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書店の中はひとつの街。『普通の本屋を続けるために』(久禮亮太)_049

熊本の長崎書店さんでイベントをさせていただいたときに、書籍業界の流通に興味があるのであれば、と、プレゼントいただいたのが、こちらの『普通の本屋を続けるために』でした。

解説を書かれているのが、長崎書店の長﨑社長。先日お目にかかったとき、書店さんがいま、どれだけシビアな状況に置かれているかを長﨑さんからお伺いしていたので、よりこの本の意義をひしひし感じながら読んでいました。

こちらは、明日香出版さんが創業46周年記念として作られたもので、書店で働く方々が読むものだそうです。一般に流通していないものらしいのですが、業界の片隅に身をおくものとして、とても勉強になりました。

新刊はどのように並べるか。

返本のタイミングはいつか。

ついで買いしたくなる棚はどんな棚か。

売り時を逃さないために。

などなど、普段、客の立場、そして本を置いていただいている立場で見る「書店」さんとは、まったく違う角度からの顔が垣間見えて、とにかく、ふるえながら読んでいました。(著者として読む本としては、ドキドキしすぎて、結構、心臓に悪いです・笑)


個人的には「いい顔をしている本」とか、「賑やかしで出張ってもらう本」という表現がとても面白かったです。

先日、書籍に関する勉強会に登壇させていただいたとき、私自身もそのデータにびっくりしたのですが、日本はいま、空前の「街から本屋さんがなくなる」現象に直面しています。

この本が発行されたのが、ちょうど1年前の2月1日。そこからの1年だけでも、出版をとりまく環境はどんどん変わっていきました。

変化の激しい時代に、このような一冊を読むことができて、本当によかったです。

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