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専業主婦というあり方

私のキャリア時代(20代前半)

23歳くらいの頃、介護福祉士として福祉の現場で働いていた。
役職もつき、サラリーマンの彼氏とも遠距離恋愛をしながら公私ともに充実した日々を過ごしていた。バリバリ働いていたその時は「専業主婦なんて」と思っていた。子どもがいるならまだしもお家の事だけしてのんびりしているなんて勿体無いと思っていたし、「しっかりフルタイムで働いて将来の為にお金を貯めるのだ…!」とも思っていた。

それから月日は流れ2年後。
25歳、遠距離恋愛をしていた彼氏と同棲を始めた。有給を消化したらすぐに正社員でフルタイムで働くつもり…だった。

健康が1番の自慢だった私、まさかの統合失調症の発病だった。
すぐに休職、そして退職し、無職になった。

失業給付は貰えたのでゆっくりできるはずなのに私はすごく不安で悔しくて、早く働きたくてしょうがなかった。

夫に口癖のように「早く仕事がしたい」「貯金が減っていて怖い」とこぼしていた。

私は介護福祉士の仕事を天職にしていたし、利用者様からも家族からも信頼され親しまれていたし、同僚からも頼りにされるリーダーだったので、とても誇りを持っていたしそんな自分が好きだった。給料よりもそういった自信を失って私はとても絶望した。

主治医に懇願し、就労の許可が戻り、私は一目散に仕事に復帰した。
半年で正社員になった。

「あぁ、これでようやくふりだしに戻った。マイナスからゼロになったんだ」
心からホッとしたのを覚えている。
けれども正社員になれたのも束の間、待っていたのは過重労働、残業と夜勤、不規則な生活と家事を夫に任せきりにしてしまう疲れ切った私であった。その頃には結婚もしていたのだが…。

「あれ…私って本当にこんな風になりたかったんだっけ?」

そんな自問自答をしているうちに次第に薬の飲み忘れも増えて、1年後ズルズルと体調を崩して、また休職、そして退職。失意のどん底だった。3ヶ月の医療保護入院も経験した。

私の専業主婦時代(現在)

さて無事退院し、月1の通院と家で過ごす日々が始まった。体調を整え、家事(掃除、洗濯、料理など)をしながら編み物や塗り絵、ランニング、着物を楽しんでゆっくりと過ごす穏やかな時間。

落ち込むかと思ったが、半ば諦めもあり、失業給付を貰いながら専業主婦として過ごした。

「正社員でフルタイムで働くのが1番正しい妻のあり方だ!」と思い込んでいた私にとって、意外や意外、それらは楽チンということもあったが何よりもとても豊かで素敵な時間だった。

旦那さんは早朝に会社に行くけれど、私は起きなくて良いことになっているので、朝ゆっくりと目が覚めるまで寝る。
起きたら洗顔と朝食を済ませて、丁寧にお化粧をし、洋服でも着物でも気持ち良く美しい装いをする。
それから掃除の日、洗濯の日を決めておいてパパッと家事を片付けて、ランニングをしたり、ジムに行ったり、買い物に行く。
入院中にできた趣味の塗り絵をしたりして午後を過ごし、夕方に旦那さんを駅に迎えに行き、夕飯の買い物をして、帰宅。
夕食を作り、食べて、後片付けをし、旦那さんの明日のお弁当を作る。
夜、天気が良ければ旦那さんと2人で1時間くらいのウォーキングをすることもある。

私は仕事をしていた時のように疲労困憊であったり、家のことをおざなりにすることがなくなり、前よりもずっと笑顔も増え、旦那さんとの時間も増えた。

失業給付と障害年金をもらっているので、身の回りの支払いや家計への支出など困ることはない。前回の無職の時よりずっと気持ちが楽でゆっくりと流れる時間がとても幸せに感じられた。

旦那さんも私が正社員で疲れ切っていて、家事を任せることがそれなりにあった時よりも、私が家にいて家事のほとんどをこなし、美しく装い、笑顔でいてくれる方が良い、何よりも健康で居てくれるなら無理に働かなくても良いと言ってくれた。

私もゆくゆくは資格を活かして週3、4のパートをしようとは思っているが、ベースにあるのは今の専業主婦であること、家庭の中で美しく笑顔でいて、家事をこなすことだと思っている。

私は様々な経験を経て、主婦であることに喜びを感じられるようになっていた。これは私にとって大きな変化であり、喜びだった。

私の尊敬する中原純一の言葉に

「主婦は家庭の彩りでなくてはならない」

…という一文がある。
仕事から帰ってきた夫を笑顔で優しく出迎えてねぎらい、美味しい食事を作り、家事をこなして、こざっぱりと家を整えて、おしゃれ心があって、趣味を楽しみ、夫との時間を楽しめる。
夫に大切にされない奥さんは何かが欠けているし、それは家庭の彩りになれていないということなのだ。

専業主婦、特に主婦であることは、家のすみずみに目いっぱい愛情を注ぐということだと私は思う。
目の前の夫や子どもを愛することももちろん大事だけれども、それだけでなくて料理、掃除、洗濯、室内のインテリアや自分自身が美しくあるように身だしなみを心掛けることもその一部なのだ。

私もきっとこれから先、働くこともあるだろう。もしかしたら子どもが産まれるかもしれない。けれども、たとえ置かれた環境に変化があっても私の本質は"良き主婦"であることだと思うし、そうありたいと思う。

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