■ #新型コロナウイルス のPCR検査を風邪患者に対して行う #定点観測 を速やかに開始して、過度でも不足でもない対策を始めよう!

#新型コロナウイルス のPCR検査を風邪患者に対して行う #定点観測 を速やかに開始して、過度でも不足でもない対策を始めよう!
  文責: 澤田石 順(勤務先病院の元感染対策委員長) jsawa@nifty.com
      note: https://note.com/sawataishi
      twitter: https://twitter.com/sawataishi
   version 1.2 (2020.2.29) [version 1.0 は2/26]
  本文書の所在 note→ https://note.com/sawataishi/n/n715c4585dba8
   PDF文書→ https://www.dropbox.com/s/lw7pq13zkyp8dka/20200226_viralINF_about%E5%B2%A9%E6%B0%B8%E7%9B%B4%E5%AD%90.pdf?dl=0

▼要 旨
 現実にどの程度感染が広がっているかを知るための定点観測が絶対に必要だ、急げとの提言です。定点観測とは、各都道府県が診療所を数箇所指定して、風邪患者に関して、PCR検査をすること。中央政府が命じなければなりません。遅れるほど破局となる公算が高まります。
 風邪患者の何%が感染しているかを推計することなくして、各都道府県がそれぞれ適切な対策をすることができません。
 風邪患者の何%が感染しているかを推計する方法は簡単です。定点観測によりPCR検査での陽性率が判明したらば、有病率という風邪患者の何%が現実に感染しているかの数値を簡単に計算できます。風邪症状の新型コロナウイルス有病率に応じて、休業、学校の休みとかの政策の「強度」を事実による根拠で決めることができます。
 定点観測による数値・事実・現状把握なしでの感染拡大政策実施は、「やり過ぎ」あるいは「やらなすぎ」の誤りになるのです。
 どうか、論旨に賛同されましたら、可能なあらゆる方法で、内閣、国会議員、マスコミ、医師、市民たちに、この文書のありかを拡散して下さい。あるいは、要約して自らの言葉で訴えて下さい。

(※「ベイズの条件付き確率の定理」を知る医師等へ。検査での陽性率を計測することにより、有病率を計算できることに気付いたのが、本文書の始まりでした。国民全体の新型コロナの有病率は測定不能でしょうが、風邪症状者のみについての有病率はPCR検査で陽性率を測定したら、計算できる! しばらく数式をいじることはしてなく、途中で間違いがありましたが、ようやく一般式を作成し、具体的に試算した次第です。計算式には自信がありますが、検証して下さいますればと。そのことは、ともかくとして、ベイズ推計が、国民的危機の克服に大いに役立つと考えられる事態ですので、中央及び地方政府・マスコミ・国会及び地方議会議員等に、定点観測の必要性について、強く訴えて下さいますように)

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▼はじめに (※長いのですが、この解説を読んでから試算を見て下さい)
 この文書は医学・医療とかの知識も実践経験もない方々(市民、国会議員、報道者など)を対象としております。
 皆様に最も注目していただきたい数値は陽性的中率と陰性的中率です。前者は検査して陽性ならば実際に感染している確率、後者は陰性結果が現実に感染して「ない」確率のことです。これら数値は検査の精度(感度と特異度)だけで決まるのではなく、現実世界における有病率により大きく左右されることを理解していただけたら幸いです。
 有病率(ある集団が現実に感染している割合)が高いほど、陽性的中率は高くなります。一万人に一人しか罹患してないような病気だと、検査の精度が極めて高く(特異度が99.9%とか)であっても、陽性だとしても罹患している確率は2%未満だというようなことが現実です。このことを数式で示すことはできますが、省略します。そのようなものだとご理解して下さい。
 新型コロナについて申しますと、例えば首都圏在住者の有病率は全くわかってません。政府はそのために必要な調査の方法を知らないか、知っていてしていない。
 私が提唱するのは風邪症状患者のみについて、PCR検査を定点で観測すること。新型コロナ感染が増えていることは明らかであり、風邪症状から始まるので、そのような患者においては、かなりの高率(おそらく6%以上)が検査で陽性になると推察されます。
 検査の感度と特異度という数値が定義されれば、風邪患者に対して検査して何%が陽性になるかの数値から、有病率、陽性的中率、そして陰性的中率が計算できます。
 有病率が判明したら、その数値に応じて休校、会社の休業などの政策を各都道府県ごとに事実の根拠で実施することが可能となるのです。やり過ぎとしなさすぎも問題です。その中間の「適切」な蔓延防止策ができる!
 私は政府には様々なルートで定点各側を求めてきましたが、影響力不足のために、全くなされてません。定点観測をすることなくして、現実に蔓延している程度を知る事ができません。
 どうか、この文書のありかを拡散して下さいますように。もしかしたら手遅れかも知れませんが、そうとは限りません。
 以上、前置きが長くなりましたが、理解無くして行動にはつながらないのであえて詳しく解説しました。

