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職場のアスペ君②

職場のアスペ君。私は10年ほど前に転職をし、そこに、すれ違うたびに5回以上はペコペコする不思議な人がいました。

「あ、この人は何かの障害だろうか…なんかかわいそうな人だ。」最初そう思ったのです。仕事ぶりを見ていてもかなりすごいミスの連発。それに対して周りは容赦なく怒ったりきつめの言葉をあびせます。ニュースのいじめ報道にでてくるような言葉たちです。

私は最初のころ、彼のことをかわいそうだと思っていたので、周りのその対応は許せないことだと思っていました。できない人がいるなら優しくフォローするのが人ってもんじゃないの?!とか、その人ができる易しい仕事だけを振ればいいんじゃないの?!と思いました。それと、こんなダメな人は普通の会社ではすぐクビにされるか、もっと相当にひどいイジメを受けて辞めさせられるものだ…。

これ、今思うと、周りの人々は彼のことを一人前に扱っていたのですね。周りがひどいのではなく、私のほうが相当に彼のことを馬鹿にして、下に見ていたんだってわかります。私のほうがひどかった。みんなは彼を認めていて、対等と思うからこそ根気よく注意をしていたんですね。

私の職場が田舎にあり、メンバーが彼の親世代だったからこその対応だったのだろうと思います。余裕のない職場だったら、余裕のない人たちで構成された環境であったなら、変わった人は切り捨てられちゃうような気がします。私はこの職場で少しずつ、白黒はっきりつけないことの大切さ、切り捨てないおおらかさを学べたように思います。

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