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大井川鉄道写真一覧

 皆様こんにちは。カクヨムとアルファポリスで連載中の『女子2人で鉄道旅をしています』のロケハン写真を上げていきます。
 今回の舞台は大井川鉄道。静岡県の大井川に沿って南北に線路が通るローカル線です。
 例のごとく、一部写真には加工を施しておりますので、ご了承ください。
 作品URLは↓から。

 まずは、大井川本線からの紹介です。
 大井川本線は、東海道本線の通る金谷駅から千頭駅までを結ぶ路線です。大井川に沿って走る風光明媚な路線であり、往年の名車両が数多く残っています。また、SLの運行でも有名ですね。

21000系電車(金谷駅にて)
7200系電車(千頭駅にて)
16000系電車(金谷駅にて)

 大井川本線の普通列車は3つの形式が運転しています。
 1つ目が21000系。元南海電鉄所属の車両で、いわゆる「ズームカー」の先駆け的存在になりました。1997年に南海からは引退。その後、様々な場所に譲渡され、そのうちの1つが大井川鉄道でした。
 2つ目は7200系。かつて東急電鉄で活躍した車両で、大井川鉄道に所属する車両は一旦十和田観光電鉄に譲渡されたものが再譲渡される形で2014年にやってきました。十和田観光電鉄といえば、2012年に廃線となった青森県の鉄道ですね。今や存在しない路線の記憶を遺した貴重な車両です。
 そして、3つ目が16000系。近鉄特急として活躍していた車両です。この16000系こそ、作中でみずほとさくらが乗っていた車両となります。

16000系車内
16000系の整理券発券機

 16000系は特急用のクロスシートを一部ボックス式にした座席となっていました。内装はどこか懐かしさを感じさせます。元特急用車両に普通列車として乗れるなんて贅沢ですね。車内に設置されたワンマン運転対応機器が、どこか浮いてるようにさえ感じます。

 続いて千頭駅の紹介です。

千頭駅駅舎
千頭駅SL資料館入り口

 千頭駅は大井川本線の終点であると同時に、井川線の始発駅でもあります。直通列車はないため、両路線を乗り通す場合は必ず千頭駅で乗り換えとなります。
 駅構外にはSL資料館があります。訪問日はイベント日だったため、無料休憩所として開放されていました。写真の無料休憩所と書かれている部分が、資料館への入り口です。
 館内にはSLに関する展示だけでなく、大井川鉄道の懐かしい機器やヘッドマークなども展示されています。イベント日以外は100円の入館料が必要となります。こじんまりとしていますが、実に興味深い展示の数々ですので、待ち時間などに是非ご覧ください。

 では、井川線の紹介に移りましょう。

井川線トロッコ列車

 井川線は千頭駅から北上し、井川ダムのある井川駅までを結びます。
 ここは本線と異なり、非電化路線です。運行されている車両は全て客車(トロッコ)列車。今時珍しいですね。こうした物珍しさもあり、観光客の利用が多いようです。
 元々電力会社が井川ダムの建設資材を運ぶ路線として敷設したこともあり、車両限界がかなり小さいです。車両も高さ・幅共に狭く、まるで遊園地の豆汽車のような趣があります。
 井川線といえば、日本で唯一アプト式区間があることでも有名です。この話は後程いたしましょう。

奥大井湖上駅駅名標
奥大井湖上駅ホーム
奥大井湖上駅ホーム
奥大井湖上駅ホーム
愛の鍵箱
Happy Happy Bell 風の忘れもの

 井川線に乗り、みずほの訪問した奥大井湖上駅にやってきました。
 ここは、長島ダム建設に際して井川線の線路が付け替えられた際に開業した駅です。接岨湖に突き出た半島の上に築かれており、まるで湖の上に浮かんでいるように見えます。テレビやSNSなどでも話題の秘境駅です。
 奥大井恋錠駅とも称し、幸せを呼ぶ鐘と愛を誓う錠前なんかもあるようです。

