S. Sakagami

米国帰り。翻訳・作詞・作曲。 主にエッセイ『心問書簡』の連載等。

S. Sakagami

米国帰り。翻訳・作詞・作曲。 主にエッセイ『心問書簡』の連載等。

マガジン

  • 【心問書簡】エッセイ・コラムの連載

    エッセイ・コラム連載(メイン)。不定期更新。

  • Riff 'em All(リフエムオール)

    全俺が泣いた、リフの祭典。混迷の時代、渇いた心とひび割れた大地に、リフの雨を降らす。Don't Follow Any Logic But The Riffs ...

  • 歌詞、その他

    制作した歌詞の掲載やその他お知らせ等、こちらのマガジンにまとめてあります。

  • 脱線閑話

    脱線よもやま話系エッセイ(非メイン)。

最近の記事

【諸々お知らせ】

本日はお知らせをいくつか。 まず、先般2月25日(土)に、 僕のやっているユニットStrange Focusの新曲、 「Straight Black Hair」がリリースされました。 各種サブスクリプション・サービスにて視聴できますので、 ぜひ聴いてください。 こちら→ 「Straight Black Hair」 また、さらにその前にリリースした「Wonderful」も聴けますので、 そちらも是非。 こちら→ 「Wonderful」 歌詞は僕のホームページでご覧になれま

    • 【心問書簡】 太陽の孤独

      誰の作かわからない(一休和尚によるとする説もあるらしいが)、古い歌がある。 
「灯火の消えて何処にゆくやらん 暗きはもとの住処なりけり」 
(ともしびの きえていずこに ゆくやらん くらきはもとの すみかなりけり) 「灯火は消えてどこにいってしまうのか。灯火が消えたら真っ暗だ。しかしそれが本来の有り様なのだ」という様な意味なのだと思う。
 これを読んですぐに、太陽を想像する人も多いと思う。自分も同じだ。 
この歌の主眼とは逸れるかもしれないが、暗い宇宙空間で太陽は、自ら光を

      • 【心問書簡】 自意識過剰

        PANTERA(パンテラ)が再始動するそうだ。 いきなり何のことだと思われる方もいるかもしれない。私にとってメタルといえばまず思い浮かぶバンドの筆頭格で、リアルタイムの世代ではないがアルバムは全て聴いてきたし、それなりに思い入れもある。賛否両論あるそうだが、個人的には楽しみにしている。 ギターのダイムが撃たれてしまってからずいぶん経つが、今から数年前、今度はダイムと共にバンドの創設者であった、実兄でドラムのヴィニーが病に倒れてしまった。 ダイムバッグ・ダレルがライブ中に撃た

        • 【心問書簡】 雨

          雨の日が嫌いだった。 いつごろからか、そうでもなくなった。 出かけるときに傘を持つのは、わずらわしいけど、 雨に打たれるしかない街を、ぼんやりと眺めるのは心地がよい。 そう気づいてからは、傘を持ち歩くことほどには、 雨にわずらわしさを感じなくなった。 もしかすると、雨に打たれるしかない街に、 親近感を感じたのかもしれない。 無限の可能性を孕んだ、しかしそれをどうしてよいかわからない自分に、 街を重ねたのかもしれない。 空が暗いのも、お気に入りの靴を履けないことも、 電車内の

        【諸々お知らせ】

        マガジン

        • 【心問書簡】エッセイ・コラムの連載
          9本
        • Riff 'em All(リフエムオール)
          2本
        • 歌詞、その他
          4本
        • 脱線閑話
          1本

        記事

          Better Off This Way

          私の活動している音楽ユニット「Strange Focus」から、 初となる歌有りの楽曲を、本日より配信開始致しました。 個人的にも、久しぶりの新曲です。 各種サブスクで試聴・購入が可能ですので、是非。 各種サブスクのご試聴はこちらから↓ 歌詞はこちら↓ Better Off This Way by Strange Focus ※()内は日本語訳です ついこないだまで一緒にいたはずなのに もう はるか遠くの日々に感じる Everything that’s around m

