「好き」ってどんな感じかな?

"Mira" af Lemire og Bregnhøi Gyldendal 2017 Graphic novel

ミラ(表紙の女の子)は10歳ぐらいの女の子。仲の良い男の子の友達はいるものの、まだ異性を「好き」という感覚がよくわからない。女友達たちは、上級生の男子が気になったり、初キスしたしないで盛り上がってるのに、その会話にうまく入っていけない。無理して親友と彼氏彼女になってみたものの、やっぱりしっくりこない・・・。

ミラのママはシングルマザー。彼氏をデーティングサイトで見つけてはミラに紹介するものの、ミラにとってはまた新しい彼氏か、、とちょっとうんざり気味。自分の悩みを聞いてくれるのはおばあちゃん。時々おばあちゃんちに行っては、一緒に編み物をしながらあれこれ話を聞いてもらう。

Annette Herzogのグラフィックノベル"Pssst!" と同じく、この"Mira"も女の子の思春期手前のゆれる心を描いた作品。またまた絵はヘタカワ(と呼んで良いのかな)のBregnhøi氏。この二人は前回のお行儀本のコンビでもある。同類の作品に、フランスのJulien Neel氏の"Lou!" がある。小学生女子向けのマンガがヨーロッパでも増えてきているのはなんか嬉しい。

この作品の主人公の母親がデーティングサイトで彼氏を見つけてることがデンマークっぽいなと思ったのだけれど、最近はどこでもそうなのかな、ネットで恋人を見つけるのが普通になってる様子。そして、自分の彼氏を娘に紹介したいと思うところもとってもオープンなデンマークらしい。ちなみにミラの父親は、母親の初彼氏だったそうで、複雑な事情から連絡をとっていないらしい(ミラのおばあちゃん談)。デンマークでは離婚するとたいていは両親の家を子どもが行き来するので、このミラのように父親を知らないというのは、少数派だと思う。




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