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【世界の彷徨い方】中東放浪女子はノースリーブのワンピが最強!

1年以上、中東で放浪、または滞在しようとする時に、悩むのは服装です。現地で買うという手もありますが、資金ギリギリで、なるべく手持ちのモノで過ごしたい場合、オールシーズン対応できる服にしなくてはなりません。

ここで言う中東とは、エジプト、シリア、レバノン、ヨルダン、トルコあたりを指しています(私は行ってないけどイスラエルやイエメン、エチオピア、スーダン、あとモロッコやチュニジアなど北西アフリカにも適用できると思います)。

私が強く、つよーくお勧めしたいのが、ノースリーブのロングワンピース、またはサロペットのロングスカートです!! つまり、胸から足首の上あたりまで、すっぽり覆う1枚モノのアイテム。これが最強です!!!

なぜ私がこれを力説するかというと、パッカー旅をする多くの日本人が、決まってTシャツとデニム(ジーンズ)を着用してしまうからです。

でも、旅をしていると洗濯機があるとは限りません(私は3年間洗濯機ナシでした)。ジーンズは手洗いするには手がかかるし、乾くのも遅い。スペアを持っていくにも重いしかさばります。あと、長距離移動が疲れます(飛行機はもちろん、夜行列車やバスなども)。

以下、ワンピ最強説の理由を勝手に叫びます。

イスラーム圏に溶け込める

信仰深いムスリマ(女性のイスラーム教徒)は、体のラインをあまり出さず、手と顔以外、肌を見せないスタイルをします。エジプトならガラベーヤ、首から足首まですっぽり覆う1着のワンピを着ます。

もちろん、ムスリマの中にも、あえて自由な服装を楽しもうという人もいて、実際にノースリーブやジーンズを履いている女性もたくさんいます。(これは信仰心に比例しているとも言い切れません。時代ごとの流行もありますし、個人の選択に依るところが大きいでしょう。イランやサウジアラビア、アフガニスタンなど国で服装規定がある場合は別ですが)

余計なセクハラを避けるには、なるべく体のラインを出さないのが無難だし、何より楽です。それに、現地を旅していて、いつ急にモスクに入りたくなるとも限りません、そんな時、ワンピを着ていれば、あとは上着とスカーフだけですぐに礼拝スタイルになれます。遠慮なく、マナーも乱さず、どの国のモスクにもふらりと入れるのです。

モスク興味ないわって人もいるかもしれませんが、中東の長旅でトイレに困った時も、小浄(ウドゥー)場を備えたモスクならあることが多いので、いざという時はお借りすることもできます。そういう時も最低限の礼儀は尽くしたいと思います。

レイヤーがしやすい

ロングワンピを2~3着持っていけば、あとはインナーとアウターで自由に重ね着してオールシーズン対応できます。ノースリーブをすすめるのは、レイヤーがしやすいからです。

季節によって、夏はインナーはナシでもいいですし、速乾性の綿のTシャツでもいいし、寒くなればトレーナー、セーターなどにして対応できます。

アウターは、夏でも陽射しが強すぎるので、紫外線よけに肌を出さない薄手のモノを1枚羽織った方がいいでしょう。寒くなればもちろん厚手のジャケットを。中東なら真冬でもコートまでは不要です。

今はアウトドアウェアでいいものがたくさん出てますので、インナーやアウターはモンベルなど山道具屋さんでそろえるのもいいですし、ユニクロのエアリズムやUVカットパーカとかも優れものですね。少し北の国(トルコやシリア北部など)なら薄手のダウンもいいかもしれません。

ロングワンピの素材は化繊がおすすめ! ポリエステルやナイロンにしましょう。軽くて、丸めてバックの隅に押し込んでもシワにならないし、アイロンいらずで乾きやすいからです。素材はインナーで、上質感はアウターでこだわりましょう。

城砦めぐりにも最強

十字軍の城塞をめぐっていると、そこそこの山登りをしたり、城壁をよじのぼったりしなくてはなりません。そんな時、ジーンズだと意外と足の運びを制限されていまいます。汗でもかこうものならなおさらです。しかしロングスカートなら、足の角度を限界まで自由に動かせます。すごい格好?をしていても、スカートが隠してくれます。

あと、城砦が廃墟になっていて、密集した草むらをかき分けていかなければならない時がありますが、そんな時、ワンピ+アウター1枚羽織っていれば、トゲのある草もしなってよけてくれるので、刺さったりして怪我をする可能性が減ります。

これは、戦国武将と同じ原理です。どんな丈夫な鎧でも弓矢が貫通することがありますが、その上に1枚薄い幌(ほろ)を着けていれば、矢は払い落されます。戦国絵巻なんかでマントのような白い布つけているのはそういう原理なんですね。

あ、ただし1500メートルを越える山登りになると、さすがにスカートでは危険なこともあるので、ケースバイケースで対応してくださいね。

突然のコンサートにも行ける

あと、長期間放浪していると、旅の途中で観劇やコンサートなどに行きたくなることもあるでしょう。そんな時、いくら旅人とはいえ、ジーンズで入るわけにはいきません。ドレスコードには対応できなくても、ワンピにシンプルなアウターを羽織ってネックレスの一つもつければ、オペラ座だってギリギリ入れます(入りました)。

中東でも時々、城砦をステージにした夜のコンサートや演劇などが開催されることがあります。これ、何が嬉しいって、夜の闇に落ちた城砦と、城砦の上からの夜景が見られることです! 中世の城は支配者たちの住居でもありましたから、夜の生活を体験しない手はありません。そんな時もワンピだと気後れせずに行けますよね。

土地が育んできた装いに敬意を払って

で、結局これって、中東の人が男女問わず受け継いできた伝統的なスタイルと原理は同じなんですね。この上下一体化したワンピスタイルは、宗教的な理由だけではなく、夏の暑さを少しでもしのぎ、冬は空気をたくわえて暖房がなくてもそこそこ温かい、強烈な陽射しや砂埃からも全身をまるっと守ってくれるスグレモノなスタイルなわけです。

だから、何なら男性の方にもおススメしたいぐらいです。

その土地土地で理由があって定着してきたスタイルには、百年千年の時を越えて育まれてきた知恵がつまっています。先人の知恵に敬意を払って、よいところはとりいれつつ、現代人らしく身軽に旅できるといいですね。





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