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機動戦士ガンダムの元ネタ

機動戦士ガンダムの元ネタ機動戦士ガンダム。いわゆるファーストガンダムですが、元ネタがあることは一部のファンの間では知られていると思います。アメリカのSF作家ハインラインの「宇宙の戦士」(1959年)。ハインラインの作品としては「夏への扉」が有名かもしれません。タイムスリップものですが、映画化されますよね。おそらく松田聖子のヒット曲のタイトルもこの小説からインスパイアされたもの。

「宇宙の戦士」にはパワードスーツが出てきて、これがモビルスーツの着想の元でしょう。パワードスーツを身に着けた兵士は機動歩兵と呼ばれますし。またガンダムのストーリーの骨子となるジオン独立戦争は同じくハインラインの「月は無慈悲の女王」が元ネタです。宇宙にある植民地が地球からの独立を求める話です。

「宇宙の戦士」は日本語にも翻訳されていて、ハヤカワ文庫から出ました。1966年ですからベトナム戦争の頃。挿絵を担当したのが「スタジオぬえ」。パワードスーツの絵のひとつが後にガンダムに出てくるモビルスーツ、ガンキャノンにそっくりなのですよ。これだけでもガンダムとの関連性がわかる。実際、ガンダムのメカデザインを担当した大河原邦夫がガンキャノンは「宇宙の戦士」の挿絵をモデルにしたと証言しています。

ガンダムのモビルスーツも企画段階ではパワードスーツと同じく人間の等身大に近い大きさの設定だったそうですが、(だいたい2メートルくらい)スポンサーの意向で巨大化したとの逸話も残っています。

ハインラインが育ったミズーリ州カンザスシティはいわゆるバイブルベルト。保守的なキリスト教の倫理観が強い地域。バイブルベルトは南はテキサスから北はカンザスまでと言われています。メソジストの伝統の中で育ったハインラインはこのような聖書信仰からの影響が自分の作品にも投影されていることを認めています。冷戦時代という著者の生きた背景も考察する必要があります。

そう考えると間接的かもしれませんが、聖書がなければ機動戦士ガンダムは生まれなかったということにもなるでしょうか。

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