうか。そんな世の中に抗う様に自分の根っこ、日本人の根っこ等の精神的豊かさを探し求める子供でした。  私は三歳の頃から箏を習い始めました。母が師匠だったので、母の練習を一日中、子守唄の様に聴いて育ちました。箏、三味線、尺八の事を三曲と呼びますが、心地よかったはずの、それらの音

手放すこと。身軽に自由に。

2019年2月掲載 文:カフェサナブリ 西木真木 ・・・  サナブリは皆さまのおかげで、もうすぐ7周年を迎えます。  そして、「もっと丁寧に、今に集中してじっくりやろう」とリニューアルしてから約1年が経とうとしています。 この1年は、「今のサナブリにとって本当に大切なもの以外を手放すこと」に集中してきました。  それは、当たり前の事ですが、人も時代も環境もどんどん変化しています。前回うまくいったことも、次の時、同じやり方では乗り越えられないということを何度も経験した私は

「ぐるり」の野菜の育て方

2018年11月掲載 文:ぐるり農園 小山高人 ・・・ みなさんこんにちは、ぐるり農園の小山高人です。 里の市やハラペコあおむしさんを通じて、たくさんの人に野菜やお米を食べていただいてます。 いつもありがとうございます。 僕は人見知りなので、だいたい妻である萌愛さんのやや後ろにいます。もしくは畑や田んぼにいます。 なので今回は農園と自分のことを少し書かせてもらいます。 △大根の種 種はできるだけ自家採種しています(萌愛さんが)。友人知人から引き継いだ茄子やピーマ

おかげの話し

2018年8月掲載 文:菜食韓国惣菜のネチャメ しほ ・・・ 「ネチャメ」を始めてまるっと5年になります。数年はあちこちでバリバリ出店してたんですけど、去年の夏にうちの家族のわんこが病に倒れてしまったのをキッカケにかなり減ってしまいました。できる範囲でと動くと今の調子に。しょうがないとはいえ、なんとまぁゆるい店主ですみません。 だけどそうなって、誰かや何かの「おかげ」を痛感しています。いま周りをみわたしてみると自分の過ごす世界はやさしさとあたたかさでいっぱいだなとあらため

快適な住まい

2018年5月掲載 文:広島工務店 廣島孝夫  何年振りだろう、懐かしい声が電話の向こうで少し困っている。 「え~!私の家を?汚いし散らかっているし・・・・ん~それでも良ければいいですよぉ~」  やった!感謝!感謝です!  築8年のお客様に「お宅訪問」をお願いした。注文住宅の弊社はモデルハウスを持たず新規のお客様の希望に近いお宅に訪問させてもらうケースが多いのだ。  このI邸はオーナーのこだわりが盛り沢山で、こちらとの掛け合いもうまくいった素敵な家。  新築当時はよ

心をあたためる、ふるさとをあたためる

2017年8月掲載 文:奥田美和子(土の香農園・土の香市場ハラペコあおむし) ・・・  もう14年も前のことですが、末っ子が青山中学校の卒業式で何人かで答辞を読みました。みんなで考えたのか素晴らしい答辞で、聞いていた多くの保護者が涙を流していました。その中で私にとって今も忘れられないフレーズが、先生や親たちへの感謝の言葉のあとに続いた「僕らを育ててくれた青山の町ありがとう」という言葉でした。私はその時強く思いました。  この子達の多くがやがてふるさとを離れて暮らすようにな

自由自在な、谷の家

2017年5月掲載 文:星降る谷の家fufufu 細野明里 星降る谷の家fufufuとは・・・ 星がとっても綺麗で 6月にはホタルが沢山飛ぶ 奈良・室生の谷間にfufufuはあります 一言で言い表せないfufufu カフェであって ギャラリーでもあり 音楽スタジオになることもあれば コミュニティースペースでもある そして駆け込み寺と言う人もいる これは 自由自在をテーマにしてきたからこその カタチ。 自由自在と聞いたら 「なんだか大変そう…」 とか色々な意見はあります

グリーントラックの車窓から

2017年11月掲載 文:HOA BINH TABLE ・・・  「HOA BINHはベトナム語で平和。TABLEは食卓。 食からつながるHOA BINHをグリーンのフードトラックから発信していきます。」 これが、私たちのお店を紹介していただく時に載せてもらっているものです。  ハラペコ里の市に買い物にみえる方や出店してみえる方は、きっと食の抱える複雑な問題に自分なりの答えを持って、日々生活している方々だと思います。添加物、遺伝子組み換え、農薬や肥料、放射能など様々で、そ

里の市について

2017年2月掲載 文:奥田悠史 ・・・・・・ 「あったかい食卓を子どもたちに」 「あったかい未来を子どもたちに」 「あったかい毎日をあなたにー」 ハラペコ里の市は、毎週水曜日に開催しています。 晴れて青空が気持ちいい日も。曇って少し肌寒い日も。 雨が降った日は雨を感じながら。 雪の日はみんなでストーブを囲みながら。 小さなマルシェ「里の市」は自然食品店ハラペコあおむしで開催しています。毎週開催するのって結構大変。それでも、毎週開催するのには理由があります。