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「お父さんとメロンパン」 300字小説より。

中日新聞の300字小説。数ヶ月前なんとなく寄稿したものが「掲載されてるよー。」と今朝、お母さんが教えてくれて。

なんか今さらみたらこっぱずかしいのだけど、記念に載せておこうと思う。

(300字以内なのですぐ読めます)

「お父さんとメロンパン」

こぽこぽこぽ。。
茶色の液体が滑り落ちていく。

ふんわりと立ちのぼる、濃い香りを味わいながら、
コップを三つ用意する。

珈琲を待つ間に、袋からメロンパンを取り出す。
私の大好物の、ふちが固いやつ。

サクッと、ナイフを通して切り分ける。
ひとつを皿に乗せ、珈琲を手に隣の書斎へ。

ことり、と置いた音に
大きな背中が振り向いたから、
思わず尖った声が出た。

「これ」

と突きつけて、早足で台所に戻り
小さく溜め息をつく。

昔はもっと、仲良かったのになあ。

どうせ一口か二口で、食べちゃうんでしょ。
せっかく一番ふちが固い美味しいところ、あげたのにさ。

お年頃の娘の気持ちなんて、きっとわかっとらんよねえ。

お父さん。

… 258字 …

関連記事はきっとこれでしょうね。(笑)

おわり。

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