漫画『まじめな会社員』

なんとも言えない微妙な気持ちにさせてくれる漫画であった。

大人の仲間外れの描写や、相手のことを見ずに好意を持ってしまうところなどなんとも嫌な気持ちになってしまった。
それは特に前者が私にも共感できる感じがあるからだと思う。
ただそれは上京してからはなくて、九州では私は鼻持ちならない女だったんだろうなと思うし、心当たりがある。何者かにならなきゃいけない幻想に振り回されてたし、プライドがめちゃくちゃ高かった。

26歳という年齢で上京できたのがよかった。社会に出るとままならないこともあるし、少しは客観視できてくる。社会に出てから東京に出ることで、学生だと見えないことが見えてくる。学生だったら煌びやかさに惹かれたバカな女になってだろうと思う。
社会人4年目で、且つ素敵な夫もいたため、安定した毎日を送ることができた。

ただ、遺伝子や人生の決断が違っただけでこの主人公の様になってたかもしれない。
「まじめ」には皮肉な意味が込められている。

中学生、高校生の時、学校や親にはむかっていた自分が救われる漫画でもあった。
一方で社会人になって「まじめ」にならなきゃと思っていた自分を見返すきっかけにもなった。

ここまで心を抉られる漫画は初めてだ。

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