海外ブログが読める読解講座 3

「代替医療のトリック」のエツァート エルンスト先生のブログで読解の仕方を練習する解説の続きです。記事はこれ。

http://edzardernst.com/2014/07/why-so-many-chiropractors-advise-against-immunisation/

題は『Why so many chiropractors advise against immunisation?』

パート1はこちらですね。パート2はこちら。

カイロプラクターのアドバイスは科学に基づいていないし、この業界にはワクチンには反対の立場が多いんだよ。そもそも創始者親子がワクチンは毒だ、感染症とかないと言っているというところまででした。全訳は最後に載せる予定です。

さてこのペースで課金するとかなりの額になってしまうので、悩んでます。

今回は無料回にします。良いねと思ったら投げ銭代わりに1,2を買って下さいませ。

では続けます

[Such sentiments and opinions]【 are】 still prevalent /in the chiropractic profession –

Sam is a boyみたいなSVC文型ってなんに使うの?と思っちゃいますが、こういうふうに、大人の論述系の文章では多用するのです。私は英語の特徴は普通動詞だと思うんですが、英語は動詞はそれほど大切じゃないと言う人がいるのも、こうやって論述系はSVCでいけるからなんでしょう。

ちなみに、webの英文を読むときに辞書が簡単に使えると便利ですよね。私のブラウザはchromeなので、weblioがマウスオーバーで使える拡張機能を使っています。weblioの英和・和英の方はお勧めです。ただどんな場所でも確実に機能するのは英辞朗とPDICを使って、検索設定で単語をコピーすると検索結果がポップアップで開くようにしておく方ですね。英辞朗は辞書と言うより単語集なので、辞書代わりにはならないことは知った上で使いましょう。

例えばprevalentは、weblioではこういう情報が読めます。英辞朗ではこれ。辞書を引くことで学習すると言う目的には英辞朗は向いていないというのがわかっていただけますでしょうか?

ちなみに英語添削をしていると、これは文例や単語集を使って書いたなというのはかなりよくわかります。「それ、ぜんぜん自分の力になっていないよ」と呟きつつ、赤を入れていたのであります。

ではsentimentとopinionを辞書で引いて、エルンスト先生が[Such sentiments and opinions]をどう評価してるのかを確認して下さい。

[Such sentiments and opinions]【 are】 still prevalent /in the chiropractic profession –

どういう単語を使って言い換えているかは全体の筆者のトーンを知る上で重要ですね。

次はそれから100年以上たって、現代のカイロプラクターはどう言っているかです。

 but /today/[they] 【are expressed】/ in a far less abrupt,/ more politically correct language:

ここのthey は 「それ」の複数形で、人ではなくて、ワクチンへの否定的意見を指しています。far lessは、moreとペアの用法になってます方向は反対ですが、修飾しているabruptとpolitically correct languageが反対の意味なので、同じことを繰り返して強調する言い方になってます。politically correct languageはPCと略しますが、公的文書で使う差別を避けた表現のことで、日本だと放送禁止用語が近い概念です。放送禁止用語と同じく表面上のことだという批判も多く、今やどちらかというと、体裁だけねという意味の言葉になってしまっています。

では現代のカイロプラクターの意見です。

[The International Chiropractors Association]【 recognizes】 /that [the use of vaccines]【 is】 not without risk. 

「ものである」口調で訳すような公式見解の文章です。長い組織名でも単数なので三人称単数現在のsがつくのだなあと、そんなところに感心したり。

not without risk. は「ないわけではない」という持って回った言い方。

[The ICA ]【supports】 each individual’s right /to select his or her own health care /and to be made /aware of the possible adverse effects of vaccines /upon a human body. 

これも非常に持って回った言い方になっているので、ここまでやってきた読解テクニックを使って整理しましょう。

まずandのところで、二つの文が合体しています。どこまでが共有されているかというと、

[The ICA ]【supports】 each individual’s right 

まで。つまり [The ICA ]が【supports】するのは

each individual’s right /to select his (or her) own health care

each individual’s right /to be made /aware of the possible adverse effects of vaccines /upon a human body.

「自分の健康管理を選ぶ個人の権利」はまあいいとして、下の文章は

make aware=意識させる、知らせる、認識させる。ワクチンの可能性があるadverse effects(副作用)を知る権利じゃなくて、知らされる権利。

すっきりしない言い方です。もやもやはさらに続きます。 以下の文がわかりにくいのは、わかりにくく書いているからで、たぶん自分の英語力のせいじゃありません。

In accordance with such principles/ and based upon /the individual’s right to freedom of choice, /[the ICA] 【is】 opposed to /compulsory programs /which 【infringe】 upon /such rights. 

これも倒置で条件を前に持ってきているので、主語と主動詞になるまではあまり悩まずに進んでよいです。

In accordance with (に従って)such principles(そのような原則に)

based upon(基づき)the individual’s right (個人の権利)to freedom of choice(選択の自由)

文の本当の中心はここ。

[the ICA] 【is】 opposed to(反対している) /compulsory programs(義務プログラムに) /which (どんな?)【infringe】 upon(侵害している) /such rights.(そのような権利を) 

これはそのまま読んで、並べ替えて理解しやすいようにすっきりさせようと思わないこと。それやっていると、いつまでも英語読解力は上がりませんので語順は変えない。次もごりごり頭から読みます。法律っぽい書き方なので、とても読みにくいです。私も何度も読んでしまいました

[The International Chiropractors Association]【 is】 supportive /of a  a conscience clause or waiver  /in compulsory vaccination laws,/

ICAは支持している(何を?) a conscience clause (良心条項)or waiver(権利放棄) (何の?)in compulsory vaccination laws(ワクチン義務法の中の)

その良心条項は・・・

 /providing(提供してる) an elective course of action (行動の選択肢を)/for (に対して)all regarding immunization(ワクチンに関するすべて),/ thereby (よって)allowing (許す)patients(患者に /freedom of choice (選択の自由in matters (のことがらについて)affecting (影響する)their bodies and health(彼ら=患者の身体と健康に).

わからないってギブアップしないで後でもう一度考えようと思っておくと、アハ!の瞬間が味わえますよ。


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