ベッドの間違った側から降りた日
朝から蒸し暑く、機嫌が悪かった。そのうえ前の晩は雨と雷がひどくて寝不足だったし。
イライラして乱暴にバターを出したら、醤油差しが倒れた。床まで醤油まみれ。
洗濯は水量が少なくてうまく洗えていなかった。
メルカリで買った本が届いたけれど、注文とは違うものだった。
今日はなんだかうまくいかない日。
朝からイライラしていたのがいけなかったのかもしれない。でも、そんな日もあるだろう。
買い物に行ったら残金不足でエラーが出た。後ろに人が並んでいるので焦ってスムーズにチャージできない。
コーヒー豆を買って、さあ帰ろうとした途端土砂降りの雨。風も強く横殴りに降っている。歩いていた人々はいっせいに走り出した。日差しは消えてあたりは薄暗い。
小降りになるまでコーヒー店で待たせてもらう。それは助かったのだけど、開けてきた窓を思い出して気が気でない。
10分ほどで空に明るさが戻ってきた。雨もやみかけている。この隙に、とコーヒー店を出る。
急いで帰ってサンルームを覗く。やっぱり床が濡れている。でもこれは想定内。ざっと拭いて窓を閉める。
2階に上がって息を飲んだ。階段を登った先にある窓が雨が入り込んでいて、廊下が水浸し。雑巾を取りに戻り、拭きながら進んでいく。
窓を開けていた和室もやっぱり雨が入りこんでいた。範囲は広くないけれど、畳が変色している。ざっと拭いて、新聞紙をかぶせて重しをする。カビなきゃいいけれど。
それにしても、普段ならけっこう強い雨でも室内に入ることはない。サンルーム以外は軒がついているから。そう思って油断していた。風の強い日は雨が入り込む。
今日は本当になにもかもうまくいかない。こんな日はメアリー・ポピンズを思い出す。朝からむしゃくしゃイライラしてつっかかるジェインにメアリー・ポピンズは言った。
「今朝はベッドの間違った側から出たんでしょう」
「でも私のベッドは壁にくっついているもの。いつものおんなじ側から出たわ」
ジェインは反論したけど、正しい側は日によってちがうのだとあしらわれた。
正確ではないけれど、こんなエピソードがあった。私も今朝は間違った側から出たのだろう。布団だけど。
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