■定点観測により、新型コロナの有病率、検査の陽性的中率、検査の陰性的中率を計算する方法
 ベイズ推計により、簡単な四則演算でできます。Version 1.0 では一般式は記さなかったのですが、今回は医師等が感度と特異度をいろいろと変えて検討するために、一般式を記載してます。その後に、現実に近い感度と特異度で計算してみます。▼言葉の定義
有病率: 対象集団の p% が罹患
陽性率: 検査した対象での検査陽性割合 y% (yousei)
陽性的中率: 検査陽性者が罹患している割合 Y% (ホントの陽性なのでYとした)
陰性率: 検査した対象での検査陰性割合 i=(100-y)% (insei)
陽性的中率: 検査陰性者が罹患していない割合 I%
検査の感度 k%: 罹患者だけに検査した場合に k% が陽性になる
  ※理想は100%、新型コロナのPCRは50%くらいとされている
   感度が40%ならば、罹患している60%は間違って陰性←偽陰性
検査の特異度 t%: 非罹患者だけに検査した場合 t% が陰性になる
  ※理想は100%。特異度95%なら、5%の被験者が間違って陽性←偽陽性)▼PCR検査をして陽性率 y% の場合
有病率(p%) = (y+t-100)/(k+t-100) *100 %
陽性的中率(Y%) = k*(y+t-100)/{y*(k+t-100)} *100 %
陰性的中率(I%) = t*(k-y)/{(t+k-100)*(100-y)} *100 %▼事前確率として 有病率を p% と仮定したら、検査の陽性率等は
陽性率(y%) = {p*(k+t-100)+100*(100-t)}/100) %
陽性的中率(Y%) = k*p/{100*(100-t)+p*(k+t-100)} *100 %
陰性的中率(Y%) = t*(100-p)/{(p*(100-k-t)+100*t} *100 %--------------------------------------------------
■新型コロナウイルス のPCR検査
▼仮定1: PCR検査の特異度を結核PCRと同程度の95%
▼仮定2: PCR検査の感度を50%とする
《特異度と感度についての解説》は、文書の後ろに移動しました。その解説を詳しく記してましたが、前置きが長くなりすぎるので
▼定点観測: 風邪症状者にPCR検査を行い、陽性率を算出する。都道府県が指定した医療機関において(現実的には開業医が望ましい。大病院に紹介状無しで受診すると数千円徴収されるため)目的1: 陽性率 y(%)から有病率、陽性的中率、陰性的中率を求める
  有病率 p = 20*(y-5)/9 %
  陽性的中率 Y = 10*(y-5)/9*y*100 %
  陰性的中率 Y = 19*(50-y)/{9*(100-y)} *100 %

目的2: 未だ不明の有病率 p(%) =事前確率を仮定して、陽性率、陰性的中率、実際の感染率
  陽性率 y = (9*p+100)/20 %
  陽性的中率 Y=10*p/(9*p+100)*100 %
  陰性的中率 I = 19*(100-p)/(19*100-9*p)*100 %

▼算出例
・大切な注意点: 特異度95%と定義されているため、罹患してないことが確実な集団を検査したらば 5% が陽性になるということ。つまり、検査をすると必ず5%以上が陽性となる。
▽風邪患者の検査で陽性率 = y%
陽性率 y = 5 のとき (つまり、非感染者が間違って陽性となる率[偽陽性] 5%と同じ場合)
 有病率 = 0% (PCR検査の特異度が5%なら、5%は過って陽性なので当然)
 陽性的中率 = 0% (この場合、真の陽性はゼロになるので当然)
 陰性的中率 = 100% (有病はゼロなので、陽性の5%は全て偽陽性、当然)
  ※厚労省はクルーズ船の有症状者に対して検査して陽性が何%かを
  明確に公開してませんが、5%をはるかに超えてることは明白です

陽性率 y = 10% のとき
 有病率 = 11.1% ←風邪症状の11.1%は感染しているということ
  ※陽性率が5%から5ポイント高くなり、有病率は11.1ポイント増えた
 陽性的中率 = 55.6% ← 陽性でホントに感染している確率は56%は低い?
 陰性的中率 = 94% ←陰性の人は安心してよいのですが、その5%は感染している
《政府・自治体の対応はどうあるべきか》
この段階で、風邪患者の1割は感染しているますが、陽性者のうち半分しか検査で陽性とならず、陰性者の20人に一人は見逃されます。すなわち、この段階ですら、陰性を理由に甘く見てはならないと考えられます。クルーズ船で失敗したのは、陽性者のみ病院に搬送し、陰性者をそのまま船にとどめたこと。これにより、感染は拡大しました。
この段階で、多くが集まる行事は禁止が妥当だと思います。

