J2第2節&J3第1節レビュー

みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。Jリーグ再開の先週末、いかがお過ごしだったでしょうか?
久しぶりに最高の週末が帰ってくると感慨もひとしおですね。1つ1つのプレーに一喜一憂するあの瞬間が、どれだけ大切なものだったか。改めて実感した気分です。
というわけで、前回J2第2節J3第1節のプレビューを3試合行ったわけですが。当然その3試合はリアルタイムでフルタイム視聴しましたので、レビューを書いていきたいと思います。
褒めるところは褒めるし辛口なところは辛口になるのでご容赦ください。

J3第1節
いわてグルージャ盛岡0ー4ブラウブリッツ秋田
MOM:中村亮太(秋田)
記念すべき2020年J3開幕節。一発目の試合は北東北ダービーをチョイスしたわけですが。
プレビューを読んでくださった方、覚えていらっしゃいますか? この試合、私は「監督の采配に注目」と書かせていただきました。では、その結果どうなったかと言いますと……。
端的に言うならば、監督力の差がそのまま試合に表れた一戦になった、というのが感想です。
互いに4-4-2のミラゲームとなったこの試合。岩手は顔ぶれが非常に豪華です。個々の能力や動きにはキラリと光るものが散見されました。小谷なり、大垣なり、ブレンネルなり。ただ、チーム全体としてのまとまりには欠いていた印象です。
足元で崩していきたいのはわかる。しかし、ブロックの外で回しているだけで全く崩せていない。何より戦術や連携の落とし込みが全然できていない印象を受けました。そこはやはり監督の手腕なのではないでしょうか。
一方の秋田は去年までの沼津を彷彿とさせるようなサッカーでした。流石名称吉田謙監督。変則的な日程の中でも質の高いチームを仕上げてきました。
守備では寄せ・スライドが素早く、奪ったボールはシンプルに前へ。齋藤と中村の2トップはスピードもありますし、スペースへ抜けるのも上手い。加えて、フィジカルもありますし、特に中村は前でボールを収められる。非常に脅威になってました。
また、沖野と久富の両SMFも素晴らしかった。特に前半は右サイドを中心に攻めていた中で、左サイドの久富がかなりフリーランを繰り返していました。見えないところでの献身性も吉田サッカーらしさだと思います。
で、逆に評価が厳しくなってしまうのは岩手の平川。1失点目で齋藤から目を切ってしまい、2失点目では齋藤の裏抜けについていけませんでした。4失点目でも井上をフリーに。
ただ、彼もFWからCBにコンバートされたばかりの選手。エクスキューズもありますし、コンバートさせたのも起用したのも秋田豊監督自身だということは忘れてはいけません。
結果的にミスから3点目を献上した時点で試合は決まったようなものだったと思います。岩手は最後まで相手を崩し切る術を見出せませんでした。まだ1戦目ですが、ちょっと今年の岩手も厳しいのかな、というのが個人的な感想です。やはり監督って大事ですね。
逆に秋田は吉田監督らしい手堅く得点と勝利に貪欲な良いチームになっていたと思います。今シーズン、楽しみな存在になりそうですよ。
MOMは齋藤恵太選手と迷いましたが、1ゴール3アシスト・全得点に絡んだ中村亮太選手を選出しました。

J2第2節
ザスパクサツ群馬1ー3水戸ホーリーホック
MOM:中山仁斗(水戸)
オーオーオーオーオーオ俺たちの水戸
オーオーオーオーオーオ俺たちの誇り
勝ったぞぉぉぉぉぉ!!! 水戸様完勝! 水戸様優勝! 今シーズン初勝利じゃぁぁぁぁぁ!!!
イージーイージー! 北関東ダービー、イージィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!
という魂の叫びは置いておいて。いやー、勝ちましたね。やっと勝てました。今季初白星がまさか開幕から4ヶ月かかるとは思いもしませんでした。最高の週末がようやくやって来ましたよ。まあ、まだ2試合しかやってないんですけどね。
この試合も互いに4-4-2のミラゲームとなりました。水戸は前節からスタメンを入れ替えて、GKは松井に。SBは右に前嶋、左に外山。2トップに中山と奥田を据えて、右SMFにプロ初先発初出場の松崎を起用しました。
群馬は岩上を右SBに。大前がベンチからも外れて、中断期間中に加入した林陵平が加藤と2トップを組む形で先発メンバーに名を連ねました(プレビューで林のことすっかり忘れてましたね。すみません汗)。
さて、プレビューでは群馬の攻撃陣VS水戸の守備陣に注目という話をしていましたが。それ以上に水戸が試合を支配していました。
長谷部体制で磨かれた守備はそのままに、丁寧に繋ぎながら相手を動かして攻めきる形が存分に出ていたと思います。序盤は中盤でボールを失ってカウンターを食らう場面も見受けられましたが、徐々に落ち着きを取り戻してボール支配率を高めていきました。
この日、柔軟なプレーを見せていたのが奥田でした。2トップの一角に起用されているものの、2列目の位置まで降りながら、スペースを見つけてはそこに入り込む。縦横無尽に動き回り、常にボールを引き出そうとしていました。
また、左SBの外山の上下動も目を見張るものがありました。特に前半は左サイドがかなり活性化されていましたね。岩上と対峙する中でよく走り続けたと思います。
そして、大器の予感を漂わせたのが松崎。ボールが足に吸い付くような独特のドリブルには目を奪われたかと思います。また良いルーキーを連れてくるんだな、水戸は。
試合はセットプレーを中心に得点を重ねた水戸の勝利に終わりました。まず1つ勝てたことで良い流れを作れるかと思います。後は自分たちで相手を崩し切って点を取るという成功体験が欲しい。この日もセットプレーからの2得点と中山の個人技からの得点ですので、チーム全体で流れの中から点を取りたいですね。そうなれば、もっと自信は深まるし、上昇気流に乗れると思います。
対して、群馬は2トップの連動性に物足りなさを感じました。林ではなく加藤の足元に入れる回数が多かったのは、林への警戒レベルが高かったことを察して敢えてそうしたのかもしれません。古巣戦ですしね。
でも、あの日の群馬であれば林に収めさせる、加藤はスペースに走らせる。そうしたシンプルな攻めの方が怖かったような気がします。とにかく攻撃に関してはまだ課題が多いような印象を受けました。岩上は持ち味を出していたと思いますけどね。
とにかく、この日の両チームに言えることは、縦パスを受ける位置や出すタイミングの共有なのかな、と。そこが深まってくれば、お互いもっと迫力ある攻撃が出せるようになると思います。志向するものは近いような気がしますので。
MOMは2得点の中山仁斗選手を選出しました。奥田選手も同じくらい評価は高かったです。

