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自分を切り売りしてブログを書く?

先日、あるメガメディアの編集さんが、「そういえばこの間、若いライターさんに『ブログなどで、ちょこちょこと自分の考えを切り売りした文章を書いていていいのかなあと悩んでいる』って言われたんですよ」とおっしゃっていました。

まず、この話を聞いたときに、最初に思った事は「自分を切り売りした文章に価値があると信じられていることが(切って売れると思っていることが)、すごいな」ということでしたが、

それとは別に、この若いライターさんの気持ち、私もわかるような気がします。

実は私もある時期、自分が考えたことをできるだけ言語化「しない」まま、自分の中に溜めておく、ということを意識していました。
そうすることによって、いざアウトプットするときに文章に深みが出るのではないかと思ったからです。

例えば、某作家さんは「ある出来事に出会った時、それについていっちょかみの考えの浅い文章を書くな。しばらく自分の引き出しの中に入れておいて、それを何度も取り出しては考え、また引き出しに入れて時間を置く。こういった熟成する時間がなければ、人に届けるような価値のある文章は書けない」とおっしゃっています。

こういう発言を見ると、私のように、オリジナリティコンプレックスがある人間は、「そうか。私は安易に言語化するから面白い文章が書けないのか」と、すぐに影響を受けてしまいます。

というわけで、ここ数年は、それまで毎日のように書いていたブログをやめて、自分の中にいろんな言葉を溜めていこうとしていたのですが

あのね

ぶっちゃけ、この方法は私に向いていなかった。

というのも、私、なんでもかんでもすぐに忘れるんですよ。だから熟考しようと思っても、そもそも何について考えようと思ったのか忘れてしまう。私の引き出し、4次元につながっているっぽくて、次の日に開けると空っぽになってる。

あと、もうひとつ気づいたのは、私は全くもって瞬発力のライターだということ。1時間で書いた原稿と、1ヵ月練りこんで書いた原稿の差分がほとんどない。ないというか、むしろ前者の方が勢いのある文章になっていたりする。

なので、その名前もわからない若いライターさんにお伝えしたいことは、

どっちもやってみるといいかも、ということ。

脊髄反射で書くこともしてみたらいいし、牛みたいに何度も咀嚼しては胃に戻して最後に吐き出してもいいかもしれない。

どっちが向いてるかは、結構、やってみないとわからないものだなぁという気がするよ。

んでは、また。

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