見出し画像

モラハラで離婚を考え始めたら②

〇離婚前に別居する場合

夫婦には『同居義務』というものがあります。
そのため相手に断りもなく家を出るという強硬手段に出ると
後々離婚裁判となった際『悪意の遺棄』と見做されてしまい
あなたにとって不利な判断材料にされてしまうこともあります。

勿論暴力などにより緊急の身の危険が迫っている場合には
このかぎりではありません。
民間のシェルターや保護してもらえる施設もありますので
まだ大丈夫と思える段階であっても
日常不安に思うことがあるのであれば
いざという時のためにお住いの地域でどんな施設があるのか
調べておくと安心できると思います。

話合いに応じてもらえず、身の危険というほどではなくとも
どうしても耐えられないという場合には

メール・手紙・電話でもいいので
なぜそうするのかという理由と、家を出る旨を必ず伝え
(悪意の遺棄と見做されるのを避けるため)
メールであればスクリーンショットを
手紙であればコピー、電話であれば録音を残しておきましょう。

同居しながらでも調停をすすめることはもちろん可能ですが
別々に移動しても家庭裁判所で会い
またその気まずい空気のまま同じ家に帰るわけですから
精神衛生上よろしいとは言えませんし
私の経験上でもあまりおすすめはできません。


〇別居で一番多い『実家に帰る』

別居で身を寄せる一番多い行き先は実家だと思います。
親や身内のそばが安心ではありますが
身内であるからこその厳しい意見や
世代の差からくる価値観の違いは必ずあります。
それは覚悟して、全面的な応援を期待しすぎず
もし批判的な意見がでても更に傷つかないよう
深く考えすぎないようにした方がいいです。

住む場所が見つかるまでの一時的避難ではなく
離婚成立後もそのまま実家に住み続ける場合
同居世帯の収入が自動扶養手当などの受給審査に影響します。
親がまだ現役で収入がある場合
あなたが無収入で且つ援助のない状態であったとしても
手当が受けられない場合もあります。

また同居している親が定年退職後であったりすると
面倒を見られるはずと判断されて
保育園の入園許可を待たされたりする可能性もあります。

別居で実家へ戻る際には、このメリットとデメリットを
よく考えてからにしましょう。


〇親権を得たい場合

ひとまず自分だけ離れてお金を作ってから
子どもを迎えにこようと考える人もいると思いますが
親権を得たいと考えている場合は
必ず子どもは連れて出るようにしましょう。


裁判になった際に、現在生活している環境が優先されてしまうので
置いていったのだからこちらで跡取りとして面倒をみるなどと
義両親に言われ、置いて出たことが不利になる場合があります。


〇家を出る際の持ち物

自分に必要な連絡先
保険証、母子手帳
現金・通帳・カード・印鑑

提出用の証拠品となる日記、記録など

DVなどで身体に実害がある場合や、暴れて壊されたものがある場合
被害状況を撮影・録画したものや診断書
捨てられたご飯やひっくり返って割れた瓶などの写真も
日記の日付とあっていればなおよし。

通報や相談をしたことがある場合は
届の控えなどもまとめておきましょう。

できれば財産に関する書類コピー
配偶者の源泉徴収票給与明細
年金手帳番号のコピーもあると
その後の養育費を計算したり
年金分割(※)の申請をする際にスムーズです。


避難する場合は、あなたの居場所の手掛かりになりそうなものは
必ず持って出ましょう。
(身を寄せそうな親友からの宅配便の伝票、住所録、年賀状など)

お金はいくらあっても困ることはありませんし
足りないくらいです。
ひとまず引っ越して基盤を築くために100万くらいは
すぐに消えてしまいます。

もし緊急でない場合は、少しでも自由になるお金を
作っておくことをおすすめします。

ひとまず遠方の実家へ逃げる交通費などの
資金だけでもということであれば
こっそり日払いバイトなどで稼いでおくという手もあります。

子どもが小さくて、身内もいないから
どうしようもない、という場合でも
必ず何かあるはずです。

どうかあなたの心が人間らしい尊厳を保って
穏やかに生きられる道をあきらめないでください。


※年金分割:専業主婦など年金保険料の納付額が乏しい人を守る制度
婚姻期間中に夫婦で収めた年金保険料を
夫婦二人の共有財産として分けられます。(厚生年金のみ)
拒否を求められても安易に受けては絶対いけません!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?