J2第2節
京都サンガF.C.2ー0ジュビロ磐田
MOM:ピーターウタカ(京都)
京都と磐田、昇格候補同士の対決となったこの試合は、サンガスタジアムの公式戦ファーストゲームとなりました。その記念すべき一戦を勝利で飾ったのはホームの京都でした。
京都は3バック、磐田は4バックで臨む、システムにズレの生じる一戦となりました。ただ、磐田の方は攻撃時にボランチの伊藤が最終ラインに降りて、両SBを前に上げることでシステムのズレを埋める作戦に出ました。こうすることで常に前線に5〜6枚の選手が配置され、守備時に5バックになる京都の最終ラインに対して数的不利を生じさせない形になります。
これが奏功したのか、序盤から試合を支配するのは磐田でした。ピッチを広く使い、サイドチェンジを交えながら京都ゴールに迫ります。
一方の京都はウタカの1トップではなく、ウタカと宮吉に2トップを組ませました。これにより、ウタカは中盤まで下がってボールを引き出す動きを多く見せることができました。また、宮吉に当ててウタカがスペースでもらうという、やや想定外気味の形も作ることができるわけです。
磐田が試合を支配する中で先制したのは京都でした。金久保からの縦パス1本でウタカが抜け出してゴール。京都の本来の形は足元で相手を崩す形です。しかし、このようなシンプルな攻め手を見せることは、相手のラインが上がりづらくなりボール支配率を高められる効果を期待することができます。これはこの試合だけに限らず、今後の対戦相手にも効いてきます。
何より磐田が試合を支配していた中で京都が先制できたことは磐田にとって多大なダメージを意味します。前節、山口にやられたことをそっくりそのまま磐田にしてやった、というわけですね。
磐田がもったいなかったのは左サイドで宮崎が持った時に中々前に出せなかったことです。これは京都の右WB・飯田が上手く蓋をしていたこともありますが、左SMFの山本と上手く縦関係を構築できなかったこともあると思います。実際2トップのルキアンが左サイドに流れてボールをもらいに行くことも多かったわけですし。
これはボランチを1枚最終ラインに落としたことが要因なのかなと思います。それを解消するために後半ルリーニャを投入したところで中盤をダイヤモンド形に変えたのだと思います。
後半に入り、開始早々に京都が追加点を取ります。時間帯的に磐田には痛かったですね。流れという観点では2失点とも非常に痛かったと思います。
この場面は左WBに入った荒木の突破からチャンスメイクしました。松本が荒木を潰し切れればあるいは、というところでしたが。突破を許し中に入られ、左右に揺さぶられて最後はウタカ。とはいえ、ウタカのシュートもお見事だったと思います。
この後、櫻内を投入してからは磐田の時間帯が続きました。更にルリーニャも投入して配置変更。それでも最後まで京都の5バックは集中力を保っていました。見事な完封勝利で今季初白星を掴み取ります。
プレビューでは両チームのストライカーに注目と話をしました。ウタカは2得点を決めましたが、一方で小川航基はバイスに徹底的に潰され全く活躍できませんでした。明暗の分かれた両ストライカーの結果が、そのまま試合結果に反映されたように思います。
磐田は大きな課題を突きつけられました。何しろ、バイスを吊り出すことが全く出来なかったからです。今後、磐田相手に引いて守るチームも出てくるでしょう。そのときに中央に構える守備の要を引きずり出す動きが見せられなければ二の舞三の舞になる可能性は大いにあります。1年でのJ1復帰に向けて早い段階で宿題が突きつけられたことを前向きに捉えたいところです。
一方の京都はこの白星を浮上のキッカケにしたいですね。
MOMは2得点のウタカ選手を選出しました。金久保選手、荒木選手も良い動きを見せていましたし、安藤選手、バイス選手の守備もお見事でした。磐田も伊藤選手の出来は好評価かと思います。

というわけで、3試合分のレビュー終了です。
また来週も楽しくサッカーを観ていきましょう。


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