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カサブランカにおけるIFCの交通インフラ投資の意味

PRディレクターのさやです。

今日は国際金融公社(IFC)のカサブランカへの融資活動についてご紹介します。つい先日、日本の支援も受けて、モロッコの交通インフラ整備を行なったことが発表されましたね!

国際金融公社(IFC)とは 

世界銀行グループの一つで、開発途上国の民間セクター開発を支援している組織です。世界最大の国際開発機関として知られています。世界銀行グループの2大目標である、極度の貧困を撲滅と、繁栄の共有を促進を目指して活動しています。

日本はIFC設立(1956年)当初から加盟しており、世界第二位の出資比率を持つ株主となっています。IFCの資本強化、 戦略・方針決定等に大きく関わっています。

カサブランカの例

冒頭で紹介したカサブランカでは具体的にどのようなことが行われたのでしょうか。

カサブランカはモロッコ最大の都市で、金融の中心地でもあります。2012年に路面電車が開通して以来、住民や観光客などの利便性が飛躍的に向上しました。一方で、地方からの人口流入によりカサブランカの都市人口が増えたことで、交通システムがその人口に対応できていないことが成長のブレーキとなる可能性がありました。

「公共交通機関と地方の道路網の拡大は、人と仕事そしてサービスをつなげ、地域格差を是正し、人々の生活の質を今後何十年にもわたり改善するだろう。」

そこで、モロッコ政府とIFCは路面電車全体と地方道路網などを拡大するための改革と投資に適した環境整備に取り組んできました。投資誘引のための長期的取組みは、IFCが得意とする川上段階での事業の特徴と言えます。

そして、IFCは地方政府に直接1億ドルの長期融資を行いました。通常の融資案件と異なり、この融資は国による保証を必要としていません。これは、モロッコの地方市場が商業的な投資対象となり得ることを示し、世界の投資家に「青信号」を灯したのです。

インフラ・プロジェクトへの商業ベースでの資金調達の前例は実はほとんどありませんでした。地方政府に融資を行った経験のある公的機関はわずか1機関といった状況の中で、IFCか今回の融資に踏み切ったのです。

開発を考えたときにインフラの整備は欠かせません。しかし、すぐに結果がでない場合もあり、なかなか資金が集まりにくいという現状もあります。今回のIFCの融資は地方都市の開発のあり方を一歩前進させたといえるでしょう。



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