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その疑問、さわかみ社員がお答えします! ~セミナーQA集③~


”投資って儲かるの?”
”一般生活者のためのファンドって何?”

さわかみ投信では、そんな投資信託にまつわるあれこれを
皆さまに「直接」お伝えすることを大事にしており、
文字通り、社員が一年を通して全国各地でセミナーを開催しています。

当社のセミナーはよくある一方的な講義ではなく
参加者の皆さまからの質問をベースに進めていくスタイルで、
こちらの記事では実際に皆さまからいただいた質問と、
当社社員によるバラエティに富んだ回答をご紹介します!


【質問】

将棋でAI に勝てないように、
アナリストもAI に勝てないのではないですか?
50代男性

【回答】

そもそもアナリストが不要な時代になってきていますよね。
分析に基づいた企業選別よりも、低コスト商品が選ばれ、米国インデックスような流行・テーマに流される昨今です。むしろ商品は何でもいいので「NISAでつみたてしておけば大丈夫」のような主張もまかり通っています。

さて、アナリストの役割とは一体何でしょうか?
企業への提言や投資に想いを乗せるための推論、情熱なども人のなせる業です。単なる企業評価であればAIも優れていると思いますが、企業も人ならアナリストも人。人にしかできないこともたくさん残っています。

今後、「企業にも求められるアナリスト」の価値はむしろ上がっていくのではないでしょうか? さわかみファンドの理念に従うと、人であるアナリストに非常に高い価値と期待を抱いております。なぜなら、私たちは財産形成の先にあるものを求めているのですから。

寧ろ逆で、AIの使い方次第では、アナリストがAIに勝つ可能性は大いにあると思っています。

当社の企業訪問ツアーに参加されたことのある方ならイメージし易いでしょうが、企業の自助努力はデータ分析のみでは確認が難しく、IR担当者へのヒヤリングや実地訪問(工場見学)等を行うことで知り得ることもあります。そして情報を知り得なければこの企業の価値を100%数値上で再現することは困難です。

上場企業の多くはIR情報をはじめ様々な情報を開示していますが、企業のプロダクトを構成するパーツ一つひとつを生み出す企業は、情報開示が進んでいない中小企業であることがあります。
この数値に現れない価値を、自分で考え行動し判断できるのはアナリストの強みであり、AIに勝つことのできる要因です。

投資は結果だけ振り返るとその分析はそれらしく見えますが、絶対のない未来に対して行動を起こし、その未来の結果からリターンを得るという、常に“これからへの意志”が必要とされる活動です。

さらに長期的な視点に立てば、生活者自身がこれから能動的に獲得していくあるべき姿を求めて実現する未来も、機械的には計算できないところになるのではないでしょうか。

また反対に科学的には合理的な技術であっても、その事業が大衆の不合理な判断によって花開かなかったといういくつかの経験も、これからまだ繰り返されると思います。

このようなことからアナリストがAIに負けるという心配はないかと思います。一方で確かにアナリストはその予想に独自性や確度を持つために、様々な過去のトレンドや技術動向の伸展などの調査・勉強をしていますので、このような既知の情報をいち早くまとめるという作業の部分では、AIに勝つことは難しいかもしれません。

ただやはり未来に対する決断においては人が人を理解する心が必要であり、AIに頼った意思決定があたかも正当化されるような市場は、むしろ長期投資のアナリストにとってはチャンスにさえなるかと思います。

AIを利用したアナリストが勝つと思います。
AIの特徴は”ABC+S(” =優れた解法(A、アルゴリズム)を用い大量のデータ(B、ビッグデータ)の中から答えを計算する(C、コンピューティング)、それも短時間で(S、in a Short time))です。中でも優れる部分は時間で、AIは時間との闘いになれば人間に圧勝するでしょう。

さて、将棋とアナリスト業務の違うところはプレイヤーの数ではないかと思われます。将棋の場合、対局は1対1で相手は限られ合理的に行動してくれます。
これに対しアナリストが調査する企業は、仕入れ先、顧客、銀行、株主、競合、規制当局など、数多くの関係者に囲まれています。そして時間経過ともに関係者の関心、目的、関係者間の力関係は変化し、新しい関係者も現れるでしょう。企業自身も変化します。
こうした要素や要素の変化は確実に企業の成長ストーリーを複雑にします。

