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自伝のこぼれ話 25

前も同じ話を書いたと思うのだけど、もう誰の記憶にもないと思うから改めて書く。

受験シーズンになると思い出すちょっとした事件がある。あれは高校3年の卒業間近の時。クラスのほとんどの子が就職、ごく少数が専門学校へ進学、あるいは無職になるような学校だったから、ピリピリした雰囲気はゼロでね。

あの頃、クラスの子の一部の間でトランプやUNOで遊ぶのが何故か流行ってたんだけど、それに飽きたからか(?)花札までやるようになった。あ、お金は賭けてないよ。ちなみにその花札は私の私物。しかしまぁ、女子高生が教室で花札をするってすごい光景だよね、今思えば。

我が高校の受験日の翌朝、担任(体育担当の女教師、いつもヒステリーを起こす)が教室に入ってくるなり
「これ、一体全体誰の!??試験の時バラバラと机から落ちてきたそうよ!先生、大恥かいちゃったじゃない!!」と怒りまくった。手には私の花札が。
確かに私のなんだけど、たまたま友達のKちゃんがあの日は預かってたんだよなぁ。おいおい、机の中を空っぽにするの忘れたな?
「私のです」って名乗り出たんだけども、マジメに問題を解いてるであろう時にこれがバラバラと落ちてきたところを想像しちゃって、笑いがこらえきれなくてね。受験生はどう思ったんだろう、教室はどんな雰囲気だったのかなって。笑いをこらえてる私を見て
「何がおかしい!!」と
担任はさらにキレた。
私は奴に嫌われてたからなぁ。勉強は学校で一番出来たけど、マジメちゃんじゃなくてふざけたことも沢山してたし生意気だから煙たかったんだと思う、というか扱いにくいというか。
「これで遊んでた人、手を挙げなさいっ!」
一緒に遊んでた中に奴のお気に入りの子が3人くらいいたからか、反省文を書かされただけで済んだ。まぁ、こんなことくらいじゃ停学とかにならんだろうし、もう1か月で卒業だしねぇ。
反省文は「賭けはせず、カードゲームの感覚で遊んでいました」ということを強調して書けと言われたっけ。

春よこいこい、受験生のみなさん、みんな受かってるといいね。
「こいこい」とみんなで花札に興じてたのを思い出してまた笑いそうになった。そして
「春の受験の合格通知は『サクラサク』じゃん?冬に合格分かった人は何だろうね?」なんて友達と喋ったのを思い出していよいよ吹き出してしまった。
「うーん、『シャケモドル』かなぁ?」と私が言うとみんな大笑いしてね。

「何がおかしい!!」
この担任とももうお別れだ。楽しかった高校生活が終わりを告げる。