レイクコテージ奥大井

 ホームを上がると、コテージが設置されています。中には喫茶店が入っており、休憩や待ち時間にピッタリです。

井川線旧線跡

 ホームからは井川線の旧線跡も臨めます。

レインボーブリッジ
レインボーブリッジ

 さて、とんでもない立地にある奥大井湖上駅ですが、実は外界へのアクセスも可能です。
 井川方面へ向かう鉄橋はレインボーブリッジと呼ばれ、線路のすぐ横を歩いて渡ることができます。レインボーブリッジを渡り、対岸のトンネルにぶつかると、登り階段が現れます。そこを登って山道を少し進むと、バス停や駐車場もある県道388号線に出ることができます。
 列車以外でもアクセスが可能なんですね。
 そして、道路に出ずに山道を進んでいくと、駅が俯瞰できる場所に出ます。そう、あの有名な撮影スポットです。

奥大井湖上駅俯瞰

 これです! よく駅の紹介などで見る写真ですね。こう見ると、本当にすごい場所にあるんですね。
 ちなみに、この地点の足元には井川線の旧線が走っていました。そちらに思いを馳せてみるのも良いですね。

 奥大井湖上駅はここまで。最後の目的地・アプロいちしろ駅へ向かいましょう。

アプトいちしろ駅駅名標
アプトいちしろ駅駅舎

 アプトいちしろ駅は、先ほどの奥大井湖上駅から千頭寄りに3つ行ったところにあります。この駅の特徴は、なんといってもアプト式機関車の増解結を行うことです。

アプト式機関車
連結作業

 アプトいちしろ駅~長島ダム駅間は、90パーミルという日本最大の急勾配を通過するために、ラックレールが敷かれたアプト式区間となっています。
 なぜ、こうなったのか。それは、長島ダムの建設まで遡ります。
 長島ダムの建設により、井川線の線路は一部が接岨湖の底に沈んでしまうことがわかりました。そのため、川根市代(現・アプトいちしろ)~川根長島(現・接岨峡温泉)間の線路を付け替えました。その際、アプトいちしろ~長島ダム間が急勾配となったことで、アプト式を採用したのです。

アプトいちしろ駅構内
アプトいちしろ駅構内
アプトいちしろ駅構内
駅端から長島ダム方面を臨む

 ホームにかかるあたりから、線路の間に3本目の線路が現れますね。これがラックレールです。歯車式のレールとなっていて、車両につけられた歯車とかみ合わせながら進みます。こうすることで、空転を防いでいるのです。
 長島ダム方面は、見ただけでも傾斜が急なのがおわかりかと思います。何しろ90パーミルですからね。ちょっと想像できません……。

 さて、みずほとさくらはここからアプトいちしろキャンプ場へと向かいます。

駅前の吊り橋

 駅舎を出て右手に進むと、巨大な吊り橋が現れます。ここは中部電力の施設に至るための橋です。一般の方は立ち入れませんのでご注意を。

 ミステリートンネル・長島ダムと書かれた看板に従って進みます。砂利道の奥が行き止まりになってますが、ここで折り返す形になります。
 ちなみに、写真左のフェンスに囲まれた場所が旧・川根市代駅のホーム跡です。

ミステリートンネル

 折り返すと、すぐ目の前に現れるトンネル。これがミステリートンネルです。実は、井川線の旧線トンネル跡を遊歩道として整備したものです。
 とはいえ、トンネル内は真っ暗なので、懐中電灯が必須です。内部はどうやら地元の方が作ったお化けの人形で彩られているようで……。
 私は入りませんでしたが、度胸試しにどうぞ。なお、ミステリートンネルを抜けると、アプトいちしろキャンプ場に到着します。

アプトいちしろキャンプ場

 最後に、井川線車内から見たアプトいちしろキャンプ場です。こちらから見えるということは、キャンプ場からも列車がよく見えるということです。撮影スポットにも良いでしょうね。
 なお、アプトいちしろキャンプ場は漫画『ゆるキャン△』第11巻にも出てきますので、是非そちらもご覧ください!(あの本当にゆるキャン△大井川編めっちゃ面白いので読んでくださいアニメ化してないけど超名作なので読んでくださいお願いしま(ry

 今回は以上となります。作品は今回で第1部が終了しますが、まだまだ続きます。今後とも是非ご愛顧ください。
 それでは、次回の更新もお楽しみに!

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