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卒業旅行でJR北海道全部乗ってみた 其ノ伍

いままでのあらすじ

2日目!
函館から東室蘭まで特急!
室蘭支線に乗る!
滞在時間9分!
東室蘭まで戻る!
やってきた特急が満席!←今ここ

東室蘭〜苫小牧

あーん自由席空いてないじゃーん。
念のため車内でも確認。でもやっぱり
あーん自由席空いてないじゃーん。
東室蘭から苫小牧までの所要時間は37分。
まあ仙台〜郡山の新幹線で立ち乗りしたことあるし、
余裕でしょ。

もちろん、そんなことはなかった。
軋むショルダーバッグは、
片側の肩が疲れる度にギシギシならしながら
反対の肩にかけ変える羽目になった。
めちゃくちゃ揺れるデッキで、
壁にもたれかかりながら外の景色を楽しむ、
余裕なぞ無い。
ひたすらに揺れに耐え続ける。
時折通過する車掌の会釈に応えつつ、
登別駅で下車した大量の外国人観光客に揉まれ、苫小牧駅を降りた頃にはげっそり。

というか、
うっひょ〜〜〜〜〜〜!
到着時 駅舎が古かったのを見て
大きな声を出したら
JR北海道からの誠意で
盲目チャイムをサービス()してもらいました。
道民の利用数次第でこの会社潰すことだって
できるんだぞって事で…

もうめんどくさいからいいや。
国鉄特有の角ばった白い駅舎の外壁は汚れており、
JR北海道の経済の厳しさを改めて痛感。
次にのる列車は30分後。
なので少しホームを探索。

国鉄臭い平仮名の駅名標にサッポロビールの広告
「出口」のフォントが国鉄臭い

栄枯盛衰とはまさにこのことか(????)。
国鉄時代の賑わいは今どこに。
人のいないホームで鳴り続ける盲目チャイムが、
筆者の心を穏やかにした。

苫小牧〜鵡川

それではまたまた路線図。

https://jrhokkaidonorikae.com/map/map.php より

内浦湾の東側、
苫小牧駅から3駅だけ伸びている日高本線に乗る。
筆者が乗った当時は浜田浦駅があり、
4駅だったのだが、
2023年のダイヤ改正で廃止した。
というか、
そもそも日高本線はかつては襟裳岬の方、
様似駅というところまで伸びていた。
しかし、2015年の高潮被害で
線路がずったんずったんになってしまい、
細々と代行バスが運行していたが、
復旧費用に見合う需要が無いので、
2021年に鵡川〜様似間が廃止。
日高本線なのに日高地方に行かない路線となっている。

国鉄車両に乗り込み、
苫小牧駅を発車。
頻繁に鳴る警笛と、頻繁にかかる急ブレーキ。
エゾシカ様の登場である。
完全停車が無いだけマシだったか。
他の乗客は物珍しくエゾシカを撮影していたが、
厳しい経営状況であるのに、
ブレーキが間に合わずエゾシカを轢いて
車両を壊したりしてしまうかもしれない
運転手の事を思うと、
筆者はそんな気にはなれなかった。

浜田浦駅では葬式鉄が何人か下車。
周りはまっさらマサラタウン。
どうしてこんなになるまで駅を存続させたんだ。

たったの30分で終点の鵡川駅に到着。

駅名標の全体すらまともに撮れないのかお前は

駅舎側にもホームがあったが、
簡易的な柵で覆われており、
今は使われていないようだ。
かつての様似方面は線路が残っているが、
雑草でほぼ隠れていた。

左の踏切ランプももう光ることはない

では時刻表を確認。
鵡川発苫小牧行は10分後。
もう何も言うまい。
駅舎内はかつての日高本線を記録した展示室。
キヨスクと窓口があったらしいが、
その跡も展示室と化していた。
駅舎内で聞こえる音は、
鉄オタの撮るシャッター音のみ。
こんな駅でさえ、
国鉄時代は富内線という路線が分岐していたというのだ。
アンニュイになるわぁ。

そうこうしていると、
もう発車2分前。
もう使われることのない構内踏切を急いで渡り、
筆者はさっき乗ってきた国鉄車両に乗り込んだ。

次回予告

日高本線を折返し、
苫小牧から札幌へ向かうため、
再び特急列車に乗り込む。
このあとは学園都市線を乗り潰すつもりだったが、
所持金が少なくて心配になった筆者は、
手数料を渋って、
わざわざ地元の地銀の札幌支店に向かう。

次回
鵡川〜苫小牧〜札幌


つづく

よくわかっていないのでサポート頂いてもそれを充分に活用できないのでやめたほうがいいですよなどと供述しており