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【stand.fm放送要約④】「エロマンガと思いきやラブコメの域も超えた強烈なギャグマンガ『ぼくの輪廻』」(2023年4月18日ブログ)

 音声配信スタンドstand.fmのアカウント閉鎖前に、番組内で配信した放送を自分で聞きなおして内容を要約してこちらに収録しようと思います。

 今から思えばとか、今振り返ってみてとかいった視点も加えています。

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 最近読んで面白かった漫画『ぼくの輪廻』(嶋木あこ先生)を紹介します。

 南北朝時代を楽しむ会の会員の方から〝楠木正行(まさつら)が出てくるよ〟と言われて興味をもったのですが、作品冒頭には空海の弟子である修行僧・栄賢(えいけん)と村の娘・ヤイが登場します。
 ※楠木正行…南北朝時代の英雄・楠木正成の嫡男。

 女人禁制の地で出会うはずのない二人でしたが、栄賢が山奥の庵で独り修行をしていた時に、偶然かつ唐突にヤイが彼の前に現れます。

 その二人のストーリーが、現代の主人公とヒロインの輪廻転生譚と重なっていくのですが、二人の関係に割って入って来る青年がいます。

 彼はかつて、栄賢と一緒に修行をしていた両珍(ちょうちん)で、栄賢のことが好きな両珍は、栄賢とヤイの微妙な関係を引き裂こうとあれこれ動き回ります。

 しかしながら、なぜか両珍とヤイの二人の方が仲良しみたいな展開になってしまうのもほほえましく思えました。ーー二人は二人ともに、純粋に栄賢のことが好きなのが伝わってきます。

 ところが、転生をくり返すうちに、私は二人のことがだんだん嫌いになっていきました。ーー二人ともがそれぞれに、執着心を抱き、それにがんじがらめになっていったからです。

 私はサビアン占星術で鑑定を行っていますが、サビアンは輪廻転生をベースとした占術です。

 『ぼくの輪廻』のように、転生を前提とすれば〝運命の人はいる〟という結論を私は支持しますが、時にそれがカルマの関係に過ぎないのではないかと思われるケースにも遭遇します。ーーまさに、両珍やヤイのような状態です。

 ストーリーは最後に大どんでん返しが起こります。栄賢が楠木正行に転生した南北朝時代には、両珍とヤイの男女入れ替えが起こり、三人だけだった関係に割り入って来る人物も現れます。

 そして、一番輪廻転生に執着してもよさそうな人(たち?)が、あっさりと引くので、拍子抜けした読者の方のいるのではと思ってしまいました。

 作品の底流に、南北朝時代の僧・文観が火付け役となっとされる邪教・立川流のスピリットがあったりと、作者の嶋木あこさんとは、一体おいくつくらいの、どのような方なのか気になりました。

 美男美女も魅力的で絵柄もきれいですし、お若い方なのかと想像していますが、私のような昭和世代と違い、おそらく若い方々は、輪廻転生のような考えも自然に身にまとい、さらにはふっと超えていくようですね。

(ただ、巨乳だとか、両珍はマジのそっちの方ですから、そういうのが苦手な方にはおすすめできません。また、電車の中で読むのも、笑っちゃう可能性も含め、やはりだめですね…。)

 作品の応援コメントには、〝ばかばかしいと思いつつ何度も読んでしまいます〟といった好意的なものがあり、ほっこりさせられました。

 〝運命(の人)〟ではなく、今こうして〝私〟が生きるこの時、この出会いに向き合い、輪廻転生のカルマを超えていくーーそんなテーマを軽やかに描き込む、新感覚の作品です。

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〔2021年8月30日にstand.fmで収録した内容を2023年4月18日にブログで文字にして再構成しております。〕

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