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悪魔の実カカオ栽培のSDGs

みんな大好きチョコレートの原料であるカカオの栽培は、SDGs的に2つの深刻な問題を抱えていて「悪魔の実」さながらです。

多くの国が経済的な発展を遂げる中で世界的なチョコレート需要が増加し続けており、それに伴ってアフリカを中心にカカオを栽培している国で問題が発生しています。

1つ目の問題は「森林破壊」です。シエラレオネの様に国土の熱帯雨林がカカオ栽培により85%失われた国もあります。

カカオの農地を開墾するために焼畑農業が行われています。熱帯雨林をカカオの農地にする際に焼畑を行うことで、木を切り倒したり草を刈ったりする労力を削減できます。

また、火による害虫の駆除ができ、燃えた草木はカカオの肥料代わりや、灰が農地の土壌改良にもつながるため、農薬や肥料を買う資金が削減できます。

世界のチョコレート流通の大手企業、マース、ネスレ、モンデリーズ・インターナショナル、ゴディバ、カーギル、バリーカレボー、オーラム、ハーシーが2017年6月にカカオ栽培による森林破壊を収束させる共同声明を出しました。

しかし、その後も現在に至るまで森林破壊は終息に向かっているとは言えません。

2つ目の問題は「児童労働」です。カカオ栽培で子供が行う労働は、焼畑をした後の農地を鉈(なた)を使って開墾することや下草を刈る作業。カカオの実の収穫作業、自身の力では持ち上げられない程の重さのカカオが入った袋を頭に載せて運搬する作業などです。

これらの児童労働は危険を伴う作業であると共に、子供達から初等教育の機会も奪っており貧困の連鎖にも繋がっています。

1つ目の問題にも記載した世界のチョコレート流通の大手企業は、2001年にカカオの生産からチョコレートの販売までのサプライチェーン上の児童労働を撲滅するという「ハーキン・エンゲル議定書」に署名しました。

しかし、2008年から2019年までガーナとシエラレオネでカカオ栽培に従事した児童の数は12年間で14%増加していました。

チョコレートを悪魔のお菓子にしないためにも、チョコレートの末端価格を値上げしてカカオのフェアトレードを推進するべきだと思います。

チョコレートは嗜好品ですし、糖質・脂質も多くカロリーも高いため、食べ過ぎは生活習慣病のリスクを高めて医療費を増加させます。

地球の環境と生産国の子供達のために、フェアトレードのカカオを使ったチョコレートを買って、適量を美味しく食べましょう。StaySDGs!!
#sdgs  #悪魔の実  #チョコレート #staysdgs

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