そして如何にAIが発展しようとも、これは解決困難な本質的課題ではないかと思います。つまりAIといえども不確定な要素が多すぎて得意領域である時間との闘いに持ち込めない、或いは持ち込めたとしてもシナリオに相当なブレが発生せざるを得ないように思われるのです。

AI時代に求められるアナリストとは、自ら描いたシナリオをAIにチェックさせ、より確度の高い成長ストーリーを展開できる人間ではないかと考えます。

勝ち負けの話ではなく、アナリスト業務がAIに置き換わるかというご質問だとすると、私の回答はNOです。

これまで多くの時間を要していた情報収集・整理等の前さばきを生成AIに任せて、浮いた時間を「広く、深く、遠く」「推と論」に充てる。この熟慮を基に企業関係者や業界関係者等とコミュニケーションを取ることで更なる創造性が生み出されると考えます。
つまり、AIを利用することによって生み出された考える時間、考える時間によって生み出される創造性こそが付加価値になると考えます。

ただ、欲望が渦巻く株式市場全体では合理的な動きをするAIはそもそもカモにされるとも考えておりますが。

おっしゃる通り、AIは物凄く発達していますし、とても優秀だと思います。ですが、さわかみ投信のアナリストがAIに負けることはないです。
理由は、投資先は企業であり、人間だからです。

AIは価格変動を重視した運用をしていますが、我々は、投資先の企業、その先の人間を応援し、投資先が成長していくことが、世の中をおもしろくすることに繋がるよう、投資に想いをのせて、自信をもって運用しております。

ですので、これからもAIに負けることはないですし、さわかみ投信のアナリストが、自信を持って運用を続けてまいります。

さわかみのような運用方針をプログラムし、同様の投資判断をさせたとしても、私たちが大切にしている企業を応援しようとする精神や面白い世の中をつくろうという意思は反映されないことでしょう。

これらの精神的作用が全く運用の場で活きないかといわれると、そうではなく、投資先企業とのコミュニケーションから生まれるもの、私たちが応援しようとする姿勢に呼応して努力する企業を過去に私たちは見てきました。
無機質な投資活動からこうした副次的な効果は得られるでしょうか?

決して義理と人情にばかり流される運用ではありませんが、数字やデータばかりで人の内面を見ることができないAIにはまだまだ負けません。

AIは相場しか見ていません。
投資先企業がどのような製品・サービスを提供していて、それがどんな未来に繋がっていくか少しも考えていません。

投資はそうじゃない。
我々は投資というものを社会・未来を自分の意思を持ってつくっていくものだと信じています。
時には数字がボロボロの企業に投資することもあるでしょう。
しかし、その裏には数字だけじゃ分からない想い・情熱が隠れています。


※回答は2024年1月31日時点のもので、現在の見解とは異なる可能性もございます。


【回答者一覧】

人の志を応援し世をおもしろくするのが自らの志。
代表取締役社長 澤上 龍 Ryo Sawakami
既存の枠にとらわれない考え方を、示す。
直販部 山本 泰平 Taihei Yamamoto
私の人生を豊かにしてくれるのは、世の中への当事者意識と感謝です。
運用調査部 斉藤 真 Makoto Saito
ファンド仲間ファースト。誠実に皆さまと向き合ってまいります。
運用調査部 小宮 力 Tsutomu Komiya
まずは日本に住む人の1%の人がさわかみファンドを持つことを目指します。
運用調査部 前野 宏明 Hiroaki Maeno
ファンド仲間の皆様に寄り添い続け、支えとなっていきたいです。
直販部 伊藤 花凛 Karin Ito
小難しいことをシンプルに。
直販部 菅原 拓矢 Takuya Sugawara
「お金が無い」ことで夢を諦める人を無くしたい
直販部 小木曾 皓哉 Akiya Ogiso

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