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祈りの礫が降る朝に

祈りの礫が降ることを
朝、と呼ぶ夜
それも豪雨の
見慣れた花の
赤や白やらの
さらされ方とか
電線のあまりにも
被虐的な揺られ方とか
それらを
とめる ための
ステッカーが欲しい
あざとすぎず
かといって
石のような
何者の目にもつかないような
叫びに も、似た
かたちの

おおよそ
言葉にすれば
ああ、はいはい と
流されてしまいがちな
韻律のプラカードよりも
より澄んだ池の
冷たさを
拳の中で燃やし続けたい

きみが目を開けて
時間を尋ねるたびに
存在しうることを
喜ばしく思う

たたずみながら
死にながらえることを
許されるような
弱々しい線の
はね で
振り返る 夜
手首のまっさらさを初めて
恥じたい

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