          Better Off This Way

          【心問書簡】 孤独の顔

          都会での初めての一人暮らしは、 想像以上に大変だったことを覚えています。 何もかもが慣れなくて、友達はいても、 独特の寂しさが、いつもそばにありました。 その寂しさを自覚することによって、 社会と向き合い変化していく自分を、 まるまる受け止めるための土台を獲得していくのかもしれませんが、 まだ十代だった当時、そんなことは露ほども知らないのでした。 今から十年以上も前のこと。 その日、行きつけの美容師さんに髪を切ってもらったあと、 遅めの昼食をとりに、近くのラーメン屋さんへ入

          【心問書簡】 孤独の顔

          【心問書簡】色彩

          伝えたいことを、伝えたい人に、 伝えられなかったことがあります。 そのことで、長年後悔し、 月日と共にそれは薄まっては行くのだけれど、 物悲しさの記憶がしぶとく、 油のように心の水面に薄く、膜を張っているのです。 やがて、ほとんどそれを乗り越えて、 なんの問題も無いくらいになると、 もうその頃にはその経験が、 自分の中の土台の一部になっているのがわかります。 かなしみの色は、何色くらいあるでしょうか。 なんとなく、よろこびよりも、種類が多そうです。 かなしみの色は、 クレ

          【心問書簡】色彩

          第二回 Riff 'em All

          【第二回開幕】 やって参りました。 第二回、リフ・エム・オール!! リフに関する説明は、第一回の方でざっくりがっつり致しましたので、 ご興味のある方は、そちらをご覧ください。 → 第一回 Riff 'em All 記事 さて、今回の第二回以降は、よりコンパクトに、 素晴らしいリフを持った楽曲の受賞・紹介の方に、フォーカスして行きますので、よろしくお願いいたします。 【第二回・受賞曲発表】 いったい今回は、どんな楽曲が選出されるのでしょうか。 もったいぶっていても仕方があ

          第二回 Riff 'em All

          【心問書簡】 街

          まえに住んでいた街を思い出しながら、その街を去った今の方がずっと、 自分の街だという感覚が強いことに、気付かされることがあります。 嫌なことがたくさんあったのに、辛い思い出がいっぱいあるのに。 それなのに、不思議な郷愁が、そこにはあるのです。 いつからその街のことを、そんな風に思うようになったのでしょう。 辛い思い出は、思い出せばやはり辛かったはずですが、 いつの間にかそれも、懐かしさのなかに溶けている。 反対に、しばらく住んだのに、全く懐かしさや親近感を感じない街もいくつ

          【心問書簡】 街

          二月の太陽

          最後にライブをしたのが、去年の2月14日でした。 今年の2月に入ってから、この一年間のことをずっと考えていました。 変わったものもあるし、変わらないものもあります。 あっという間で、長い一年でした。 今年の3月14日に曲を公開しようと思い立ち、すぐに作り始めました。 なんとなく、今の自分の気持ちを、そのまま録音しよう、と決めました。 iPhoneのボイスメモで、自宅で弾き語り一発録り、編集も一切していません。 お聞き苦しいところもあるかもしれませんが、興味のある方は、ぜひ聴いてみてください。 Cover Photo by Daryan Shamkhali on Unsplash→https://unsplash.com/@daryan 二月の太陽  作詞・作曲 坂上智守 開け放した窓の向こうに 高く昇った二月の太陽 風が運んでくる街の音 出かける前のなんてことない時間 満たされない日々 やらなきゃいけないこと あの日からひとつも増えない たからもの ひとりぼっちが集まってできたみたいな街 君といた街 白く吐いた息の向こう 赤いライトの横断歩道 痛いくらい冷たくなった ささくれ立った指 全部ちゃんと覚えてる 同時に指差した飛行機雲 君にまだ渡せてない言葉 最後に君と歩いたのは 遠くに見えるのに まだほんの一年前のことなんだね 見せたいもの たくさん貯まったよ もてあました日々 触れなきゃいけない場所 触ったら ちゃんと痛かった場所 産まれる前でさえ 今という未来を  ちゃんと持ってたから また君に会える ポケットの中繋いだ 手を離したくなかったこと 触ったらちゃんと痛んだ 場所にいた人 巻き戻すことはできない だけど大丈夫あの日に 何も 置いてきてない 会いたいと会えないが 僕らの間に割り込んで 結び目がほどけたら 何度だって結ぶよ ため息や涙にすら なれなかったものはみんな ひとつもいらないものじゃない それらがぼくらを繋いでる 窓を閉めて玄関へ行くよ 君にまだ見せてない腕時計をはめるよ 今度会った時どんな風に君に 自慢しようかなとか考えながら ドアを開ける

