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[閉鎖病棟入院日記] 看護師の働きぶりには頭が下がる

命に関わる仕事の大変さ

精神科に入院していると看護師の仕事ぶりには驚かされます。私のいる病棟には10人ほど常に看護師がいるのですが、とにかく仕事が大変そうです。

常に話し相手を求めて看護師に絡みに行く患者さんもいれば、身体障害を合併していて全く動けない患者さんもいます。

看護師はそうした世話が大変そうな患者さんを死なせるわけにはいかず、常に目を見張っていなければいけません。私であれば絶対にできない仕事です。

テキトーな対応になるのは仕方がない

ただ、看護師の全員が全員、親切とは限りません。例えばナースステーションの受付の看護師は、ステーションのドアを強くノックしないとこちらの存在に気づかないふりをすることが多いです。

違う仕事をしていて忙しいからなのか、「できれば面倒ごとには関わりたくない」という意思が感じられます。

しかし、私のように比較的症状が軽い患者は少なく、むしろ統合失調症で常に何か独り言を言っているような人や、双極性障害で希死念慮がかなり強い人など、入院患者には病気が重い人が多いです。

作業療法といって患者同士で話し合う機会を設けられることがあるのですが、その際にも「散歩中に希死念慮が強くなって自殺防止団体にずっと電話していた」という強烈なエピソードトークをぶち込んでくる人もいたりします。

そうしたある意味強烈な患者たちと勤務中は常にコミュニケーションを取り合う必要があるのですから、対応がテキトーになってしまうのも仕方がない気がします。

むしろ、患者を通常の人間として扱ってしまうと、変に感情移入してしまったり、冷静な対応を取れなかったりするケースがあるのかもしれません。

看護師としての任務をきちんと果たすためには患者と一線をおいて付き合う覚悟が必要なのだと思います。

精神科では医者のほうが看護師より仕事が楽である

また、医者とは週に2回ほど診察で会うのですが、かなり仕事自体は楽そうに思います。少なくとも精神科の看護師よりは楽そうです。

なぜなら排泄物の処理や食事の準備など、看護師は患者の身の回りのこと全てに対応しなければいけないからです。要は何でも屋です。

しかし医者はというと、週に2回の診察で薬の量や患者の状態をチェックする他はやることはあまりありません。

看護師は患者の体に直接触れて血圧や体温をチェックしたりする必要がありますが、医者は患者に話しかけるだけです。

直接の体の接触を伴わないという面でも、精神科医の方が看護師よりも楽な仕事だと言えるでしょう。

病院内で一番楽しそうにしてる職業

これまでは楽か大変かいう観点で病院内の職業を見てきましたが、最も楽しそうにしていてやる気がある職業は何かといえば、作業療法士です。

いつもニコニコしていて、患者さんとのふれあいを楽しんでいます。それに、仕事自体の大変さもそこまでありません。

作業療法は精神科の場合、音楽を聞いてもらったり、患者同士で話し合いの機会を持たせたりします。

つまり、患者の体に直接触れてやる仕事が全くないので、楽と言えば楽だと思います。また、面倒な患者はそもそも作業療法に参加することができないので精神的にも安全な職業といえます。

イメージで言うと小学校の先生に近いと思います。生徒の成長を温かな目で優しく見守るという感じです。

病院スタッフの年収は生活保護以下?

ただ、年収という面だけでいうと病院勤務のつらさがわかります。医者は例外とはいえ、看護師や作業療法士の年収は約300万円くらいです。

生活保護者の受給額を年収換算すると、医療費が無料になることなども考えると400万円くらいになります。

つまり、病院勤務のスタッフは生活保護以下の年収で働かされているわけです。もちろん、仕事が生きがいとか毎日楽しんでやれていると言うのであれば何も言う権利は私にはありません。

しかし、精神科の看護師を見ていると、常に患者の行動に目を光らせながら気を張って、かなり大変そうな仕事に思えます。

そんな大変な仕事を、生活保護以下の報酬でやる必要性がどこにあるのでしょうか。少なくとも私であれば絶対に病院では働かないでしょう。

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