クレイジーダイヤモンド

自身の引退レースとなった「第26回御岳カップ」。本当に素晴らしいレースだった。委員長の柴田大吾さんには感謝しても仕切れない思い。
大会は土曜日、日曜の二日間。私は土曜日にダッキーミックスという初めのカテゴリーに参戦した。男子1人女子1人で構成される2人乗りのボートで行うレースだ。
一緒にダッキーミックスで乗ってくれたのは世界大会にも2回出場している大学生。「どういう経緯でチーム組んだの?」ってよく聞かれたがあまりはっきり答えなかった。
なぜ私が彼女と一緒に参戦を決めたかというと「素晴らしい人」だから。それに尽きる。
それには理由がある。
2023年6月イタリアでの世界大会の最終日世界一決定を決めるレースの時の映像をたまたま発見して見てみた(負けたレースは死ぬほど見るが、勝ったレースはあんまり見ない)。その際に声を張り上げて我々のチームを応援して、自分事のように喜んでいる姿が映っていた。自分も優勝したかったに違いないのに夜10時30分の小雨の降る中あんなに全力で人を応援できる人がいるのか。私は世界大会優勝しても涙は出なかったが、この映像で涙が出た。
自分が現役最後に出るダッキーレースは是非ともこの方と一緒に戦いたいと思った。突然の誘いに大いに戸惑ったと思うが了承してくれて安堵した。
そこからの練習は世界大会前に匹敵するほどの練習をした。記念の引退レースにするつもりなど微塵も無い。何よりプロ選手である私と一緒に出て負けようものなら彼女に申し訳ない。絶対に圧倒的に勝つための練習を自分に課した。

結果は同カテゴリーでは大差をつけて優勝し、同じチーム(テイケイ)の男子2チームにはさすがに勝てなかったが他の男子チームには全て勝った。

「人を全力で応援できる人」

私もここを目指す。

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