だからお前は絵師にはなれない

20日くらいには梅雨明けするっていうから、今週からそろそろお洗濯しまくれるんじゃない?って、ワクワクしながらあいぽんの天気予報アプリ開いたら……

むこう1週間ほぼずっと雷雨というトチ狂った天気予報が出てきて、酷い裏切りにあった気持ちです。なんだよ、もう。発電所か?

早く梅雨があけますように。


で、梅雨の話は見出し画像と上記だけで、本題のタイトルの話です。

私は高校生くらいまで漫画家志望でした。

何故、漫画ではなく小説を描くようになったかというと、当時の部活(美術部と文集部と漫研を足して割ったような部活)の先輩に、文集に出した小説作品を読まれ、こう言われたからである。


先輩「お前、どう考えても漫画よりも小説の方が上手いぞ」

私「それもそうっすね!」


私もそれで納得するなよという話なのですが、実際どう考えても「私、小説の方が向いてるのでは?」となったのでしかたがない。

何せ私は短気で、しかも作る話が長かった。そして私は絵を描くことは好きだったけど、それよりも「話を書く」方が好きだった。

漫画を描くスピードだと、自分の妄想のスピードにいつまでたっても追いつかない。1コマ作画するのにどれだけかかることか。小説なら数行だ。

かくして、高校1年生にして、それまで十年近く夢見ていた漫画家への道をあっさり投げ出して、私は小説を書き始めた。

しかし、色々あって(主におうち的な事情で)札幌までしか進学ができなかった私は、ここで何故か美術系の専門学校に進学する。

大学はお許しが出なかったのである。そして、北海道内にはシナリオに関する学校がなかったのである。仕方なくではあるが「上手くいけば企画に関われるワンチャンがあるのでは?」という桜でんぶ並みに甘い幻想を抱いて、美術系専門学校のゲームクリエイターコースに進学しまったのだった。

そもそも、専門学校というのはよほどのことがない限り入試に落ちることはない。しかもゲームクリエイターコースなんか行っちゃったもんだから……

「絵は描いたこともないけどゲーム面白そうだと思った」

「単に札幌に来たかった」

というような理由で進学をしてきた奴らがぞろぞろと並んでいたのである。

本当はシナリオやりたいけど仕方なく美術系来た私は、ものすごく意識が高い方だった。

当時、名門大学を卒業しても、就職先がなかった就職氷河期まっただ中である。ゲーム会社に入ってワンチャンあるなんて幻想が実現できるわけがなかったのは言うまでもあるまい。

まぁ、そんなわけで昔取った杵柄的に絵が半端に描ける。一応DTPもできるし、むしろ手書きPOPに関しては書店員時代に大変役立ったので、別に専門学校の2年間が虚無だったとは思わない。

しかし私はやはり、根っこが絵師ではない。

性格的に絵師にはなれないのである。

それは、物語を描写する上で「絵にコストを払うことができない」からなのである。

脳内にシーンの絵面を思い浮かべて、それをそのまま絵で出力することに対するこだわりがないのである。

だけど、セリフや音、周りの風景とかは脳内の通りに描写できないと嫌なわけである。

そして、自分の画力でそれをやりだすとキリがないし、1コマ1コマごとにいちいち描きたいものを全部詰めたら漫画として成立しない。全部描写したいなら自力で美麗フルアニメーション描くしかない。そんなことができるやつがごろごろいたら、世の中の絵師はみんな新海誠だよ!!!

かといって、私の脳内ではシーンは動画として音声付で展開しているので、1枚絵だとその1瞬しか描写できないわけである。

しかも別に私、そこまで絵が上手くないしな???(根本的に絵に対する情熱がそこまでない)


絵への情熱と、物語への情熱と、画としての出力、文としての出力、これらはぜーーーーーーんぶ別物である。


その昔、漫画家志望の知人のストーリー添削をしたことがある。

彼女には悪いが、それは大変に酷いできだった。

画力の基礎ができている子だったから、画力については後から勝手に追いついてくるだろう。コマ割りだってそこまで酷くない。読めないようなとっちらかったコマ割りではなかった。初めての投稿用としては、画的な部分で言えば十分に頑張ったと思う。

でも、本当にひどかった。わずか20Pの間に明らかな物語の矛盾が5か所くらいあって、思わせぶりな台詞だけで回収されない伏線がたくさんあり(要するにムダゴマが多過ぎる。ツッコミ所はたくさんあるのに……)、それらを丁寧にひとつひとつ指摘していった結果めちゃくちゃにキレられたのだが、要するに彼女は「自分のお気に入りキャラで描きたいシーンをつぎはぎにして、何となく物語っぽくつじつまを合わせた」だけで、物語への情熱がなかったのだった。

