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中学生が一人暮らしの女性の部屋に

イギリスに引き込まれていく


ほとんどの音楽はイギリスのものばかり聴いていた。 小学校の時ビートルズ、ローリングストーンズを聴いていたからだろうか。もちろんアメリカのものも聴いていたけど、僕にはしっくりくるものが少なかった。
 
音楽として心に触れるもの、質の高いものを聴きたかった。アメリカのものは表面的な音楽が多かったのと、音が心地悪かった。 男性性むきだし、女性性むき出しな音がおおかった。
 
ギターの音に詳しくなっていったせいか、楽器の音やエフェクトのかけ方だけで僕は毛嫌いした。最近の音楽はアメリカもイギリスもどっちがどっちだかわからなくなってしまったが、昔はすごくわかりやすかった。
 
完全に英国かぶれだった。 音楽に構わず、イギリスに関連することはすぐ飛びついていた。 何ていうか、イギリスの雰囲気というものがすごい好きだった。 
 
大好きな音楽は耳コピ(耳で聴いて楽譜なしで音楽をコピーしいくこと)して、雑誌で知り合った人のところに行って、この曲はこうだろう?こうでないか?みたいなオタクな会合をしていた。 
 
中学高校でそんなことをしてるのは、きっと日本で数人しかいなかったので年上のお兄さんやお姉さん達に珍しがられた。
 
ライブに行くときも僕が最年少で母が最年長だった(母親とよくライブに行った)。
 
文通して知り合った年上の友達は母がロックを聴きに来てるのと、ちっちゃい僕がライブを見に来てることによくビビられた。
 
はじめて、無謀な事をして音楽友達(知り合い)を作ったのは中学頃の事。 
 
音楽雑誌のバックナンバーすべてあげるという、投稿をみて、彼女の家が近かったので、いきなり訪問した。(今では住所が書いてあるなんて考えられないと思いますが)。
 
いきなり訪問したことに彼女はびっくりしたと思うが、ちっちゃい男の子だったので、特に警戒していなかった。
 
「もう全部わたしちゃったわよ」
「ずいぶん前のことだとおもうけど…」
とドア越しで声だけ聴こえる。
 
彼女はドアを開けた。
 
黒のスパッツをはいて白Tシャツで現れた。
 
おたがいUKロックオタクなのでアパートの前で話がすぐにはじまる。
 
「どんなの好きなの?」
 
と聞かれた。 僕が話しても、彼女は世代がすこし前の音楽を聴いていた。
 
彼女は髪が長く、目がはっきりとして、肌の色が健康的で綺麗な人だった。 
 
「入る?」
 
といわれ、僕は初めて独り暮らしの女性の家に入らせてもらった。
 
中学生のちいさい男の子が20代(?)の女性の家に入っていいものだろうか。
 
入っていいものだろうか?が入りたい。この先になにか未知の世界がある。と色々考えるあまり、
 
入るときに漫画みたいに「ゴゴゴゴゴゴ」となんか音がした気がした。

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