          二月の太陽

          二月の太陽

          【心問書簡】 私の英語学習についてのお話

          昔、束の間アメリカに暮らしていました。 その頃、アメリカ人の知り合いから、日本文化について教えてくれと言われて、なんとも説明できなかったことがあります。 単純にその時は、英語力が今よりも乏しかったこともあるけど、日本語でも説明できなかったかもしれません。 私たちは実際にどのくらい、自分の国のことを知っているでしょうか。 自分の国の歴史や文化を、どのくらい理解しているでしょうか。 海外で生活をすると痛感するのが、自分は日本人である、という感覚です。そして、私が自国を語れないと

          【心問書簡】 私の英語学習についてのお話

          【心問書簡】 あくまのおよめさんのお話

          「あくまのおよめさん」というお話を、ご存知でしょうか。 ネパールに古くから伝わる民話で、 あらすじは、だいたいこんな感じです。 ” ある村に、ラージャンという少年が住んでいました。 ラージャンの一家は、小さな畑を耕して、なんとか暮らしていましたが、 ある日、ラージャンは道を歩いてる途中、一枚の銀貨を拾います。 父親は羊を、母親は豆を買うように言いますが、 ラージャンは国中にたった一つしかないものを、と、小さなサルを買います。 両親はがっかりしましたが、ラージャンはそのサルを

          【心問書簡】 あくまのおよめさんのお話

          【心問書簡】 子どものことばのしっぽ

          noteには、お題募集の一覧が掲載されているページがあります。 提示されたお題に沿って、文章を書くのです。 まだnoteを使いはじめたばかりの私は、 ああ、こういうのもあるのか、となんとなくそのページを眺めていました。 そこで、あるお題に目が止まりました。それは、 #子供に教えられたこと すぐに頭に浮かびました。 ある詩集のこと。 私に子供はまだいないから、実戦で教えられた経験はたぶんありません。 もしかすると、どこかのお子さんから、何かを学んだことはあるかもしれないけど

          【心問書簡】 子どものことばのしっぽ

          第一回 ⚡️リフ・エム・オール⚡️

          皆さん、ついにこの日を迎えました。 僕がずっとやりたかった企画。 『リフ・エム・オール』です。 【リフ・エム・オール(Riff ‘Em All)とは】リフ・エム・オール(Riff ‘Em All)略してREAとは、 「リフ」を心から愛してやまない僕が、 『全俺がしびれたリフ』を基準に選定した、 『素晴らしいリフを持った楽曲』に対して、 『全俺的・リフの殿堂』入りを勝手に認定するという、 興味のない人には、全く興味のないサブい企画であると同時に、 リフ好きな人には、たまらない

          第一回 ⚡️リフ・エム・オール⚡️

          たわいもない話 #1

          私は数学が苦手だ。 嫌いなわけじゃない。むしろ数字にまつわる本を読んだり、例えばフィボナッチの話なんかとても面白い。 ただ、とにかく計算や数を勘定することが億劫で不得手で、当然テストなんかいつも散散だった。 かけ算・わり算まではなんとか理解できたが、微分積分とか、証明とか、もう未知の言語を聞いている様だった。 そんな私が、子供の頃からずっと思っていることがある。それは、 「1という数字以外の数は全部例え話じゃないか、ニックネームみたいなもんだ」と。 この考え方だけは、今も

          たわいもない話 #1

          始めます初めて見てくださる方、初めまして。僕は音楽をやっている人です。 これまでアメブロの方で、たまに更新してたけど、 色々と使い勝手が良さそうなので、noteを始めてみることにしました。 せっかく新しく始めてみるのだから、今までとはちょっと違うスタイルで書いていこうかなと思います。 レイアウトとかデザインが変わると、ずいぶん気分も変わりますね。 広告がないところもいい。 アメブロに比べてすっきりしてて見やすいですね。 ===========================