多分、彼女は一枚絵やキャラデザインが向いているタイプだった。漫画には向かなかった。

「小説しか書けないくせにえらそうなことを言うな!」と言われた。

申し訳ないが、画力とコマ割りはともかく、ストーリーに関しては私の方がマンガでもずっとよくかけてたよ……一応美術専門学校卒業しているし、少なくとも小説は短編から長編まで書けている女だよ、君の目の前にいるのは……。

割と「絵も描けるなら小説ではなく漫画で描け」的なことを言ってくるアレな人が定期的に湧くのですが、上述の通り、そもそもイラスト、漫画、小説、アニメーション、表現手法によって必要なスキルと情熱はそれぞれ違っていて、アレができるならこっちができるということにはならぬのである。

しかし、不思議なことに「小説を自分で書く人」「小説も絵も漫画もかく人」でも「絵を描けるなら漫画で描け」を言ってくる人が、一定の割合でいる。そういう方々は「自分に向いているから小説を書く」のではなく、「絵が面倒くさいから小説を書く(けど自分は漫画を読みたいので他人にはできるだけ漫画で描いてほしい)」なのかもしれない。

別に小説を書くきっかけが「漫画だと大変なので」から始まってもいいと思うのだけど(実際、私も「漫画の作画コストより文章の方が楽」だったから小説に移行したわけで)だからといって漫画よりも小説が表現として劣っているわけではないし、逆もまたしかりである。

美術系専門学校に行ったこともあって、私の知り合いには絵師が多いが、ずっと絵や漫画を描いている友人はみんな口をそろえて「小説なんて絶対かけない、絵で描いた方が早い」という。

ちょっとした表情の変化とか、目線で訴える感情とか、髪型とか、肌の色とか。日常的に見ているけど実は正式名がいまいちよくわかっていない色々なものとか。絵で描けばみてすぐわかるよね。理解できるよ、私だって多少は絵を描いてきたわけだからね。


友「でも正直、森とか群衆とか街並みとか書いていると小説めっちゃ羨ましい」

私「わかりみが深い」


結局、単なる向き不向きだな!!!!!!!!!!!!!


ところで、この前コミティアに出てきた時、なんだかんだで十年以上の付き合いになる絵師(最近絵をあまり描かないが、漫画も一枚絵も描けるタイプ)の友人にスペースの店番を頼んだわけですね。

その時のスペースの写真がこれなんですけど。


友「ねえ、正直な感想言ってもいい……??」

私「どうぞ」

友「ルネの首よりも、正直文字だけの帝都~の方がセンスよく見える

私「私もそんな気がしてた……


私もそんな気がしてた………………………………。


いや、『ルネの首』、めちゃくちゃ頑張って表紙描いたんですけどね???


『帝都怪奇浪漫画報』は、ロゴもキャラデザ担当の紅月美邑さんがサクっと作ってくれたんですけど、めちゃくちゃシンプルかつスタイリッシュなのがスっと出てきたので

あー、ちゃんとした絵師と私の違いはこういうとこ!こういうとこね!

ってなりましたよね……。

センスのある人は、無意味にフォントを弄って壊滅的にダサくしたり、シリーズものなのに表紙のどこにロゴを入れるのかぼんやりとしか考えて無くて「おさまらない?え?ロゴおさまらないよ?助けて入稿は明日!」とかなったりしないんだよ!!!

※『ルネの首』の入稿の時にやった迷走の過程

※しかも苦労したくせにフィルタ加工を外して入稿した


思えば、デッサンはそこそこの成績とれたけど、平面構成は全然成績が振るわなかった私……。字そのものは上手く書けるけど、構成になると途端に破たんするので習字の授業でいつもビッミョな成績をとってきた私……。


いいか?お前が絵師になれないのはそういうところだぞ!!!


適材適所があると思うので、絵は必要な時しか描いてません。

でも、上述の通り本当に平面構成のセンスが死んでいるので、自分で表紙描く時は結果的にキャラ絵が一番マシという感じになってキャラ絵に頼っています。お前そういうところだぞ。


友「あ、(描いてもらった)この絵いいですねー」

私「そうでしょ、そうでしょーーー?」

私が描いた時は「頑張ったのはわかります」とか言ってくるので、この友人のセンスは全面的に信用しています。

OK、私やっぱ絵師には向いてないわ!(それはそれとして描けないわけでもないので、必要があればスキルの活用はしますけど)

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sawa

しがないライター兼小説家。小説の仕事がずっとないのでほぼライター。だけど最近はライターの仕事もあまりない。世知辛い。 元書店員。特技は光速で販促POPを作ることと、廃材を作って謎のオブジェを売り場に形成すること。これで飯を食えたら良かったのにな。

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