見出し画像

高齢者の歩行 シンプル評価

こんにちは!さっとんです!
デイケアでご利用者様に日々温かい気持ちを頂き、元気いっぱです!

本日は高齢者の歩行評価について、私なりの視点をお伝えします。
セラピスト向けの記事になりますが、よろしくお願いします!

皆様は歩行評価としてまず、どんなことを思い浮かべますか?
各相の分析、筋力、バランス、ROM、バイオメカニクスなど色々あると思いますが、要素が多すぎて複雑だと思います。(全部が大事です!)

私も自分なりに勉強していますが、中々難しい(笑)私だけかな・・・

おっと!気を取り直してまずは、高齢者の歩行の特徴をお伝えします!

歩行速度の低下、歩幅の減少、歩隔の拡大が特徴として上げられ1歩行周期における遊脚期の割合が減少し、相対的に両脚支持期が増大する

うーん、ややこしい感じですが、足を横に広げてバランス重視しながらゆっくり歩くイメージですね!!

その中でも

高齢者の歩行速度は運動能力を最も代表する指標で、将来の生活機能や生存予後にも影響する                

との報告があります!となりますと、まずは色々考えすぎずシンプルに
「歩行速度」を評価すれば客観的な数値として、現在の状態や予後予測を把握できるのではないでしょうか?

私はまずここから、細かな評価に繋げています。速度を見るなんて分かってるぜ!って声も聞こえてきそうですが、意外と「踵接地が」とか「遊脚期でクリアランスが上がらない」等、機能面を重視してしまうことが多い印象もあります。←私だけだったらすいません(汗)

では具体的に歩行速度を測る評価としてですが、「10m歩行テスト」がありますよね!ですが10mの幅を確保するのが難しかったり、機能低下が大きい高齢者には距離が長く測定が容易でないこともあると思います!

なので私のデイケアでは

「5m歩行テスト」で測定しています!

測定方法(いる物 ストップウォッチだけ)
・5m前後に加速と減速を考慮して2~3mの予備区間を作る
・可能な限り最速で

カットオフ値
6.2秒(0.806m/秒)
・6.2秒以上で転倒のリスク増大
・5秒以上で横断歩道を渡れない可能性あり

現在では「5m歩行テスト」の様々な報告があります。

・5m歩行速度の測定は下肢筋力やバランス機能、精神機能も反映する
・大腿四頭筋の機能と関連性が大きい
・開眼片脚立位のバランス機能との関連性あり
・脳卒中片麻痺の歩行速度と下肢筋力、バランス能力と関連性あり

機能面での評価にも繋がりますが、私が注目しているのは精神機能への影響です。5m歩行速度が早い高齢者は「うつ」傾向が認められにくいとのことです。病気や疾患を抱え、入院生活では大きなストレスを抱えると思います。

リハビリをすすめていく中で、身体機能面以外に寄り添うことも非常に重要だと思います!現在の見えない精神状態の評価にも繋がるのではないでしょうか?

最後にこの歩行速度をどのように生かしていることを私の視点でお伝えできればと思います!

①利用者様に分かりやすく説明がしやすい
・「この速度を目指していくため為に、足の運動を行っていきましょう!」
・「この速度までくると、外出もスムーズに行えますよ!」
 特に初めてきた利用者様の初期評価での説明がしやすいです!

②リハ中のフィードバックで使える
・5mであればアプローチ後の歩行訓練中にリハ後の再評価にも利用できます!

③機能低下の仮説、目標設定に使える
・上記の報告より下肢機能やバランス機能の細かい評価に繋げていけます!
・患者様への歩行速度の目標設定や転倒リスクの予測、入院生活での自立度への判断材料としても使えます!

④サルコペニアの指標として
歩行速度の低下は全身の筋力低下の指標となります!

⑤シンプルに誰でも客観的な評価ができる

何かリハビリや普段のケアに生かして頂ければ嬉しいです!
私は複雑なことができないセラピストですので、それでもできるシンプルな評価や運動療法を今後もお伝えできればと思います!

最後までお読み頂き、本当にありがとうございます!

高齢者のパフォーマンスアップの為に!


引用文献、書籍
・大田尾 浩 要介護者高齢者における一年間の転倒予測因子
・中島大喜 活動的な高齢者の5m最速歩行時間と身体・認知・精神機能との関連
・小関 要作5m歩行・停止テストの信頼性と妥当性、下肢筋力の影響 第 51回日本理学療法学術大会(札幌)
・市橋則明 高齢者の機能障害に対する運動療法 文光堂2010

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?