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✅30代女性【両親に片付けさせたい】を選択理論でコーチング人生案内#89

「30代の女性会社員。70代の両親が、とにかく物を捨てることを嫌がります。実家はゴミ屋敷とまではいきませんが、人目につかない所は物であふれかえっています。見かねて片付けを勧めたり、一緒に片付けようと声をかけたりすると、あからさまに嫌な顔をされて、しまいには「私たちが死んでからにしてくれ」と言われてしまいます。」

 現在、両親はいたって健康です。このまま長生きしてほしいと思っていますが、その分私も年をとり、体力、時間やお金の自由がなくなっていきます。それなのに、「死んでからお前たちで片付けてくれ」と言われるのは、あまり気分が良くありません。母屋のほかにも大きな物置が2棟あるので、そちらも気がかりです。

 お互いの体が動くうちに、一日でも早く協力して片付けていきたいと思っているのですが、どのような言葉をかけたらよいのかがわかりません。両親が前向きに片付けたり、物を捨てたりすることを考えてもらえるような方法がありましたら、アドバイスをいただきたいと思います。(埼玉・Z子)

(2022年5月1日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

70代の両親が、物を捨てることを嫌がり、「私たちが死んでからにしてくれ」と言われて、困っている。

相談者の「願いごと」

・両親が前向きに片付けたり、物を捨てたりすることを考えてもらえるような方法を知りたい。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①「いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を
生み、人間関係が遠ざかるだけ」と考えましょう。

②「相手の行動を変えられるのは相手本人であって、
他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ」
と考えてみましょう。


【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・両親が前向きに片付けたり、物を捨てたりさせたいが、いやがって困っている(相手を変えたいが、変えられなくて困っている)。

・「片付けようとしない、ものを捨てようとしない両親」に、自分が振り回されて困っている。
 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(出久根達郎さん)の言葉】

 私はご両親と同世代なのでわかりますが、戦後の物のない時代に育ったために、物を捨てられないのです。いつか使う時もあろうか、と差し当たって必要ないのに、大事にしまいこみます。

 性分ではなく、本能です。他人には不用品に見えても、本人には予備の品なのです。そこのところを理解してあげてください。

 あなたはご両親と一緒に住んでいないようですね。だから気になるのですね。同居していた時には、別段何とも思わなかったのではありませんか。人目につかない所に置いてあるのですから、ご両親なりに片付けているわけです。嫌がるものを無理強いするのは酷というものです。

 それともあなたに不都合なことでもあるのですか。捨てることを美徳と考える風潮がありますが、捨てる前によくよく考える必要があります。

 自分の物を捨てる分には構いませんが、親といえども、人の物は財産と認識したらよろしい。そう考えると、むやみに処分することを勧められません。

(2022年5月1日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・ご両親は、片付けないこと、ものを捨てないことで、どのような自分たちの「大切なニーズや価値観、生き方」などを満たしていらっしゃると思われますか?

・一方、ご両親が、積極的に、片づけたり、ものを捨てたりしてくれたら、あなたはどのような「大切なニーズや価値観」を満たせるのですか? 例えば、実家に戻る回数が増えたり、ご両親にもっと優しくなれたり、気分良く親孝行できたり、というようなことがあるのですか?

・そのような、あなたにとっても、ご両親にとっても良いことがあるとして、そのことを伝えたとしたら、ご両親が考え方や行動を変えることはありそうですか?

・逆に、あなたは、ご両親が片づけたり、ものを捨てないことで、何か不利益や損害を受けているのですか。また、ご両親には、何かデメリットがあるのでしょうか?

・仮に、ご両親が死ぬまで片づけたり、ものを捨てなかったときには、あなたにはどのような対処の仕方がありそうですか?

・どんな方法でも使えるとしたら、どうしたら、いやがるご両親に、片づけをさせたり、ものを捨てさせたりすることができそうですか? また、その方法によれば、ご両親との関係を悪くせずに、片づけさせ、ものを捨てさせることはできそうですか?

・ご両親に、「片づけさせること、ものを捨てさせること」と、ご両親との良い関係を維持することを比較したら、あなたにとって大事なのはどちらですか?

・ところで、話は変わりますが、もし、仮に、ご両親がすっかり片づけ、ものを捨てたとして、あなたの大きな悩みが解消したとしたら、そのときには、その悩みのために、あなたが今はできていない、どんなことができそうですか、また、したいのですか?

・ご両親が片づけたり、ものを捨てたりするかどうかにかかわらず、今でもあなたが自由にしようと思えばできること、したいことを、自由にし、それによって、今満たせていないことが満たせたとしたら、そのときは、何か、今と違ってきそうですか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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