陽性率 y = 20% なら
 有病率 = 33.5% ←風邪患者の三分の一が現実に感染しているので
  ※陽性率が10%から10ポイント高くなり、有病率は22.4ポイント増えた
 陽性的中率 = 79% ← 陽性者が現実に感染している確率がドンと高まりました
 陰性的中率 = 80% ← 陰性であっても感染している確率は20%と高まりました
《政府・自治体の対応はどうあるべきか》
クルーズ船で風邪患者の検査陽性率はある時点から20%になっていたと思います。厚労省は詳しいデータを公開してないので、断言はできませんが。この段階では風邪の1/3は感染しているのですから、更に対策を強化して、不要・普及の外出は禁止とするべきでしょう。

陽性率 y = 30%
 有病率 = 55.6% ←風邪患者の過半数が現実に感染している!!
  ※陽性率が20%から10ポイント高くなり、有病率は21.1ポイント増えた
 陽性的中率 = 92.3% ← 陽性者の感染確度は更に高く
 陰性的中率 = 60% ← 陰性であっても感染している確率は40%と更に高まりました
《政府・自治体の対応はどうあるべきか》
この段階になっている都道府県においては、生命と生活の維持に必須ではない企業・官公庁の休業命令が望まれると思います。電車等の本数は1/10に削減とかも必要。
陰性者のうち4割は感染しているのですから、風邪患者はすべからく感染しているとみなして、リスクが高い陰性者(老人等)に関しては、可能な限り入院が望ましいでしょう。この段階では学校の閉鎖も当然でしょう。

陽性率 y = 40%
 有病率 = 77.7% ←風邪患者の約8割が感染
  ※陽性率が30%から10ポイント高くなり、有病率は21.1ポイント増えた
 陽性的中率 = 97.2% !
 陰性的中率 = 35.1%
《政府・自治体の対応はどうあるべきか》
この段階では、風邪で検査陰性の6.5割が感染しているので、検査する意義はもはや小さくなります。インフルエンザの流行が最も蔓延している時、毎年このような事態となっており、検査で陰性でも医師はインフルと診断することが多いです。検査などしないで、症状のみで感染者として扱うのがこの段階でしょう。この段階は破局的です。例えば東京でこの事態となれば、東京の閉鎖が必須となりましょう。

次は、究極の事態です。検査の感度は50%、つまり感染者だけをPCR件としても5割しか陽性にならないのに、定点観測で50%が陽性ということが、風邪患者の全員が感染しているということです。逆に言うと、風邪患者の唯一人も非感染ではないので、検査で間違って陰性となる者はゼロ。だから陰性的中率は↓にあるようにゼロ

陽性率 y = 50%
 有病率 = 100% ←風邪患者の全員が感染
  ※陽性率が30%から10ポイント高くなり、有病率は21.1ポイント増えた
 陽性的中率 = 100% !
 陰性的中率 = 0%
 こめクルーズ船での閉じこめをずっと続けていたら、これに近い大破局になっていたことでしょう。

▼ここまでの要約と大切な点
1) 各地域(都道府県)にての定点観測は「やり過ぎ」ないしは「やらな過ぎ」ではない適切な対応をするために必要である。
2) 検査陽性率が X ポイント高まると、有病率は X×2 ポイント高くなる
3) 検査陽性率が高いほど、陽性的中率は高まり、陰性的中率は低くなる。
4) 政府も都道府県も定点観測することなく「盲目」状態で、事実の根拠無く対策を講じてきた。
5) 特に最優先で望まれることは、感染蔓延度が北海道よりも高いと推定される、神奈川・東京・千葉にては、速やかに定点観測を開始すること。
6) 北海道で「多い」のは単純に積極的に検査しているからであり、神奈川・東京・千葉で北海道並みに検査されるならば感染者の確認は飛躍的に増えると推察される。
7) 東京・神奈川・千葉はこのままでは武漢のごとき、非常事態となる危険があると思われる。直ちに定点観測を!
8) もしも、定点観測をしないで、来週から保険適用して開業医や勤務医に任せるだけであれば、当面は重症患者に重点がおかれるので、真の観測にはならない。
9) 風邪症状の全員をPCR検査する定点観測は、やり過ぎとしなさ過ぎの中間にある、適切な強度の対策をするために速やかに開始せねばならない!!

