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港の音 2023/2/27

昨晩はYouTubeで「港」のBGMを再生したまま寝てしまったせいか奇妙な夢を見た。私は睡眠を呼ぶために「焚き火と鈴虫の鳴き声」「海の波の音」「雨の降る音」といった環境音を聴きながら寝ることがあるが、その音のイメージが夢に現れることがしばしばある。

こんな夢だった。
母親との船旅を終えて、私は船室に置いた荷物をまとめている。船といってもそこは昔通っていた学校の校庭と繋がっており当時の同級生や先生たちもいる。
支度を終え、扉を開けると昔何度かデートしたことのある女の子が寂しそうに立っていた。その子をそばに寄せて慰めようとするが近くに母親がいるからなんとも居心地が悪い。けれども船で転ばないようにその子を抱き寄せた。
大きく揺れる船に流されるように身体は降り場の反対方向へと転がっていく。どんよりとした天気で時おり雷が光っている。もし雨が降ればこのままではお土産が入った袋が濡れてしまうだろう。母親も私を待っているし船が出航をする前までには急いで降り場に向かいたい。なんとか降り場の方へ歩いて行くと、遠くで黒い服を着た同級生が空きっぱなしの別室の中から私にこう言う。「忘れ物をしている」。私はハッとする__
いつの間にか私は断崖にいた。大きな石がいくつも積み重なってできたその崖は不安定で、怖い。私はどうしてもその崖を降りて地上に行きたい。あたりには波の音とカモメの鳴き声が聞こえる。
ゆっくりと石を掴みながら次の足の置き場を探す。一歩一歩慎重に。数メートルほど下がったとき私はもう一度地上を見る。周囲に広がるのはゴツゴツとした冷たい岩。落ちたら一溜まりもないだろう。ゆっくりと慎重に下へ降りる。
しかし、もう引き戻せないところまで来たとき私は気づく。次の足の置き場が無い。まだ地上までは数十メートルはある。助けを求めようにも波の音にかき消されて声は届かない。どうしたらいいだろうか。
どうにもならない絶望を抱きながら私は手汗で滑らないように石をただしっかりと握っている__

ここまでが印象に残っている夢。

今日は天気が良くて休日だったから思いつきで海に行ったのだけど、今思うと昨晩見た夢にモロに影響を受けている。現実の波は穏やかだった。

石を拾いに海へ行った

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