Satoshi Egawa

NYで働く救急集中治療医🇯🇵、MD, PhD, FNCS 専門 : 神経集中治療、脳科…

Satoshi Egawa

NYで働く救急集中治療医🇯🇵、MD, PhD, FNCS 専門 : 神経集中治療、脳科学者 、脳神経外科学、脳神経内科学(脳波学) 著書:よくわかる脳波モニタリング http://yodosha.co.jp/yod

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【救急・集中治療医へ】            注目の専門分野:神経集中治療

自己紹介 初めまして。初投稿になります。 私のベースの診療科は救急科と集中治療科になりますが、医師人生の中で、急性期の脳神経疾患に興味を持ち、神経集中治療を専門とするようになりました。 日本では馴染みが少ない分野ではありますが、5年以上本分野の発展に携わり、さらなる研鑽のため約1年半前に渡米しました。 これまで、他のソーシャルメディアを通じて情報発信していましたが、 今後は、こちらで救急・集中治療の新たな専門分野である神経集中治療について解説していきたいと思います。

    • 【重症意識障害患者の隠れた意識】CMDのメカニズム?

      ■ はじめに 以前に 【重症意識障害患者の隠れた意識】CMDとは? という投稿をしたと思います。 今回我々のグループから、 どの様な患者さんにcognitive-motor dissociation (CMD:認知的運動解離/隠れた意識)が認められるかを報告しました。 https://academic.oup.com/brain/advance-article-abstract/doi/10.1093/brain/awad197/7236061?redirectedF

      • 【救急集中治療医必見】神経集中治療におけるエコー検査〜非侵襲的頭蓋内圧モニタリング!〜

        ■ はじめに 【救急集中治療医必見】神経集中治療におけるエコー検査 〜脳神経エコーを中心に! https://note.com/satoshi_egawa/n/n47fd757ba254 で解説した、経頭蓋カラードプラ法( Transcranial color flow image : TCCFI) ですが、 ・くも膜下出血患者での遅発性脳虚血のモニタリング ・頭蓋内圧のモニタリング の2つの使用法があるといいました。 今回は頭蓋内圧の測定方法について、解説します

        • 【国際学会に参加して】〜第21回米国神経集中治療学会に参加した若手医師2名より〜

          ■はじめに みなさんこんにちは。 神経集中治療医の江川悟史です。 上記でも紹介しましたが、第21回米国神経集中治療医学会が終了しました。 とても暑いアリゾナでしたが、さらに熱い2名の若手神経集中治療医🇯🇵と、 楽しく有意義に過ごしてきました。 私も含め発表は無事皆終了し一安心しています。 ■ 感想文今回初参加してくれた彼らから学会参加の感想文をもらったので、 ここで紹介させていただければと思います。 ■ 感想文① 神経集中治療フェローシッププログラム第一期生のHです

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        【救急・集中治療医へ】            注目の専門分野:神経集中治療

        • 【重症意識障害患者の隠れた意識】CMDのメカニズム?

        • 【救急集中治療医必見】神経集中治療におけるエコー検査〜非侵襲的頭蓋内圧モニタリング!〜

        • 【国際学会に参加して】〜第21回米国神経集中治療学会に参加した若手医師2名より〜

          【救急集中治療関係者必見】くも膜下出血の管理に役立つエコーの使い方〜TCCFI &DCI〜

          ■ はじめに 今回は、少し前の記事 【救急集中治療医必見】神経集中治療における エコー検査〜脳神経エコーを中心に! の続編になります。 くも膜下出血(aSAH: subarachnoid hemorrhage) の遅発性脳虚血(DCI : delayed cerebral ischemia)のモニタリングとして、 経頭蓋カラードプラ法( Transcranial color flow image : TCCFI)をどの様に 使用するか、簡単にご紹介します。 ■ 実際の方

          【救急集中治療関係者必見】くも膜下出血の管理に役立つエコーの使い方〜TCCFI &DCI〜

          【救急集中治療医必見】神経集中治療におけるエコー検査〜脳神経エコーを中心に!

          今回はくも膜下出血の記事で何度か記載した、 経頭蓋カラードプラ法( Transcranial color flow image : TCCFI) について簡単に解説します。 https://note.com/satoshi_egawa/n/nc2be1cdf4e19 経頭蓋ドプラー超音波検査(Transcranial Doppler ultrasonography:TCD)が、馴染みがあるかもしれませんが、波形の検出に相当な慣れが必要で、 専門家に依存するところが大きいで

          【救急集中治療医必見】神経集中治療におけるエコー検査〜脳神経エコーを中心に!

          【米国神経集中治療医学会】只今学術集会開催中!〜おすすめの教育ツールを語る〜

          ■ 始めに今回はコラム的な内容で、 私が最も大好きな医学会についてご紹介したいと思います。 と言うのも、現在アメリカ🇺🇸(アリゾナ・フェニックス)で 第21回米国神経集中治療医学会学術集会 (Neurocritical Care Society 21st Annual Meeting🧠) が開催されています。 今の楽しい気持ちのまま、この記事を書く事にしました。 ■ Neurocritical Care Societyこの医学会は、2002年に創立された、まだ新しい学

          【米国神経集中治療医学会】只今学術集会開催中!〜おすすめの教育ツールを語る〜

          【救急集中治療関係者必見】神経集中治療に役立つ知識〜DCIよりも先におとずれるEBI〜

          ■ はじめにくも膜下出血(aSAH: subarachnoid hemorrhage)の患者さんを 神経集中治療チームはどの様に診ているのかをこれまで解説してきました。 遅発性脳虚血(DCI : delayed cerebral ischemia)に注意するため、 神経集中治療室(Neuro ICU)に14日程度いてもらうことの重要性を強調してきました。 もちろん、それは間違いありません。 ただし、DCIは全員に発生するわけではありません。 あまりにも、DCIに注目す

