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飛ぶ鳥の夜はきみのため

バスタブの中
透明な水に浸って
体育座りしている裸と
裸のまま涙を流している
浴室の水面に落ちる滴が
落ちる滴が落ちる音を聞く
霧が立ち込める森の
朝に湿る花弁のつややかさに
眩しくて目を閉じそうになって
涙が、涙が溢れそうになって
なってた。(飛ブ鳥ノ夜ハキミノ
キミノタメ)──落ちる音もなく落ちる
落ちた、落ちて、いった一滴の
水に映り込む私が私は私だと
気づかずに目を
目を見開いた。(飛ブ鳥ノ夜ハキミノ
キミノタメ)飛ブ鳥ノ夜ハキミノタメ
飛ぶ鳥の夜はきみの(滴の
(落ちてなくなるまで(飛ブ鳥ノ夜。

#詩 #現代詩

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