見出し画像

赤ちゃんの水分摂取 何で飲むのが正解?

助産院で定期的に開催しているベビーマッサージでこのような質問を
いただきました。
「赤ちゃんのストローの練習ってどうやっていますか」

赤ちゃん用品店に行くと赤ちゃん用の水分摂取のグッズが
たくさんあります。
マグマグ、ストロー、スパチュラ、WAOカップなど・・・
「〇ヶ月から」と表記されると
その月齢から使わなければいけない気がしますが
もちろんそんなことはありません。

そもそも赤ちゃんの水分摂取(母乳やミルク以外)のものは
離乳食開始すぐから始める必要がありません。
ではいつからかというと
2回食や3回食になってからでよいでしょう。
水っぽいお粥や、裏ごしのお野菜などが終わって
ごはんが軟飯、またハンバーグなどの固形を食べるようになったら、
一緒に水分を取り始めるのが良いと思います。
離乳食の開始すぐから母乳やミルクを水やお茶に置き換えては
必要なエネルギーや栄養素を摂取することができません。

離乳食からの栄養が重要になってくる時期は
おおよそ6~8か月頃からです。
今まで体の中にためてきた鉄が減って、
食べ物から鉄を吸収しなければならない。
また、母乳やミルクだけではカロリーを賄いきれなくなってくるのが
この時期です。


                      出展:WHO
                         出展:WHO

ピンク色の表は体内の鉄の貯蔵を表しています。
ピンク色の部分は生まれてから体内に蓄積されている鉄を表しています。
6か月くらいから枯渇しはじめるため、このころから積極的に
離乳食で鉄を補う必要があります。

また、黄色い表は母乳からのエネルギーと赤ちゃんの必要エネルギー量の推移です。
黄色は母乳のエネルギー量
白いところが離乳食で摂取されるエネルギー量です。
離乳食が進んでいないうちは
無理に授乳を減らす必要はありません。
好きな時に好きなだけ・・・というのがセオリーです。
混合栄養や人工ミルクの時も同様ですが、好きな時に好きなだけ・・・という部分は違いがあります。
また、7-8か月頃にはミルクの回数は4-5回程度に減ってきているのではないでしょうか。
この量を食事摂取の量を見ながら
ミルクの回数を1回ずつ減らす・・・というような感じです。

さて、いざ水分を!というときは何を使うのがよいのでしょうか。

正解はコップです。
保育園などでも小さい子もコップ飲みですね。

マグマグやストローも便利なのですが、
ただ流し込まれるだけでお口の機能を育てることは望めません。

コップ飲みは複雑に絡み合ったスキルです。
コップの輪をにぎる
傾けて一口大をお口に入れる
上の唇を閉めて、水分をのどの奥に送り
飲み込む

この行為が発達も促しますし、
お口の機能も促します。
しっかり上の唇を閉じることで
口が開いたままポカン・・・となることを防止してくれます。

マグマグやストローは汚すことを予防してくれる便利グッズくらいの
位置づけでよいかと思います。
外で使うために練習をすることもOKです。
数回使ってみたらあっという間に習得しますので、
難しく考えず、まずはやってみるのがよいと思います。

最後に哺乳瓶はミルク以外の水分摂取には使用しません。
哺乳瓶飲みを続けていては、辞め時がわからず
1歳以降も使い続けるご家庭があります。
ミルクを段階的に減らしているのであればよいのですが、
中身がジュースやフォローアップミルク(使う必要はないとWHOや日本の学会でもすでに言われています)、イオン水だとしたら、
虫歯のリスクになります。
哺乳瓶は上の歯の裏に水分があたりますので、
そこが虫歯になるケースがあります。
小さいお子様の虫歯治療は親も子も骨の折れる作業です。
可能であれば、哺乳瓶は1歳頃、遅くても1歳半までには辞められると
よいと思います。

離乳食の開始ころから
悩みが多くなってくる印象です。
また、専門家への相談の機会の減っていく時期ですので、
ぜひ助産師にご相談くださいね。
東京都にお住まいの方は東京都助産師会が行っている無料のZOOM相談があります。
「助産師オンライン相談}と検索していただくとヒットします。
ありがたいことに私のご指名をいただける場合は
instagramのDMからお問い合わせくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?