          【救急集中治療関係者必見】神経集中治療に役立つ知識〜DCIよりも先におとずれるEBI〜

          【救急集中治療関係者必見】神経集中治療に役立つ知識〜mFisherスケール; aSAH〜

          ■ 最初に さて、ここ最近はくも膜下出血(aSAH : subarachnoid hemorrhage)関連が多いですが、もう少しお付き合いください。 以下の記事で遅発性脳虚血(DCI : delayed cerebral ischemia) のモニタリング方法について解説しました。 https://note.com/satoshi_egawa/n/n37795da9dc3f 今回はDCI のリスクを見極める簡単な方法を解説します。 それに応じて、神経所見をとる頻度も

          【救急集中治療関係者必見】神経集中治療に役立つ知識〜mFisherスケール; aSAH〜

          【救急集中治療トピックス】くも膜下出血と神経集中治療〜遅発性脳虚血のモニタリング②:重症編〜

          ■ はじめに 以下の記事で、 意識が良い、くも膜下出血(aSAH: subarachnoid hemorrhage)の患者さん の遅発性脳虚血(DCI : delayed cerebral ischemia)の警戒方法を紹介しました。 https://note.com/satoshi_egawa/n/n37795da9dc3f aSAHの患者さんは重症度に関わらず、 神経集中治療室(Neuro ICU)で14日間しっかり診ていきたいものですね。 それでは、次に意識障害

          【救急集中治療トピックス】くも膜下出血と神経集中治療〜遅発性脳虚血のモニタリング②:重症編〜

          【救急集中治療トピックス】くも膜下出血と神経集中治療〜遅発性脳虚血のモニタリング①〜

          ■ はじめにさて、 以下の記事でくも膜下出血(aSAH: subarachnoid hemorrhage)の患者さんは神経集中治療室(Neuro ICU)で、 最低14日間は観察することをお勧めしました。 つまり、遅発性脳虚血(DCI : delayed cerebral ischemia)をしっかりと モニタリングするためですね。 今回と次回は、 実際にどの様なモニタリングが海外のNeuro ICUや私のNeuro ICUで行われているか、簡単にご紹介します。 ■

          【救急集中治療トピックス】くも膜下出血と神経集中治療〜遅発性脳虚血のモニタリング①〜

          【救急集中治療トピックス】くも膜下出血と神経集中治療〜 Neuro ICUでしっかり診よう!〜

          ■ はじめに 僕のnoteでは神経集中治療で扱う疾患の治療方法も紹介していこうと思います。 まずは神経集中治療が一番効果的と言われているくも膜下出血 からいってみましょう。 ■くも膜下出血(aSAH: subarachnoid hemorrhage)と神経集中治療 医療関係者でもそれ以外の方も、 この疾患名は聞いたことがあると思います。 激しい頭痛とともに発症しますが、命にも関わる恐ろしい病気です。 (ここでは動脈瘤が破裂したタイプのSAHに限定しています。) 実は

          【救急集中治療トピックス】くも膜下出血と神経集中治療〜 Neuro ICUでしっかり診よう!〜

          【重症意識障害患者の隠れた意識】CMDとは?

          以下の記事で、急性期意識障害の研究に触れましたが、 今、私たちが注目している概念にcognitive-motor dissociation (CMD)というものがあります。 本日はこれについて簡単に解説します。 意識障害の研究をする上で、とても大切な概念ですので、知っていて損はないはずですし、この用語を耳にしない日はありません。 ■ cognitive-motor dissociation (CMD):認知的運動解離/隠れた意識 実は、自分で動作を表出することができな

          【重症意識障害患者の隠れた意識】CMDとは?

          【神経集中治療と”note”】その目的は?

          僕の””note" 記事目的は、 ”神経集中治療の専門家”に情報発信をすることではありません。 (専門的にはこちらもご参照ください。https://www.jsicm.org/provider/nic.html) 一番の目的は、多くの人に神経集中治療を知ってもらい、その良さと奥深さを感じてもらうことです。 ですので、 noteでは誰でもわかる様に、できるだけ簡単に解説していきます! そして、10年後に日本でも当たり前の様に神経集中治療が行われ、 患者さんが”脳保護

          【神経集中治療と”note”】その目的は?

          【必見!】神経集中治療の研究とこれから

          神経集中治療を専門にしていると、その研究テーマの多様性・新規性に気づかされます。 神経集中治療医の強みは、脳神経系にも強く、全身管理にも精通していることです。 例えば、 くも膜下出血患者さんの診療をしていると、循環動態(体液バランスや血圧)を意識した際、各パラメーターの目標値はどうあるべきか、常に疑問を持ち、研究につなげることができます。 全身にとって、血管内容量は正常だと感じていても、脳にとっては足りていなかった…ということは多々ありますよね。 遅発性脳虚血の際、

          【必見!】神経集中治療の研究とこれから

          【集中治療中の患者の「脳」は誰が見る?】神経集中治療医を目指そう!

          神経集中治療は誰が行う?? 一般的に、集中治療室でのチーム医療は多様な診療科の医師により成り立ちます。 どの科の医師も参加可能ですし、協力し合うことで良き集中治療チームが形成されます。 神経集中治療に関しては、神経系のスペシャリストである脳神経外科医や脳神経内科医、 全身管理のスペシャリストである救急医・集中治療医・麻酔科医が各々の専門性を生かして、力を合わせて診療にあたるといったイメージです。 神経集中治療医とは その中でも、神経集中治療医は、 神経集中治療医は両

          【集中治療中の患者の「脳」は誰が見る?】神経集中治療医を目指そう!