------ 以下は、version 1.0(2/26) までの文章。興味ある方のみお読み下ればと
《特異度と感度についての解説》
-特異度について
 PCR検査は遺伝子を増幅するので、必ず正しいと思われるかも知れません。なので、感染してない人の5%も間違って偽陽性となるのはどうも不思議だと。しかし、結核菌のPCRという鋭敏な検査ですら、94%程度の特異度なのです。従って、特異度を95%としたことには一定の妥当性があります。
-感度について
 実際に感染している人だけを検査しても半分しか陽性にならないのも、納得できないかもしれませんが。中国の医師による報告(2020/2/19 https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/radiol.2020200432 )では、CTの感度は98%、PCRは71%とされてます。他にPCRの感度は4割程度との報告も。何故、感度が低くなるのか? 理由はいろいろあります
1)検体を採取する人の熟練度が低い: 日本でクルーズ船で採取した医師とか、船とは別のところで採取した人にしても、あまり慣れてない方がしたケースが多いと考えられます。中国で採取する人は既に熟達しているので、しっかりと採取できていると推察されます。つまり、日本では採取が適切になされてない確率が中国よりも高いと考えられるのです。
2)感染はしていても、咽頭粘膜ではウイルスがほとんどないために、採取者の熟練度が例え十分でも検査では陰性になってしまうことが少なくないのです。
 ウイルスは咽頭よりも肺において主としてて増えているので、咳をしている人について、必ず強く咳を促して、喀痰を採取するようにしたら、間違いなく感度は高まることでしょう。しかし、それを安全にするためには完全な防護服着用はもちろんのこと、採取するために特別の部屋を用意しなくてはなりません。防護服と部屋を装備しているのは特別の病院のみであり、防護服と部屋があっても、熟練した人でないと防護服を正しく扱うことは困難。
 このような理由で、喀痰の採取は例外的にしかなされてないので、感度が低くなります。もちろん、重症の肺炎になって喀痰を沢山だす人に関しては、しっかりと防護した上で喀痰を採取して、PCR検査をするので、そのような患者に関しての感度は100%に近いことでしょう(陽性的中率も100%に近い)。
 咳をさせることは検体採取者にとって感染リスクが高いので、咽頭粘膜からの採取に留まっていることが大多数だと思われます。だから、日本においてはPCR検査の感度は低い。だから、感度を50%と仮定しました。
 補足します。感度は一回の検査についてなので、風邪症状がある方が陰性であっても、数日後に検査するような複数回の検査をすることで、感度は高まります。皆様ご存じのように、クルーズ船での検査において風邪症状があるのに陰性の方については、船に残したという信じがたい失策を政府はしました。だから、感染が拡大したわけです。

▽風邪患者の有病率=罹患率(事前確率)を p%と仮定した時の試算
有病率 p=10%
 陽性率 = 9%
 陽性的中率 = 56%
 陰性的中率 = 94.5%

有病率 p=20%
 陽性率 = 14%
 陽性的中率 = 71.4%
 陰性的中率 = 88.4%

有病率 p=30%
 陽性率 = 18.5%
 陽性的中率 = 81%
 陰性的中率 = 81.5%

 このように、事前確率として、風邪患者における有病率を仮定することで、定点観測による陽性率を計算できます。
 要点は、有病率も定点観測による陽性率も高いほど、陽性的中率が高くなり、陰性的中率は低くなるということ。

▼結論
 定点観測によりPCR検査による陽性率が高くなるほど、陽性者の現実の感染率は高くなり、陰性者が感染してない確率は低くなる。当然のことながら、有病率が高くなる。
 定点観測による陽性率が高くなるほど、検査陰性者に対しての再検査の必要性が高まる。
 とても大切なことは、検査精度の限界(感度は50%)からして、感染者の半分しか陽性にはならないこと。風邪患者の陽性的中率で計算された感染者数と同じ人数が、検査では陰性となるのです。いわゆる検査漏れは、陽性率が高いほど高率となるのです。
 だから、定点各側での陽性率が高いほど、検査で陰性の患者を自宅待機とかさせる必要性は高まるのです。
 
以上、昨日の計算式のミスを修正して示しました。計算式が間違っている可能性はゼロではありません。ベイズ統計に詳しい方には、計算式の検証をお願いしたいと思います。もちろん、数値で算出した結果からの印象からして計算式による数値は妥当だとの印象はありますし、計算式は3時間かけてきちんと筆山で導いたので、おそらくは間違いはないとは思ってはいます。

-------↓↓は、2/26の記事で、一応残してますが、読みたい方のみでよいです。岩永直子さんの記事は私からすると論外でしたが、おかげさまで計算式の間違いを修正することとなり、ある意味で感謝しております。

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