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書籍ライターの憂鬱

12月に入ってからというもの、ほとんど立てなかった。立てないって、文字通り、縦になれなくて、撮影と講演と結婚式以外のほとんどの予定をキャンセルor延期してもらって、ただひたすらに横になっておりました。10日間で200時間は寝たと思う。


起きているママをずっと見れなかった息子氏には「ママ、死んでも地獄に行かないでね」と泣かれて、ほんと申し訳なかった。(まあ、もとはというと君からもらったんだけどね)12月分すべての睡眠を先取りして先日やっと回復。現在遅れてしまった原稿を死ぬ気であげております。

フリーのライターになって15年たつけれど、雑誌ライターと書籍のライターは使う筋肉が全然違う。ということは「雑誌のライターと書籍のライターはここが違う」でnoteに書きましたが、最近、ここに書いた3)のところが、こんなに深刻な問題になるとは(私にとっては)について書きたい。


書籍のライターは、とにかく「人に会わない!」


雑誌をやってたころは、1冊のムック作るのに最低50軒のヘアサロンに打ち合わせにいっていたし、撮影時には100人、200人という美容師さんやモデルさんに会っていたし、私は企画から校了まで全部やるので、編集さんはもちろんのこと、カメラマンさん、スタイリストさん、デザイナーさん、ライターさんとの連絡も頻繁だったし、なんなら広告営業もしてたんで、メーカーさんのオリエンにも自分で行ってた。それらが並行して進行していたものだから、月に最低数百人とはコミュニケーションしていたんですよね。

チームと呼べるのは、数人かもしれないけれど、とにかく会っている人の人数が多かったから、セレンディピティも多かったし、何か大変なことがあっても落ち込む暇がなかった。みんなと交わしたくだらない会話が、次の企画の種になったりした。


それが! 

書籍になると、驚くほどのコンパクトさ! 自分が著者の場合、編集さんとの2人だけのユニットになる。本が出来上がった後は営業さんなどにもお世話になるんだけれど、本ができるまでには、どんなに多いチームでも4〜5人で完結してしまうこのコンパクトユニット。


取材時はともかくとして、執筆時は、そのユニットですら、一週間に一度連絡をとるかどうか(しかもメールで)というラインになってきて、これが……、驚くほど自分の身体性にマッチしてなかった。と、2年間やってきて気づいた。


まず私は元来ものすっごく怠け者で、自分のために何かを頑張ることが本当にできない。だから一緒に暮らしている人がいなかったら料理なんて一生作らないだろうし、仕事の打ち合わせがなければ一生布団から出ない。


書籍のライターをやっていると、この「仕事の打ち合わせ」っちゅーのが雑誌時代の10分の1!!! なんなら1週間家族以外の誰ともしゃべらずに執筆ってこともある。


雑談のない人生!!!!!!!!!


私は、固定給をもらうことや、業務命令に異常なるストレスを感じるタイプなので、フリーのライターは天職だと思っていたけれど、孤独にもめっちゃ向いていないタイプだった。

雑誌のライターだったから気づかなかったけれど、書籍のライターになってマジでわかった。毎日、家族以外の人と話さない人生。これ、私には超絶向いてない。私、本気でこの働き方、向いてない。


というわけで、来年は働き方を変える、と寝込んでいた間に決めました。


書籍のライターは続けたいので、書籍のライターをやっていながら、体とメンタルを壊さない方法、毎日人と会う働き方を構築する予定です。


いやそんな来年のことよりもまず、今年締め切りの原稿仕上げます。




こんな本を書かせてもらいました。「女の運命は髪で変わる」。いま、17刷7万部です。この本の執筆にもいろいろありました。今度、まとめて、ちゃんと書きたいなあと思っています。



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